広告本コピー写経 #1 『広告コピーってこう書くんだ!読本』篇
広告業界の歴代の先輩方が、ご自身の本で紹介されていたコピーをまとめ、学びを得る【広告本コピー写経】
#1は谷山雅計さんの『広告コピーってこう書くんだ!読本』です。
コピーだけ見たいという方は目次の「まとめ」まで飛んでしまってください!
広告本コピー写経
女房のおやじに、
家の一軒ぐらい持てん奴は・・・・・
と言われたときは、ムッとした。
今、ムスメの彼に、
同じことを言っている。
順ぐりだね。
CL:週刊住宅情報 C:仲畑貴志さん
「一晩で100本コピーを書く方法」の章で登場。
コピーを100本書くために世の中のたくさんの人との関係を書くことで、様々な広がりを見せる。このコピーの「家と人との関係性」を描いていることから、谷山さんは気づいたとのことです。
<思い出しコピー>
「人とものの関係性を描く」という点で、思い出したコピーがありました。
時の商人
S:時の商人
NA+S:その商人は時を売っていた。
「いらっしゃいませ。時はいかがでしょうか?」
ある女は一週間買った。
1週間買った女は、それを海外旅行に使った。
「10年欲しいのだがね」
ある老人は商人に聞いた。
「10年だと、すこし値がはりますが」
「かまわん」
10年買った老人は、それを病気の妻に譲った。
S:時に、ドラマを。
NA:宝石・時計 長野
CL:長野時計店 C:松田正志さん
こちらのコピーは、時計を販売している長野時計店のCMコピーです。
「人と時との関係性」を表現されています。
フィクションだけれど、どこかフィクションではないストーリーが印象的でした。
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史上最低の遊園地。
CL:としまえん C:岡田直也さん
消えたかに道楽。
CL:JR東海 大阪発キャンペーン C:谷山雅計さん
どちらも「なぜ短く書かないといけないのか」の章で登場。
誰も広告なんか好きではない、積極的に見ようとは思わないので短く書かないといけないということを言われている章でした。
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消えたかに道楽。
CL:JR東海 大阪発キャンペーン C:谷山雅計さん
「みんなが言いたいことを言わせてあげる」の章で再登場。
大阪の土地柄・人柄に合わせた施策として設計されていて、
話題を作り、人々が思っていることを言わせてあげることも世の中に広めるための一つの手段だと紹介されています。
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テレビじゃ見れない川崎劇場
CL :ロッテオリオンズ(現千葉ロッテ) C :弦間一雄さん
昼間のパパはちょっとちがう
昼間のパパは光ってる
昼間のパパはいい汗かいてる
昼間のパパは男だぜ
CL :清水建設 C :糸井重里さん
がんばった人には、NCAA
CL :サントリー/NCAA C :糸井重里さん
日テレ営業中
CL :日本テレビ C :谷山雅計さん
日テレ式
CL :日本テレビ C :谷山雅計さん
ガスで、パッと明るく、チョっといい未来。
ガス・パッ・チョ!
CL :東京ガス C :谷山雅計さん
いずれも「スキがあるほうが、モテる。」の章で登場。
話題になる広告作りの条件として、
「一緒に遊べるものを作ってあげること。言ってみれば「参加性」」
ということを言われていて、その参加性の例として紹介されていました。
コピーを使って遊べる「スキ」を作ることで、様々な角度からの広がりを期待できる形にする大切さを述べられていました。
<思い出しコピー>
遊べるようにというと、僕は歌を使った広告コピーを思い浮かべました。
僕の子供の頃で言うと「ターラコターラコたっぷりタラコ」とか「燃焼系燃焼系アミノ式」とか。
2021年現在だと何になりますかね。
たらこ たらこ たっぷり たらこ
CL:キューピー 作詞:加藤良一
燃焼系燃焼系アミノ式
CL:サントリー 作詞・作曲:本間絹子
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史上最低の遊園地。
CL:としまえん C:岡田直也さん
セガなんてダセェよな! プレステのほうがおもしろいよな!
