えべっさんは2種類あります

七福神の中で、日本の神様は、私の知る限り、えべっさんだけではないかと思います。ちなみに、大黒天は大国主と名前が似ているだけで、日本の神様ではありません。弁天様も、宗像三女神の長女がモデルとか言われていますが、実際は日本の女神ではないと言われています。

話は戻りますが、そのえべっさん。もちろん、本名ではありません。蛭子大神という、伊弉諾尊、伊邪那美尊の最初の子供である(という事は天照大神や須佐之男命のお兄さんになる)とする、

兵庫県西宮神社型

の神様と、出雲大社の大国主命の長男である、事代主命

島根県松江の美保神社型

に分かれます。全国的に有名なのは、毎年、1月の初旬に早朝全力疾走する、西宮神社でしょうか。あと、商売の本場である、大阪、今宮戎でしょうか。こちらは事代主命の方です。

なぜ、七福神に選ばれたのか、さっぱり、わからないのですが、両柱の共通点は、海の神様、それだけです。特に福の神という要素も古事記などでは見られません。

実は2柱とも、とても悲しい物語を持っています。蛭子大神は、実は身体に障害(足)を持って生まれてきた為、そのまま、川に流されてしまいます。そして、海に流れて、そのまま、西宮にたどり着いたと。そんな伝説です。

恵比須様の姿は、いつも座っている絵で、しかも、大黒様と違い、正座ではありません。これは足が悪いからとされています。

それにしても、障害を持っているから、川に捨てるとは、神様がそんな事をして良いのか?と思うのですが、これには深いわけがあろうと思いますが、その理由は古事記などには明かされていません。

事代主命の方は、出雲の国譲り伝説で登場します。古事記では、天照大神の使者から国譲りを迫られて、素直に了承して終わりです。弟の使者に反抗して、長野県の諏訪大社まで追われたというエピソードに比べると、あまりに従順な印象を受けますが、一説によると、実はその後、逆手を打って、海に身投げをされたということです。それが事代主命の最大の抵抗であったという説です。

そんな悲しき物語を持つ、両柱の神様が、どうして、恵比須顔で、いつのまにか、福の神とされ、さらに、その中でも、商売繁盛の神とされたのか?

全くもって、謎なのであります。

しかし、神社は素晴らしいところが多いです。ぜひ、コロナ終息後、参拝者があまりいない時期に、じっくりと参拝していただいて、そのエネルギーを感じていただきたいと思います。ちなみに、美保神社、西宮神社、今宮戎神社、本当に海に近いのは美保神社だけです。


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