最近のインターネットの広告終わりすぎ問題
長くインターネットをやってきましたが、ここ数年のインターネットの広告はヤバイです。って思ってたらついにそういう記事とか本も出てきました。
この記事は以下の本の抜粋記事なんですが、「ウェブの広告がやべえ」という記事を読むのにウェブのやべえ広告を見せられるという構成になっており、自己批判的というか落語的というか今のインターネット広告のやばさが顕著に表れていてすごいです。ここは元から楽しい地獄だ、という気分になれますね。
ただ内容としては自分もWebメディアでご飯を食べさせてもらっていた者として「わかる」という部分が多かったので、ご興味あればぜひ広告に耐えて記事読むか本買うかしていただければと思います。それにしても、そもそもこんなんなってることにシステムの歪さというか資本主義の闇というかそういうことを感じざるをえません。
天下のGoogleさんの広告がマジで終わっているというのは皆さんにも身に覚えがあるのではないでしょうか。普通のサイト見てるのにスケベみの強い広告がクソデカ表示されたり、YouTubeで明らかに詐欺くせー広告が増えたりとかそういうやつです。
一時よく「YouTubeは1再生で1円もうかる」みたいに言われてましたが、Webの広告というのは単純に1PV=いくら、で考えられるもんでもないらしいです。1PV(1記事)あたりの広告の量はもちろん、広告の値段も時期とか景気とかによって色々変わるからです。上記記事にもありますがコロナ禍の際はみんな家でインターネットやってたからWeb広告の需要が高まって価格も上がり、メディアがもうかったみたいな話もあります。
で、コロナが落ち着いてくるとみんなまたインターネットをやめてお外に出たりするからWeb広告の値段が安くなる。そうするとWebメディアの売り上げも下がる。高いノルマを設定してたメディア側は慌てる。しゃあないのでクソ広告の量を増やして補う。インターネットの使い心地がめっちゃ悪くなる。読者が離れる。もっとクソ広告を増やしたりページを分割したりして補う。実を言うとインターネットはもうだめです、とこうなるわけです。
本当はそんな単純な話でもなく、下品な広告を表示させないように対処してもフィルターすり抜けて出てきちゃうとか、メディアとしてもみんなの給料払って存続するためにクソ広告増やすしかないとか、とにかく複雑に絡み合った事情の中でインターネットは死んでいったので、どこかに明確な悪があるわけでもないと個人的には理解しています。つまり、社会が悪いということです。
これはわりとマジで思っていて、会社員辞めたのもなんとかそういう負の円環の理から抜けられないかなと思ったからというのはひとつの理由としてあります。組織じゃないとできないこともあるけど、個人じゃないと融通がきかないこともあるなと。
余談ですがこのnoteを始める前にやっていたブログにGoogleアドセンスをつけたら、昔のGoogle広告と違って全画面広告とか一杯出るようになっちゃって悲しくなったことを覚えています。ああ、もうインターネットは無料で気持ちよく文章を読める場所ではなくなったんだ、ということを強烈に感じました。
っていうと「いや、お前のブログはお前が広告外せばいいだけやんけ」と僕の中のゴーストが囁いてくるんですが、僕の中の社会性がそれ以上の勢いで「無料のコンテンツだけ提供してどうやって生活してくんだ無責任なこと言うな膵臓だけじゃなく甲斐性もなくしたんか」と全ギレしてくるので、このnoteではメンバーシップ制を採用して一部の方に対価をいただくかわりに広告のないテキストコンテンツを提供させていただいています。オモロが無限に無料で湧いてくる時代のインターネットを愛した人間としては心苦しいのですが、クソ広告まみれになるよりはこっちのほうがマシなんじゃないかなという判断です。
そういえば今や悪の温床と化したXも広告がウザくなりすぎて先日ついに課金しました(月900円で広告が半分になるやつ)。現実問題として今もXはインフラとして機能していて、もう必要経費としてするべきだろうと。こんなことなら応援したかった時期のTwitterに課金すればよかった、という思いもなくはないですが、経営が苦しくなるほど課金圧が上がるのは資本主義の宿命なのでしかたないのかもしれません。
そんな中で約9000万円持ち出しで収益0の超優良コンテンツを公開していた桜井政博さんと任天堂はすげえなと思います。現代でもノブレスオブリージュの精神ってまだ存在しうるんだと思った。
広告というのは「僕らのかわりにコンテンツ代を払ってくれる」というありがたい存在なのですが、数字とか効率とか突き詰めていくとやっぱりどこかで人の心に沿わないものになってしまうよなあと思います。インターネットは今だいぶそういう時期にきてるなと思います。みんながちょっとずつ幸せになりたかったはずなのに気が付いたらみんながちょっとずつ不幸になってる。どうすりゃいいんでしょうね。
以下、マシュマロ返信です。こんな話題のあとだからというわけではないですが、いつもありがとうございます。
たろちんさんの配信やnoteに登場するワンちゃんが大好きです
ここから先は
こちらはただ投げ銭をするだけの「サポート」という機能です。サポートいただけた分だけnoteの活動に割く時間を増やせるので大変助かります。(メンバーシップに入ると有料記事が読めるなど多少見返りがあります!)