CL :セガ/ドリームキャスト C:岡康道さん
どちらも「ポジティブでなければ、ネガティブアプローチじゃない。」の章で登場。
エイプリルフールに展開された「史上最低の遊園地。」
プレステを比較対象として表現した「セガなんてダセェよな!」
それぞれの共通点は広告そのものはポジティブに伝えるということ。
トンマナが難しいですが、ハマれば爆発的に広がっていきますね。
<思い出しコピー>
ほとんどの方はおそらく看板広告なんてご覧にならないと思いますので、好きなことを書いても問題がないということに気付いてしまいました。好きな動物はオコジョです。あの小さくて細身なボディに絶妙な毛並み感。大好き。飼いたい気持ちをグッとこらえ、ネット検索の画像を見るだけで幸せになれる派の化粧品会社・株式会社セブンツーセブン
CL:セブンツーセブン C:花田礼さん
可愛いオコジョの写真と看板広告に対してネガティブな表現の文章。
でもこれが逆に文章を読んでもらえる仕組みになっていて、化粧品会社セブンツーセブンの認知度拡大と社風を知れる、とても効果のあった広告と言えると思います。
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そうだ 京都、行こう。
CL :JR東海 C :太田恵美さん
「ダメ出しを制約と思うか、ヒントと思うか。」の章で登場。
谷山さんはこのJR東海のコンペで負けた側にいたとのことで、
その際の体験を元に書かれていました。
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大滝:どうしてキンチョールは水性にしたんだ?
岸部:それは地球のことを考えて・・・ 空気を汚さないように・・・
大滝:つまらん! お前の話は、つまらん!
NA :新しくなった水性キンチョール
大滝:つまらん!
CL :KINCHO/キンチョール C :山崎隆明さん 石井達矢さん
生茶は「ペコロジー」。つぶしやすいお茶が、これからのお茶だと思う。
CL :キリンビバレッジ/生茶「ペコロジー」 C :谷山雅計さん
どちらも「正論こそサービス精神を持って語らう。」の章で登場。
正しいことだから工夫して伝えることの大切さが書かれています。
昔の「雑誌『広告』」の表紙
「君の言っていることはすべて正しいけど、面白くない」
を思い出しました。
正しいからこそ、相手のことを考え伝わるように書く。肝に銘じます。
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Yonda?
CL :新潮社/新潮文庫 C:谷山雅計さん
「企画書だけ上手くなってはいけない。」の章で登場。
つい目先の表現に力を注ぎがちですが、企画書が上手くても中身が伴っていないとダメということを実際にクライアントの新潮社に提案されたプレゼンの流れから説明されています。
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サラリーマンという仕事はありません。
CL:西武セゾングループ C:糸井重里さん
カゼは、社会の迷惑です。
CL:武田薬品 C:仲畑貴志さん
「そりゃそうだ。そういえばそうだね。そんなのわかんない。」の章で登場。
「そういえばそうだね。=コピー」と表現されていて、新たなものの見方を提供するのがコピーライターの仕事でもあるのかと思います。
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好きだから、あげる。
CL:丸井 C:仲畑貴志さん
「「好きだから、あげる。」は、なぜ名コピーなのか?」の章で登場。
「好きだから、あげる。」が名コピーなのかということを、お歳暮などの時代背景をもとに解説されています。
時代背景を見ずに写経することは本質を見ることなく写経をすることになってしまい兼ねないので僕自身も一番気をつけています。
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おしりだって、洗ってほしい。
CL:TOTO/TOTOウォシュレット C:仲畑貴志さん
不思議、大好き。
CL:西武百貨店 C:糸井重里さん
僕は誰にも似ていない。
CL:サントリー/サントリーリザーブ C:秋山晶さん
「80年代は納得の時代、90年代以降は空気の時代」の章で登場。
80年代の代表3本です。
モルツ、モルツ・・・・・・
CL:サントリー/モルツ C:佐藤雅彦さん
そうだ 京都、行こう。
CL:JR東海 C:太田恵美さん
90年代の代表として挙げられていたコピーです。
この章のことはこちらの記事でさらに詳しく解説されていました。
合わせて読みたい記事です。
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ボスのむ。
CL:サントリー C:佐々木宏さん
そうだ 京都、行こう。
CL:JR東海 C:太田恵美さん
日本の女性は、美しい。
CL:資生堂 C:谷山雅計さん
「剣豪コピーと将軍コピー」の章で登場。
将軍コピーの代表例です。
一度でいいから、飲んでくれ。
CL:三楽(現メンシャン) C:谷山雅計さん
剣豪コピーの例として登場しています。
剣豪コピーは横に貼られた10枚よりも目立つよう強さを持ったコピー。
将軍コピーはポスター1枚だと弱いものの、20億円の大規模キャンペーンになると力を発揮するコピーと表現されています。
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まとめ
本書で出てきたコピーをまとめました。
女房のおやじに、
家の一軒ぐらい持てん奴は・・・・・
と言われたときは、ムッとした。
今、ムスメの彼に、
同じことを言っている。
順ぐりだね。
CL:週刊住宅情報 C:仲畑貴志さん
史上最低の遊園地。
CL:としまえん C:岡田直也さん
消えたかに道楽。
CL:JR東海 大阪発キャンペーン C:谷山雅計さん
テレビじゃ見れない川崎劇場
CL :ロッテオリオンズ(現千葉ロッテ) C :弦間一雄さん
昼間のパパはちょっとちがう
昼間のパパは光ってる
昼間のパパはいい汗かいてる
昼間のパパは男だぜ
CL :清水建設 C :糸井重里さん
がんばった人には、NCAA
CL :サントリー/NCAA C :糸井重里さん
日テレ営業中
CL :日本テレビ C :谷山雅計さん
日テレ式
CL :日本テレビ C :谷山雅計さん
ガスで、パッと明るく、チョっといい未来。
ガス・パッ・チョ!
