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【創作SS】快ケツ キューティーバニー推参 #毎週ショートショートnote

 男は掲示板に入力した。
『月が綺麗ですね』
背後で声がした。
「快ケツ キューティバニー推参」
白いバニースーツの女の子が立っていた。
「余命少ない父の願いを叶えてください。『インド数学の秘術を尽くして生産される希少なお茶【数学ダージリン】を飲ませたいのです』
「お易い御用、三日後のお茶の時間、お湯を沸かして待っててね」
キューティは窓から漆黒の夜に消えた。

 三日後、リビングに座る男性二人。
「お宝月兎(ゲット) キューティバニー推参」
キューティは三人分のお茶を淹れた。
「ちょっと待ってね。ムーンルネサンスパワー」
キューティの尻尾から銀色の光が放たれ、一人の女性の姿が映し出された。
父が微笑む。
「清子、お前が好きなダージリンティだ。もう一度一緒に飲みたかった」
カップを手にすると香りを楽しむように目を閉じた。
女性の姿は消え、男の瞼が開かれることはなかった。

「月の光は心を映すの。お父さんが本当に飲みたかったのは、ダーリンティだったようね」
(本文ここまで)

たらはかにさんの毎週ショートショートnote、お題【数学ダージリン】に参加です。
#毎週ショートショートnote

 今回は変則で、同じお話を「ショートショートnote版」と「フルヴァージョン」で投稿しました。
 410字では「キューティーバニー」の魅力を伝えきれず、苦肉の作となりました。アイの戦士を卒業したキューティー、また登場させたいです。

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