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次代を創る「スマートビル・スマートシティ」

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スマートビルの概念は、さらにあらゆる信号がネットワークで結ばれ、個々人の端末ともつながり、ワーカーにとっては、スマートフォンや顔認証の生態認証により、個々人にとって働きやすい物理…
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2024年2月の記事一覧

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その10「5.3 警備ロボット」

5.3. 警備ロボット(火災、災害、監視・警備用) ロボットを導入した場合の警備計画を立案すると、日中帯の総合受付または立哨警備、深夜から早朝までの巡回業務が対応可能。 ・1台導入した場合、単純計算で計20時間分の必要人員削減が図れるが すべて任せることは不可能であり、警備員との連携が必要不可欠。また、警備員がロボットの機能を理解することが必要。 ・ロボットが出来ないこと(状況判断や処理について臨機応変に対応、扉(鉄扉)の開閉は出来ない等)を考慮することが必要。 ・ロボッ

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その11「5.4. 案内・コミュニケーションロボット(受付、アバター用)」

5.4. 案内・コミュニケーションロボット(受付、アバター用)  人間の業務を代行する手段のひとつに、ホテルにおけるパーソナルアシスタントとしてスマートスピーカーの活用が進んでいる。しかし、プライベートな空間であるホテル居室内において、スマートスピーカーやロボットが、自発的に利用者へ対話やサービス提供を行うことが、はたして利用者にどのような影響・印象を与えるのか、これまで調査されてこなかった。  2019年9月、サイバーエージェント、大阪大学、東急不動産ホールディングスらが

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その12「6. コロナ対策が進むスマートビル」

6. コロナ対策が進むスマートビル コロナ禍はビルのありようを大きく変えた。 それまではテナント側から、オフィスのありようを検討していたが、オーナー自ら、ビルの安全性をワーカーに示し、コロナ対策が進んだビルとしての証明を求められることとなった。 オフィスビルにおけるコロナ対策の事例 1.エントランスからオフィス入口までの非接触化 エントランス~セキュリティゲート~EV~オフィスフロアまでの移動においてドアノブ・EVボタンなど極力非接触対応を図る。 2.内装材へ

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その13「7. スマートメンテナンス」

7. スマートメンテナンス  本章では、建物や機械にセンサーを設置してリアルタイムに状態に関するデータを収集し、分析することで、メンテナンスの必要性を予測したりメンテナンスしたりする手段を「スマートメンテナンス」と表す。なかでも建物のエスカレーター、冷暖房・換気などの空調システム、トイレ、貯蔵室などにセンサーを設置して行うビルのスマートメンテナンスに焦点をあてる。  従来型のメンテナンスは、故障してはじめて行われる事後保全、もしくは実際の設備の状態にかかわらず故障の発生前に

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その14「8. スマートビル」

8. スマートビル事例  スマートビルはすでに欧米で先行し、日本でもここ最近、いくつかの事例が生まれている。  本章では、いくつかの先端的な事例についてご紹介しよう。 8.1. 世界のスマートビル事例: 欧米では、すでにスマートビルと呼ばれるオフィスビルが導入され、実際の活用がはじまっている。  ここでは、そのいくつかについて、事例を紹介する。 8.1.1. Edge  コンサルティングファームのDeloitteがメインテナントのスマートビルディングが、オ

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その15「9. スマートビルに必要な要素技術」日本のゼネコンの取組み

9. スマートビルに必要な要素技術  本章では、スマートビルを構成するそれぞれの要素技術について紹介する。要素技術を知ることで、それらの組み合わせでスマートなビルになるはず。 9.1. 日本のゼネコンにおける取組み  日本の大手ゼネコン各社では、独自に都市・建物OSを導入するなど、スマートビルの要素技術を磨いている。 ここでは、そのいくつかの事例について、紹介する。 9.1.1. 大林組「Wellness BOX」  大林組では、自社開発のオフィスビルにて、ワーカ

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その16「9.2. スマホを利用したワークプレイス管理プラットフォーム」

