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散々騙されたバカが海外FXのコピートレードのビジネスモデルと日本における扱いは合法?違法?どうやって儲けてる?海外FXコピートレードの詐欺の仕組みを解説します

海外FXを使ったコピートレードで1日で100万円溶かされた話をしたいのですが、その前に、今回はコピートレードについて、説明したいと思います。

また、騙されたんかい!え、まあ、はい。

コピートレードとはなにか?


簡単にいうと、主にFX取引において、ユーザが選択した「親トレーダー」と全く同じ注文が自分の口座に反映される仕組みです。同じ注文ですが、注文ロット数は、口座に入っている資金量に比例して注文されます。

例えば、親トレーダーの資金が1000万円で1ロットの注文で、ユーザの口座に100万円が入っているとすると、ユーザの口座では、同じ注文が親トレーダーの1/10、この場合0.1ロットで注文が反映されるというものです。

つまり、親トレーダーが儲かれば、同じ割合でユーザも儲かり、親トレーダーが損をすれば、同じ割合でユーザも損をします

この仕組みは、日本の証券会社ではやっているところはなく、主に海外のFX会社で提供されている仕組みです。かつては、親トレーダーの口座にユーザが資金を振り込んで、運用してもらうモデルも多く存在していたようですが、現在は、海外のFXの開設したユーザそれぞれの口座に入金して、その口座上で親トレーダーの取引がコピーされて実行されるものがスタンダードとなっています。

多くのサービスでは、オンライン上でコピートレードのオンオフができ、リアルタイムに反映できるものが多く、中には、同じ口座内で、ユーザが裁量でトレードしたり、コピートレードで建てられたポジションをユーザの判断で決済取引をすることができるサービスも存在します。

海外のFX会社では、親トレーダーがランキングとともに表示されていて、過去実績や戦略の説明などから、ユーザが自由に選択して行うオープン型のものと、FX会社のサイト上では、親トレーダーは表示されておらず、親トレーダーがそれぞれ独自に集めたきたユーザのみにコピートレードを提供するクローズ型のものがあります。

ユーザのメリットとリスク

メリットは、言うまでもなく、自分で取引せずに、親トレーダーにトレードを完全にお任せできるところです。まさに僕の目指す他力本願。

そして、親トレーダーが儲かった場合に、ユーザも同じ割合で儲かるということです。

ユーザのリスク

この親トレーダーが儲かった場合というのがミソで、それ以外の場合は、ユーザは何もせずとも、損するということが最大にして唯一のリスクです。どんな場合かというと、親トレーダーがポンコツで負け続けたり、そもそもちゃんとした取引をしなかったり、とにかく、親トレーダーの行う取引が儲かる取引でなかったすべての場合、ユーザは損をします。

そして、残念なことに、親トレーダーが優秀であって、真面目にやっていても、負けることはあるし、世の中全般で言っても、勝ち続けられるトレーダーというのは、ほとんど存在しません。

ユーザのコスト

多くの場合、ユーザは、目に見える手数料はゼロか、儲けが出た場合に、親トレーダーが指定した料率で、手数料を支払います。儲かった分からしか手数料は発生しないので、損をした場合には、手数料は発生しません。

当たり前ですが、コピートレードでユーザが損をしても、一切損失補填をしてもらえません。

日本でのコピートレードの位置づけ

日本の証券会社でコピートレードサービスを提供している会社はありません。日本においては、コピートレードは、主に売買一任勘定取引は、主に投資顧問会社が行う売買一任勘定取引の一種に分類されると考えられます。

売買一任勘定とは
投資顧問会社が、投資家の委託を受けて、株式や債券などで資産運用すること。

時事通信社

売買一任勘定取引は、顧客から有価証券売買の一任を受け運用する業務のことで、委任された投資顧問会社は、自らの判断で、各取引について、顧客の判断を一切仰がずに取引を行うことができます。日本において、このサービスを提供するには、原則として金融商品取引法の規制の下、金融庁(財務局)に顧客資産の運用業務(投資一任業務)の登録が必要です。

この一任勘定業務は、かつては証券会社でやられていましたが、バブル期に損失補填などが行われ、問題となったことから、一時、証券会社による一任勘定は禁じられていましたが、1998年に再び規制緩和がされて証券会社も登録免許があれば、投資一任業が行えるようになっています。日本の証券会社で、コピートレード自体は提供されていませんが、金融商品取引法の規制に基づいて、ラップ口座の提供を提供しています。

