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【創作】連載小説「小じさん」

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不思議生命体「小じさん(こじさん)」。それは、なんだかんだいてくれて嬉しい、小さなおじさん。
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#連載小説

小じさん第12話「遊園地と小じさん 1」

 どうしよう……  私は自室のベッドに向かって途方に暮れていた。といっても、問題はベッド…

桐沢もい
1年前

小じさん第13話「遊園地と小じさん 2」

 遊園地は盛況だった。ここはディズニーランドかと突っ込みたくなるほど、人で溢れかえってい…

桐沢もい
1年前
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小じさん第十五話「砂地の小じさん 3」

 男は小屋の扉の取っ手を握り、扉の左下あたりを思い切り蹴ると同時に扉を引いた。すると、扉…

桐沢もい
1年前
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小じさん第16話「遊園地と小じさん 3」

 みっちょんの頭頂から小じさんの顔が私に向けられている。私はその顔を見る。何もない顔。の…

桐沢もい
11か月前

小じさん第十七話「砂地の小じさん 4」

「よう。また会うたな。こんなとこで何しとんのや?」  小じさんはにやりと笑って言った。も…

桐沢もい
6か月前
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小じさん第十八話「黒い小じさん? 1」

 あれから僕は、精神状態にしても、日々の生活にしても、少し落ち着きを取り戻していた。短い…

桐沢もい
5か月前
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小じさん第十九話「黒い小じさん? 2」

「ついにあいつが出てきてもうたか……こら、あかんわ」  小じさんはいつになく、まいった様子で首を振り、もう一度「こら、あかん」と言った。  僕たちは店を急いで出たあと、少し離れたところにある公園に来ていた。公園には親子や友達同士で遊びに来ている子どもたちなど、ちらほらと人がいた。この人たちには僕はひとりで公園に来ているように見えるのだろう。小じさんの姿を見ることができる人間は限られているのだから。  店を出るとき2階の窓を振り仰ぐと、黒黒とした店内が見えた。そういえば、店内

小じさん第20話「遊園地と小じさん 4」

 小じさんは嫌味な笑みを浮かべて、私とりょうくんを交互に見た。笑みといったって、のっぺら…

桐沢もい
4か月前

小じさん第二十一話「黒い小じさん? 3」

「すみません、ちょっといいですか?」  小じさんと話していたら声をかけられた。  中学生…

桐沢もい
3か月前
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小じさん第二十二話「老爺」

 僕が少し前までよく通っていた書店がある。その店は昔からある個人店で、家族で代々継いでい…

桐沢もい
2か月前
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