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未来の建設業を考える:「ディスラプション(破壊的創造)」

デジタル・ディスラプションとは

 デジタル・ディスラプションとは、ITなどの先端技術を使って、既存のビジネスを大きく変え新たなビジネスを創造することを言う。
 代表的な事例はフィルムメーカーでは世界最大であった米コダック社が、ユーザーにとって利便性の高いデジタルカメラの普及により、2012年に倒産したことだ。

世界で進む「スマートシティ」化

 トヨタが静岡県裾野市で2千人が住むスマートシティ「ウーブン・シティ」を工場跡地に作り、実証実験を始めるとの発表があった。
 世界を見ると、北京の首都機能移転の受け皿としての最先端の街づくりを目指す中国河北省雄安新区では1千7百万平方㎞を対象に、中国検索エンジンの最大手である「バイドゥ」が協力する形で、携帯端末でほぼすべての行政サービスを受けることができ、交通や治安の管理もネットワーク化し、行政サービスのデジタル化が徹底されている。さらには、配車アプリによるカーシェアやシェアサイクル、出前サービス、スマートパーキングなどもすでに実現している。
 世界最大のEコマース企業である「アリババ」は、中国杭州でAI、ビッグデータを活用したスマートシティをすでに実現し、市内道路の4千か所に設置したライブカメラをAIが認識し、車両異常の発券、交通状況に応じた信号制御による渋滞緩和、渋滞要因を分析し右折レーン等の設置による通過時間の15%削減など、スマートシティの取組みを社会全体で共有できるまでに到っている。
 スペインバルセロナ市では、Wi-Fiを活用して、センサーでゴミ箱の空き状況を把握し、ごみ収集コストを削減したり、交通量に応じてライティングのオンオフを自動で行う装置の設置や路上駐車場の空き情報が携帯端末で知ることができたりするセンサー設置、バス停で街人数に応じた配車システムなど、IoTとWi-Fiの組合せで、市民生活が改善される施策を実施し、好評を得ている。

バック・トゥー・ザ・フューチャーが見た未来の2015年

 日本の自動車メーカーは、当然ながら、自動車を中心に街づくりを進めようとしている。一方で、IT業界が目指すスマートシティは、自動車のいらない街づくりを狙っている点だ。世の中のクルマの95%は駐車中のクルマと言われている。無駄なクルマが余分なスペースをとり、クルマのためのインフラ整備など、多くのコストをクルマ廻りにかけている現状から、ITを用いた画期的なインフラへと変化させる必要があるのではないか。
 しかし、ここでもデジタル・ディスラプションにより、たとえば、空飛ぶクルマ、すでにクルマと呼ぶか小型飛行機と呼ぶかは別だが、ヘンリーフォードがT型フォードを1908年に発売して以来、約100年、人を運ぶクルマの基本機能は変わっていないが、そろそろ、この分野のディスラプションが来る時代も近いのではないか。
 確か、バック・トゥー・ザ・フューチャーが見た未来の2015年では、クルマが空を飛んでいたが、現実は近いのではないか。
 新たな都市づくりを目指しているが、世界のIT業界が目指す都市は、無駄なクルマがいらない社会を目指している。
 世界から遅れたスマートシティから、世界をリードする日本のスマートシティにするには、どうすれば良いのか?

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