9.2. スマホ(携帯端末)等を利用したワークプレイス管理プラットフォーム 9.2.1. ワークプレイス管理プラットフォームとは  ワークプレイス管理プラットフォームは、オフィスビルで働くワーカーがオフィスを効率的に利用できるサービスや働きやすくなるサービスを統合した新たな概念のサービスである。 例えば、建物施設や会議室の予約、ビル内のイベント予約、ビルに入っているワーカー同士のSNS、コンシェルジュの派遣などが同アプリから簡単に利用できる。  また、オフィス清掃、設備

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その17「9.5. インドア・ポジショニングシステム」

9.5. インドア・ポジショニング・システム 9.5.1. Indoor Positioning Systems(IPS)とは  インドア・ポジショニング・システム(IPS:屋内測位システム)とは、スマートフォンの内部センサー等の情報から、正確かつ高速に屋内位置(緯度、経度、高度)を特定し、システム内に保持しているインドアマップとともに、アプリケーションレイヤーへ表示するシステムのこと。屋内経路探索、ジオフェンシング、現在地の共有、分析、予測インテリジェンスといった機能も

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その18「9.6. スマートキー・システム」

9.6. スマートキー・システム 9.6.1. HID Mobile Access(HID Global社)  モバイル技術を活用することで、iOS及びAndroidに準拠したスマートフォンで、 NFC、Bluetooth通信による遠隔開錠または近接タッチにより、扉の開錠が可能。(※API連携機能あり)

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その19「9.7. AIを利用した来訪者受付システム」

9.7. AIを利用した来訪者受付システム  来訪者・受付ソリューション導入のポイントは、以下のとおり。 ①求めたい来客対応レベルの確定(企業の顔という視点) ②PC? iPad? ロボット? 内線? ③容易な操作性とリアルタイム・確実な来客通知 ④セキュリティ対策 ⑤分析機能(※分析ダッシュボードが複数あると、分析が難しくなる。) ⑥システム連動の可否(ワークプレイス管理プラットとのAPI・SSO連携を含む) ⑦費用  ビルのオーナーとしてソリューション検討を行う場合は

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その20「9.13.非接触確保のためのタッチレス端末」

9.13. 非接触確保のためのタッチレス端末 9.13.1. エアータッチパネル(博報堂プロダクツ)  2020年7月8日に、株式会社博報堂プロダクツは、非接触サイネージ「触れずに触れられる、エアータッチパネル」のソリューションの提供を開始した。同社では、空中映像技術を活用した非接触タッチパネルを資材調達からデザイン・設計製作までワンストップにて完結した、非接触デジタルサイネージを開発。 9.13.2. AirSwich(パリティ・イノベーションズ)  2020年7

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その21「9.13.非接触確保のためのタッチレス端末」

9.13. 非接触確保のためのタッチレス端末 9.13.1. エアータッチパネル(博報堂プロダクツ) 2020年7月8日に、株式会社博報堂プロダクツは、非接触サイネージ「触れずに触れられる、エアータッチパネル」のソリューションの提供を開始した。同社では、空中映像技術を活用した非接触タッチパネルを資材調達からデザイン・設計製作までワンストップにて完結した、非接触デジタルサイネージを開発。 9.13.1. AirSwich(パリティ・イノベーシ

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その22「10. スマートビルが集積した未来の「スマートシティ」とは」

10. スマートビルが集積した未来の「スマートシティ」とは10.1. センサーを活用したまちづくり日本におけるデジタル社会構築の一環として、2019年6月に、マイナンバーカードの取得促進を図るため、カードへの自治体ポイントの付与、健康保険証への活用等を発表した。現在、マイナンバーカードを取得している人の数は、2019年4月時点で全人口のわずか13%(1千7百万人)でしかない。かなり低い数値だ。 その主な要因は、「マイナンバー」の扱いそのものにある。他人に見せてはならな

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その23「11. デジタルツイン(Digital Twin)」

11. デジタルツイン(Digital Twin)メタバース(Metaverse)の世界は仮想の空間であり、実際には存在しない空間を構築したもの。 メタバース上に作られた会議室で世界中の人が集まってミーティングをしたり、メタバース上に作られたショッピングモールで買い物を楽しんだりします。一方、デジタルツインは現実世界を再現したもの。 ともに、バーチャルな世界でシミュレーションすることで、実空間ではできない実験やシミュレーション、ビジネスが展開される。 本書では、実空間