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体験や経験は自己投資。機会は自分からつかみにいこう。

これまで多くの学生と関わってきて、よくある相談を。
4年生、就活の時期になり、履歴書やエントリーシートに奮闘しながら「先生、この『大学で頑張ったこと』って何を書いたらいいですか?」と尋ねてくる学生が度々…いや、意外と多くいます。

「あなたは4年間で最も力を入れたことは?」
「…バイトです」
「では、大学で学んだこと、大学じゃないと学べなかったことは?」
「………」

学部生だった頃、自慢ではないですが私も学業に真面目ではありませんでした。
ですが、大学生活の中で得られた大きな経験は、ジャズ研で過ごした練習の日々、仲間との試行錯誤や演奏の経験、諸先輩方とのライブや繋がりの経験です。
毎日一生懸命サックスの練習を何時間もし、基礎練やバンド練に明け暮れ、仲間とバンドの方向性や後輩の指導に関して毎週のように明け方まで飲みながら議論をし、先輩たちに連れられて色んなお店でセッションをさせてもらい、ライブやイベントに出演する日々。
自分達で企画をし、イベントの準備、宣伝、広告、出演、ゲストの招聘など、楽器の練習だけではない様々な経験を何度もさせてもらいました。
演奏が上手くいかなかったり、本番前の緊張や不安で押しつぶされそうになる日々も何度も経験しました。
もちろん、バイト代は楽器のメンテナンスや楽器関連、ジャズのCDを買い漁ること、時々、お世話になっているジャズライブハウスからライブの割引のお話があり、ほぼ水だけで粘って一流ミュージシャンのライブを2セット聴く…など、ほとんどジャズに費やしていました。
「親の金で大学に行かせてもらって、ちゃんと勉強しろよ!」という声が飛んでくるのは重々承知ですが、少なくとも当時も今も自分の選択や没頭具合はそんなに間違っていなかったと思っています。
(当時は研究者人生を歩むとほとんど考えていなかったので、その点からするとかなり遠回りですが。)

自分の話になってしまって恐縮ですが、
若い人や、「あなたは色んな趣味があっていいですねぇ」と羨むだけの人に対してお伝えしたいことは、
一度、本気になって自分に投資してみましょう、ということです。
学生当時の僕にとっては、ジャズにどっぷり漬かっていた日々は自己投資という感覚は全くなかったのですが、今思えば、あの日々は自分への投資の日々だったと考えることができます。


自分に投資をする。自分にお金を使う。

好きなブランド物や着たい服を身につける。ディズニーやUSJなどテーマパークに行く。食べたいものを食べる。推しに貢ぐ。

サービスや享楽を受け、消費するためにお金を使うこともそれはそれで楽しいし悪いことではないのですが、
自分がどんな体験をするか?そこから何を得たいのか?にお金を使うことも圧倒的に重要だと思います。
お金が無いとしても、自分を変える、自分を成長させることにも意識を振り分けましょう。
そして、現代の社会では、勉強会や研修会の類はたくさんありますし、「先生」に関する情報はたくさん溢れています。
この人から学びたい!ここでは自分を高める何かしらの体験ができそう!そういった機会には積極的に飛び込むことが大事です。
「もう少しお金がたまったら…」「もう少し勉強して知識をつけてから…」「人前で失敗したくないから、上手くいく見通しが立ってから…」
そういう人は一生チャレンジしません。チャレンジできないのではなく、チャレンジしたくない理由を無理矢理見つけて、「やっぱり〇〇ができないから、新しいことに挑戦するのって大変だよね」と挑戦しない自分を慰め、合理化しているだけなのです。
どんな些細なことでも、「経験や体験を買う」というマインドを持っていれば、その積み重ねは、そういったマインドを持っていない人とは1,2年でも圧倒的な差に繋がります。

僕の授業の中で、よく「子どもっていつからいつまで?」という問いかけをします。
その反応の中に「新しいことに挑戦することを恐れるようになったら大人」というものがあり、なるほど!と思ったことがあります。
そのような意味で、ずっと子どものような好奇心と柔軟性を持ち続けていたいものです。
僕は今年で大学教員という職について10年目を迎えました。改めて自戒を込めながら、これからもやっていきたいことをドンドン進めたいと思います。


月並みな表現かもしれませんが、じっと待っていても機会は降ってきません。
機会は自分からつかみにいきましょう。


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