小じさん第十九話「黒い小じさん? 2」
「ついにあいつが出てきてもうたか……こら、あかんわ」
小じさんはいつになく、まいった様子で首を振り、もう一度「こら、あかん」と言った。
僕たちは店を急いで出たあと、少し離れたところにある公園に来ていた。公園には親子や友達同士で遊びに来ている子どもたちなど、ちらほらと人がいた。この人たちには僕はひとりで公園に来ているように見えるのだろう。小じさんの姿を見ることができる人間は限られているのだから。
店を出るとき2階の窓を振り仰ぐと、黒黒とした店内が見えた。そういえば、店内