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公タマ伝 #21 民間事業者リスペクト

 行政と民間事業者の関係性においては、「発注者と受注者」という関係性が強く顕れます。そのためか、行政全体に民間事業者に対し、マウントを取ろうとしている職員が多いように感じています。「官」が上で「民」が下というような雰囲気を感じますが、何を勘違いしているのかと、理解に苦しむところです。

 「発注者」には「受注者」を選択する権利があるので、そのような力学が働くのかもしれませんが、「受注者」にも相手を選ぶ権利があるということを忘れているようです。民間事業者の方に受注していただけないと、行政の仕事が遂行できなくなることに気づいていないのでしょうか。民間事業者は上でも下でもなく、大切なまちづくりのパートナーであると考えています。

 さて、仕事には「稼ぎ」「務め」の両輪が必要だと考えています。「稼ぎ」はお金を得ること「務め」は「課題解決」をすることになります。どんな仕事であれ、民間事業者の方は、その両輪を廻しつつ「社会貢献」の役割を果たしていることが多いと感じています。
 行政も民間事業者も住民の「課題解決」に取り組み、生活を豊かにするという点では、全く同じ方向を向いて仕事をしていると考えています。
 行政の仕事は、社会貢献が大きな割合を占めていますが、稼ぎが乏しく、課題解決も今ひとつの場合が多いと感じています。それに引き換え、民間事業者の方は「稼ぎ」「課題解決」「社会貢献」のバランスが非常に良い印象です(非合法の事業者は除きます)。

 また、「まちづくり」というものは、行政や民間事業者、市民などの取り組みの結果として醸成されていくものであり、快適な「まち」を創りあげていくためには、行政・民間事業者・市民のそれぞれが、まちのために活動する必要があると考えています。

 そして、筆者が、民間事業者を尊敬しているのは、住民の「課題解決」に資するだけではなく、その事業を通じて「お金」という価値を生み出し、自分の生活を守ることに加え、納税を通じても社会に貢献していることです。しかも、それを持続的に実施することにより、未来の社会を守る活動をしているのです。
 それに対し、行政は「お金」という価値を生み出すことはなく、逆に税という形でお預かりした「お金」を「浪費」していることが多いように見えます。お預かりした「お金」を社会資本や人材育成、経済活性化などに「投資」することは良いと考えています。
 また、経済活動に合致しにくい、地域福祉の費用負担をすることは必要であると考えています。しかし、現状では

「投資でも福祉でもない、浪費が多いです。価値を生みだすどころか損失ばかりです」

と感じる施策が多いように感じています。費用対効果どころか、無意味を越えて害悪であるように感じる事業もあります。何度か繰り返すフレーズになりますが

「余計なことをしないのも住民サービスです」

 行政は「法と強制力」を背景に、住民の方から納税していただきますが、民間事業者の方は、住民の方に対価として納得していただき、時には「お金を払うからお願いします」と依頼されて「課題解決」を行うことに、深く敬意を表するのです。また、納税していただくこと、雇用を生み出していただいていることに、心から感謝をしています。

 筆者が行政職員として、事務事業に務める中では、常に民間事業者さんとの協力・共生ということを意識しています。
 周囲には時に共生ではなく、強請を行うように見える方がいるのが、残念で仕方ありません。
 

サポート、kindleのロイヤリティは、地元のNPO法人「しんぐるぺあれんつふぉーらむ福島」さんに寄付しています。 また2023年3月からは、大阪のNPO法人「ハッピーマム」さんへのサポート費用としています。  皆さまからの善意は、子どもたちの未来に託します、感謝します。