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ミラクルミッション #4シン・打ち合わせ

 昼食後、市役所のワゴン車にS商事、筆者、農業振興課職員が同乗し、農家さんに向かうことにした。
 役所あるあるの一つ、会議室を出てからが、真の打ち合わせである。この移動時間中にS商事とコミュニケーションを重ねて、当市のPR、相手からの情報収集を行わなくてはならない。
 それがシティプロモーション課の係長としての務めというものでしょう。あわよくばではありますが、今後のためにもS商事の担当者との繋がりを構築しておきたい。

 車中では、当市の現状やS商事グループとのつながり(グループ会社が多く立地していること、S商事のOBに市の審議会委員を委嘱している話など)をアピールするとともに、S商事の本気度や、他市への働きかけについて探りを重ねた。

 筆者が気になっていたのは「福島県への復興支援」というスタンスである。当市以外にも声をかけているのか。福島県とは調整をしているのか。
 しかし、敵もさるもの引っ掻く者、ガードが固く、本音は見えないままである。

 車中でS商事の係員が、良い質問を入れてくれた。
「筆者さん、失礼ですけど、一昨日の水曜日に、うちの担当と文化部次長が電話で話をしてから、今日の会議を企画して、参加する職員さんを集めたのですよね。他の課の方々は嫌がりましたよね。普通の役所ではあり得ないですよね」
「そうですね、普通はあり得ないですね。けど、S商事さんから声をかけていただくことも、普通ではあり得ない機会ですので、何としても形にしたい、少しでもお役に立ちたいと考え、関係しそうな職場に声をかけました。私は市職員ですが、心はS商事の一人として、今回の事業成功に向けて取り組みたいと考えています」

 その他、様々な話を重ねながら到着したM農場ではあったが、ここで、筆者の小賢しさを吹き飛ばすような、縁の不思議さを感じることになる。

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