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お気に召すまま #創作大賞感想
大変申し訳ないことに食わず嫌い、いえ読まず嫌いをしていました。青野晶さんの「嘘つきたちの幸福」という作品、こちらです。
(読書感想文ですがネタバレはありません)
青野さんの文章は好きなのです、フォローもさせていただいています。しかし、しかしです。私は「カタカナの登場人物や場所」が苦手なのです。登場人物の名前を覚えることができずに「この人誰だっけ」と考えてしまい、読むリズムが悪くなるのが好きではないのです。
なので冒頭に「アビー王子と革命家ファイザ」とカタカナが出てきたところでウィンドウを「そっ閉じ」してしまいました。青野さん大変申し訳ありませんでした。
ところが本日夕方に「みなとせ はるさん」がとても素敵な読書感想文を投稿されました。こちらです。
タイトルに【推したい創作大賞】とありますが、内容は絶賛、絶賛、大絶賛です。そして
シェイクスピアの描く演劇
との記述もあります。
これはシェイクスピア先生を敬愛してやまない私として読まない訳にはいかないと考えたのです(拙著「銀山町 妖精綺譚」などシェイクスピア作品からのインスパイアは多いです)
そして読後に感じた第一印象がこれです。
【これは現代のシェイクスピア。舞台劇という特性を活かした極上の物語。いや、エンターテイメントとしてはシェイクスピアを越えているかも】
※ 個人の感想です、面白さを保証するものではありません。
全体をぶれずに貫くシェイクスピア魂、そこに加えて「王子と乞食」やチャップリン映画のようなコメディ感をブレンドしているような作品です。藤田和日郎先生の漫画「からくりサーカス」を彷彿させるようなギミックもあります。
どうしてこれが面白くないはずがあろうか、いや、そんなことはない。
と思うのです。
しかも、どの場面においても緻密で繊細な場面描写が、作品に豪華な彩りとリアル感を醸していきます。読者を作品の世界に誘う魅力に溢れています。そういう描写が苦手な書き手としては嫉妬するばかりです。作者が日頃から様々な景色や建物を自分の世界に取り込み、自分の言葉で表現しようと努力している姿が伺えます。
ただ1点だけ、1点だけ難点を上げるとすれば、この作品を本当に楽しむには
【読み手を選ぶ物語】
ということでしょうか。再び「みなとせ はるさん」の読書感想文から引用します。
『舞台や古典演劇が好きで、仕事終わりに劇場へ足を運んでいたあの頃。
喜びや感動で心が満たされ、救われていたことを思い出しました』
ということで『舞台や演劇』が好きな方に取りましては、極上どころか『Stairway to Heaven』になり得るような作品だと感じました。
もちろん『舞台や演劇』に興味や知見が無い方でも十分に楽しんでいただける極上の作品です。この作品を『舞台や演劇』に誘う『Stairway 』としていただくのも有りだと思います。
何はともあれ、できれば夏至が近いこの時期に「夏の夜の夢」を見るように『お気に召すまま』この作品を楽しんでいただければと思うのです。
#創作大賞感想
#青野晶
#みなとせ はる
#シェイクスピア
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