CL :東京ガス C :谷山雅計さん
セガなんてダセェよな! プレステのほうがおもしろいよな!
CL :セガ/ドリームキャスト C:岡康道さん
そうだ 京都、行こう。
CL :JR東海 C :太田恵美さん
大滝:どうしてキンチョールは水性にしたんだ?
岸部:それは地球のことを考えて・・・ 空気を汚さないように・・・
大滝:つまらん! お前の話は、つまらん!
NA :新しくなった水性キンチョール
大滝:つまらん!
CL :KINCHO/キンチョール C :山崎隆明さん 石井達矢さん
生茶は「ペコロジー」。つぶしやすいお茶が、これからのお茶だと思う。
CL :キリンビバレッジ/生茶「ペコロジー」 C :谷山雅計さん
Yonda?
CL :新潮社/新潮文庫 C:谷山雅計さん
サラリーマンという仕事はありません。
CL:西武セゾングループ C:糸井重里さん
カゼは、社会の迷惑です。
CL:武田薬品 C:仲畑貴志さん
好きだから、あげる。
CL:丸井 C:仲畑貴志さん
おしりだって、洗ってほしい。
CL:TOTO/TOTOウォシュレット C:仲畑貴志さん
不思議、大好き。
CL:西武百貨店 C:糸井重里さん
僕は誰にも似ていない。
CL:サントリー/サントリーリザーブ C:秋山晶さん
モルツ、モルツ・・・・・・
CL:サントリー/モルツ C:佐藤雅彦さん
ボスのむ。
CL:サントリー C:佐々木宏さん
そうだ 京都、行こう。
CL:JR東海 C:太田恵美さん
日本の女性は、美しい。
CL:資生堂 C:谷山雅計さん
一度でいいから、飲んでくれ。
CL:三楽(現メンシャン) C:谷山雅計さん
飾磨の思い出しコピー
時の商人
S:時の商人
NA+S:その商人は時を売っていた。
「いらっしゃいませ。時はいかがでしょうか?」
ある女は一週間買った。
1週間買った女は、それを海外旅行に使った。
「10年欲しいのだがね」
ある老人は商人に聞いた。
「10年だと、すこし値がはりますが」
「かまわん」
10年買った老人は、それを病気の妻に譲った。
S:時に、ドラマを。
NA:宝石・時計 長野
CL:長野時計店 C:松田正志さん
たらこ たらこ たっぷり たらこ
CL:キューピー 作詞:加藤良一さん
燃焼系燃焼系アミノ式
CL:サントリー 作詞・作曲:本間絹子さん
ほとんどの方はおそらく看板広告なんてご覧にならないと思いますので、好きなことを書いても問題がないということに気付いてしまいました。好きな動物はオコジョです。あの小さくて細身なボディに絶妙な毛並み感。大好き。飼いたい気持ちをグッとこらえ、ネット検索の画像を見るだけで幸せになれる派の化粧品会社・株式会社セブンツーセブン
CL:セブンツーセブン C:花田礼さん
次回の#2は、小霜和也さんの『ここらで広告コピーの本当の話をします。』篇です!
【広告本コピー写経】は毎週日曜日に更新しています。