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広告本コピー写経 #10『ステートメント宣言。』後篇

広告業界の歴代の先輩方が、ご自身の本で紹介されていたコピーをまとめ、学びを得る【広告本コピー写経】
#10岡本欣也さんの『ステートメント宣言。』後篇です。

広告本コピー写経

何度もやり直して、
ずっと気になって、
たまにボーッとして、
しつこく相談して、
とことん心配して、
自然と集まって、
いつも体で考えて、
ちょっと困って、
つい盛り上がって、
すぐ無口になって、
結局また、やり直して、
でも、きっと、
失敗するたび、未来に近づく。
だからおそれず、

試す人になろう。
HONDA


CL:HONDA C:岡本欣也さん、荒木俊哉さん

「迷ったら、迷わず、原点」で登場。
HONDAの創業者の本田宗一郎さんの言葉をもとに作成されたコピー。
この後のシリーズの「負けるもんか」は、高校の頃に見たときのことを今も鮮明に覚えています。

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大人から幸せになろう。

日本の大人は楽しそうな顔をしていない。
そう感じたことはありませんか。こんなに豊かな国に生れ、
きれいな服を身に着け、おいしいものを食べ、
空調のきいた部屋に住んでいるのに、ちっとも楽しそうに見えない。
そう感じる時、いつも行き当たるひとつの思いがあります。
結局、私たち大人の大半が、
自分の好きな人生を生きていないからではないか ー
50歳を越えたら自由に生きてかまわない。
そう考えてみませんか。あなたは十分に働いてきました。
ひたむきに暮らしてきた歳月を思えば、
それは当然の資格であり、権利だと思うのです。
小さい時からの夢。胸の奥深くにあたためていたこと。
最近思いがけなく心を動かされたもの。何でもいい。
今までの人生にとらわれたり、誰かに遠慮したりせずに、
やりたいことをやりたいようにしてみませんか。
いちばん大切なのは、あなたが幸福であること。
あなたが幸福でなければ、あなたの後につづく
若者や子供達が大人になりたいと思わないのですから。
自分のことを考えてください。自分のことを考えるために、
人の言葉に耳を傾けてください。人生はこれからだ、
と心から気づくための10日間が、いよいよ始まります。


CL:POWER FORUM事務局・ C:岩崎俊一さん

「太宰治というコピーライター 」で登場。
岩崎さんが太宰治に一番影響を受けて書いたコピーではないかと、
岡本さんが解説されています。

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ビジネスで付き合うコツは、本気で付き合うことだと思う。
CL:アサヒグループ食品・ミンティア C:岡本欣也さん

「コラム②正直の専門家になろう。」で登場。

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ふだん着のお作法を。

たとえばコンビニである。
用もないのに立ち寄ってしまうあの魅惑の
24時間商店である。カップめんやおにぎりで腹が
ふくらみ、グラビア雑誌で愚息もふくらむ。
そんな若人のひざ枕にも、ひとつ落とし穴がある。
事件はいつも、おつりをもらうシーンでやってくる。
こちらが差し出す手のひらの上空1センチか、2センチか。
ポトリとそこから手のひらに、小銭を落としてくる
店員がいるのだ。さい銭箱かオレは。
抗議するほどではないが、しみじみとした
苛立ちと悲しみが、ミルフィーユのように降り積もる。
そもそもだ。お客さんにふれるかふれないかの
タイミングでそっと手をはなす。
小銭がかすかに手のひらをくすぐる。
ウフッとなる。レジが免許制だったら、
試験10点ぶんである。コンビニに限らない。
お金を投げてほめられるのは銭形平次だけだ。
かといって人の手を包むようにお金を渡してもいけない。
恋しちゃうもん。
帰り道。
夜空を見上げて思うのは、
人と人の間にある2センチのことだ。
宇宙はあきれるほど広いというのに、人間は
たった2センチのなかで、時に怒ったり、笑ったりする。
雑誌広告として回を重ねる「大人たばこ養成講座」も、
そんな身近で些細な物事に関する、絵と言葉の注意書きだ。
1ページずつゆっくりめくってもらえたら、嬉しい。


CL:『大人たばこ養成講座』 C:岡本欣也さん

「自分で自分を取り調べる」で登場。
まるで手紙を送るように、ひとつひとつの文に感情が乗っかっている。
そんなコピーだと印象に残りました。

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愛は、人生より長い。
CL:木楽舎/『孫の力』 C:岡本欣也さん

