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広告本コピー写経 #7『みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる』篇

広告業界の歴代の先輩方が、ご自身の本で紹介されていたコピーをまとめ、学びを得る【広告本コピー写経】
#7は仲畑貴志さんの『みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる』篇です。

広告本コピー写経

愛だろ、愛っ。
CL:サントリー C:佐倉康彦さん
愛とか、勇気とか、見えないものも乗せている。
CL:JR九州 C:仲畑貴志さん

「「愛」が使える時代。「愛」が使えない時代。」で登場。
最高、至上、信頼などの言葉は時代にかかわらず信頼されないが、時代によって使える言葉が出てくるということを解説されています。
「人生」なんかも時代に関わらず信頼されにくい言葉ではないかと思います。

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とんがらしの宙返り
CL:サントリー C:仲畑貴志さん

「不安なときのさびき釣り」で登場。
その言葉の通り仲畑さんは、不安なときはコピーにフックを多く仕込むとのこと。
とんがらしの宙返りにもフックを7つ仕込んでいることが解説されています。

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東京、カッペね。
CL:モアーズ C:仲畑貴志さん
大阪、イモね。
CL:モアーズ C:仲畑貴志さん

「広告量と表現の強さの反比例」で登場。
学生時代、横浜に住んでいたのでモアーズの広告はよく見ていました。
仲畑さんが確立したこの表現の仕方が今にも通じているなと感じました。

<思い出しコピー>

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知性の差が顔に出るらしいよ......困ったね。
CL:新潮社・新潮文庫 C:仲畑貴志さん

「好き嫌いは、モノよりコトの影響を受ける。」「エビフライの尻尾」で登場。
「……」や「困ったね。」が要らないのではないかとクライアントに指摘された後、なんとか通してもらったこのコピーだそうで、「……」や「困ったね。」の部分を「エビフライの尻尾」と例えられていました。
聞かせてもらうと納得です。

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おしりだって洗ってほしい。
CL:TOTO C:仲畑貴志さん

「ライバルは、同業だけではない。」で登場。
「その商品価値に自信があれば、飾りはいらない。」からこのコピーの成り立ちが書かれているので、要チェックですね。

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愛想笑いのへたな酒
CL:サントリー・角 C:仲畑貴志さん

「その商品は、どんなやつだ。」で登場。
設定した人物像をそのままコピーに反映させた例として紹介されています。
僕が今読んでいる伊藤公一さんの『なんだ、けっきょく最後は言葉じゃないか。』でも同じようなことが書かれていました。
人格・トンマナなど捉えるのに工夫がいることに関しては、このように考えたらいいんだという学びがありました。

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人間みな平等に歳をとります。
長生きして良かった、というふうにしたいですね。
百年貯めたっていい。
セゾンカードは永久不滅ポイント。
CL:セゾン C:仲畑貴志さん

「倫理は発想を規制する。」で登場。
セゾンカードのメインターゲットは女性層にも関わらず、CMでは白いランニングとステテコ姿のおじいさんを起用したことで、逆にCM到達効率がナンバーワンになったとのこと。発想を規制するような倫理と常識で削らないほうが良いという事が解説されています。

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世の中、バカが多くて疲れません?
CL:エーザイ・チョコラBB C:仲畑貴志さん

「世の中、バカが多くて疲れません?」で登場。
僕が一番好きなコピーの一つが解説されていました。
差し替え用の「世の中、オリコウが多くて疲れません?」も同時に撮影されていたというところが流石なところだと思います。
ぜひ本書で読んでいただきたいところです。

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オーダーメイドといいたいくらい。
CL:ワコール・LALAN C:仲畑貴志さん

「効率があるなら、ベタなコピーで。」で登場。

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次回【広告本コピー写経】は、#8伊藤公一さんの『なんだ、けっきょく最後は言葉じゃないか。』篇です。


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