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【創作】連載小説「小じさん」

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不思議生命体「小じさん(こじさん)」。それは、なんだかんだいてくれて嬉しい、小さなおじさん。
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#掌編小説

小じさん第6話「くすんだ桃色の小じさん」

 彼とは、その後何の進展もなし。  というより、本当に私は彼のことが好きなのか、分からな…

桐沢もい
1年前
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小じさん第七話「黒い小じさん」

 気がついたらいつもの天井があった。僕の部屋の天井。僕は仰向けになっているらしい。背中の…

桐沢もい
1年前
8

小じさん第8/八話「私/僕 (小じさん)」

 う〜ん、う〜ん……  私は部屋の中を、ひとつの壁から反対側の壁まで、何度も何度も往復し…

桐沢もい
1年前
10

小じさん第9話「かたのり小じさん(前編)」

「ちょ! なにこれ。マジうま」  感激の叫びを上げ、フォークを口に加えたまま丸々とした目…

桐沢もい
1年前
7

小じさん第10話「かたのり小じさん(後編)」

「え? いや、……ううん。ちょっとぼぉっとしてただけ。何だっけ?」  と、私がごまかすと…

桐沢もい
1年前
1

小じさん第十一話「砂地の小じさん 1」

 川面が反射する光の粒に、僕は心を奪われていた。それは僕の視界の中できらきら、ちろちろと…

桐沢もい
1年前
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小じさん第12話「遊園地と小じさん 1」

 どうしよう……  私は自室のベッドに向かって途方に暮れていた。といっても、問題はベッドではなく、そのベッドの上にぶちまけられているもの――クローゼットから引っ張り出され、予期せずLED照明の光の下にさらされた、新旧私の服たちにあった。  今日はゼミの彼とみっちょんと私の3人で遊園地に行く日。着ていく服を選ぶために、とりあえず持っている服をベッドの上に広げた。  でも……デートなんてしたことないから、何着ればいいかわからない。  いやいや、デートじゃないでしょ。みっちょんも一

小じさん第十四話「砂地の小じさん 2」

 ――ときどき心を生かしてやらんと、いずれお前さんの心はここみたいに、山奥で人知れず死ん…

桐沢もい
1年前
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小じさん第十七話「砂地の小じさん 4」

「よう。また会うたな。こんなとこで何しとんのや?」  小じさんはにやりと笑って言った。も…

桐沢もい
7か月前
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