「課題のなかの、真理をさがす。」で登場。

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日本は、義理チョコやめよう。

バレンタインデーは嫌いだ、という
女性がいます。その日が休日だと、
内心ほっとするという女性がいます。
なぜなら、義理チョコを誰にあげるかを
考えたり、準備をしたりするのがあまりにも
タイヘンだから、というのです。気を使う。
お金も使う。でも自分からはやめづらい。
それが毎年もどかしい、というのです。

それはこの国の女性たちをずっと
見てきた私たちゴディバも、肌で感じてきたこと。
もちろん本命はあっていいけど、義理チョコは
なくてもいい。いや、この時代、ないほうがいい。
そう思うに至ったのです。そもそもバレンタインは、
純粋に気持ちを伝える日。
社内の人間関係を調整する日ではない。
だから男性のみなさんから、とりわけそれぞれの
会社のトップから、彼女たちにまずひと言、
言ってあげてください。
「義理チョコ、無理しないで」と。

気持ちを伝える歓びを、もっと多くの人に楽しんでほしいから。
そしてバレンタインデーを、もっと好きに
なってほしいから。愛してる。好きです。
本当にありがとう。そんな儀礼ではない、
心からの感情だけを、これからも
大切にしたい私たちです。

バレンタインデーを、好きになってください。
GODIVA


CL:ゴディバ ジャパン C:岡本欣也さん・原野守弘さん

「真実さえあれば何もこわくない」で登場。
発表当時かなり話題になったこのコピーですよね。
「日本は、」と始まる点が、他の地域との違いを強調する導入として示されていて好きです。

わたしは行かん。
CL:西武百貨店 C:岩崎俊一さん

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共感採用
CL:Wantedly
口は、生きるの1丁目。

人生が100年になってゆく。
人生を100%楽しめますか?
100年食べる。100年しゃべる、笑う。
毎日のオーラルケアで、それが目指せるとしたら?
当たり前の日々の習慣が、
全身の力になると知った時、
人のカラダはすごいなあと、
人はじぶんに感動できる。
あしたの health は今日の mouth から。
サンスターにできることは星の数。

100年 mouth
100年 health


CL:サンスター C:児島令子さん

「「違い」ではなく、「同じ」を語りたい」で登場。
「違い」と「同じ」をテーマにWantedlyのキャッチコピーを紹介されていました。就職活動時にここだけでも読んでいたかったなと思った一節でした。

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夢を販売できないか。
CL:本田技研工業 C:岡本欣也さん
夢に、住所を。
CL:ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント C:岡本欣也さん
65歳からの、未来。
CL:(老人ホーム) C:岩崎俊一さん・岡本欣也さん

「紋切り型を捨てる、紋切り型を使う」で登場。
夢や未来、絆などクライアントからも文句を言われず、炎上する心配もほとんどないが、あまりにも使われすぎて、誰の心も動かない言葉。
そうした言葉をあえて使い、岡本さんの工夫によってキャッチコピーとなった例として紹介されていました。

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バカまじめ。
CL:日本郵政 C:福里真一さん

「いいコピーは裏切りをはらんでいる」で登場

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あなたに会えたお礼です。

人が、一生のあいだに
会える人の数は
ほんとうにわずかだと思います。
そんな、ひと握りの人の中に、
あなたが入っていたなんて。
この幸運を、ぼくは、
誰に感謝すればいいのでしょう。
あなたに会えたお礼です。
サントリーの贈りもの。

CL:サントリー C:岩崎俊一さん
会う、贅沢。
CL:西武百貨店 C:岩崎俊一さん
自然には敗けたほうがいい。
CL:全農/農協牛乳  C:岩崎俊一さん
歩くはやさで、好きになる。
CL:明治/明治ミルクチョコレート C:岩崎俊一さん
ならんで生きたい。
CL:セゾン生命 C:岩崎俊一さん
20世紀を、覚えておこう。
CL:ソニー C:岩崎俊一さん

「あなたに会えたお礼です」で登場。

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企業の顔ではない。消費者の顔でもない。
独立した第3の顔としてコピーは育った。
自分の発見を、自分の気持を、自分の感性を、自分の毎日を、
自分の夢を、自分の言葉を、コピーにしよう。
コピーライターの数だけコピーはある。
コピーは僕だ。


『コピー年鑑1980』 C:秋山晶さん
たばこを持つ手は、子供の顔の高さだった。
CL:JT C:岡本欣也さん

「ひとりでは、つくれないもの」で登場。

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