海外では、こういった規制がない国も多いので、海外にのみ拠点を持つ海外FX会社が、日本以外の顧客に対して、コピートレードを提供することについては、日本の金融庁がとやかくいう立場にはありません。仮に、海外にも同様の規制があったとしても、そのFX業者がその規制に従っていれば、拠点の存在する国においては、もちろん、合法なわけです。

ただし、海外で正式なライセンスを持っている海外FX業者であったとしても、日本の顧客に対して、提供するとなると、金融庁としては、ちゃんと日本に拠点を持って、登録免許を取れ、取らないと違法だぞと指摘するしかありません。これは、コピートレード業務以前に、海外のFX会社が日本人に口座開設をさせるのであれば、そもそも、証券業の免許を取れと言っているのと同じです。

日本において、証券業の免許を取るには、もちろん、日本に拠点を持っていることが前提で、海外の多くのFX会社は、日本に拠点を持ってはいませんし、日本の証券業免許を取ろうとしていません。多くの会社は、拠点のある海外で正規の証券ライセンスを持っており、そこに、日本人がインターネットを通じて、口座開設に訪れているだけだという立場です。金融庁としては、ほぼ日本でしか公用語となっていない日本語で(ほぼというのは、パラオ公告の一部地域では日本語が公用語です)ウェブサイトを用意している時点で、日本人を対象に口座開設の勧誘をしているとみなしているため、無登録業者が日本において「警告」をしています。本来、日本において、無登録でこういった業務を日本人を対象に行う法人・団体に対しては、金融商品取引法第207条で、「5億円以下の罰金が科されます」と規定されています。それでも、罰金を課さず、「警告」氏ているに過ぎないのは、海外のFX会社の多くは、それぞれの拠点で、正規のライセンスを取得している彼らの拠点においては、合法な金融機関なので、日本政府が処分することができないためです。日本の法律は、原則として、日本国内の領土の全域にその効力を及ぼすものですので、日本に拠点を持たない企業・団体には、その効力は及ばないからです。

だからといって、何もせずに目をつぶってしまうと、コピートレードに限らず、銀行業務でも、証券業務でも、日本人を対象にサービスをしたいと考えている業者が、登録をするのが面倒なので、規制がゆるい海外でライセンスを取り、日本人に対してサービスを提供することを認めてしまう脱法行為を認めてしまうことになります。日本は、過保護なくらい規制がありますが、規制の目的は、国民の保護です。法律で登録要件を規定し、金融庁が厳しく審査・監視して制限することで、国民がなんにも考えずに銀行や証券会社を選んでも騙されたりせず、潰れたりもしづらい(実際にはそれでも潰れますが、過去の事例では大抵国が利用者を保護してきました)という状態を維持しています。そのため、日本人には、金融機関、金融サービスに対するリスク意識が他国に比べて極端に低く、証券会社や銀行を使うときに、信用リスクを調べることをせず、サービス内容だけで安易に選びがちです。無登録の海外FX会社は、日本の金融庁が審査を一切していないため、危険な会社もふくめてごちゃまぜになっているので、日本人に対して、これら「無登録の海外FX証券会社に注意」と注意を促しているというのが現状です。

ちなみに、ユーザ側の視点でいうと、日本人が、海外の銀行や証券会社、FX会社で口座を開設することは、違法ではありません。例えば、米国の銀行口座を開設して持っていても、もちろん、ユーザが罰されることはありません。

ただし、我々ユーザは自由に海外の金融機関を利用はできますが、当たり前ですが、すべて自己責任です。なにかトラブルがあったとしても、現地の法律に従って、自分でなんとかしなければなりません。金融庁が指摘するまでもなく、海外FXの会社には、現地のライセンスすら取得していないものも、ときには、詐欺を目的として作られたものを存在しうるので、最悪、預けたお金を取られてしまう可能性もあります。なので、自己責任として、開設する会社が信用して良いものかは調査し判断しなければならないことは、いうまでもありません。

よく、ネット上に海外FXの会社はすべて違法と書いているものがたくさん見受けられますが、当たり前ですが、すべて違法なはずはありません。Youtubeなどでは、再生数を上げることを目的に過激な表現をすることが多々あります。それこそ、ほとんどのYoutubeのタイトルは誇大表現です。

冷静に考えればわかりますが、日本以外の国のFX会社がすべて違法なわけがありません。日本において活動することは、日本の金融免許がなければ、金融庁目線では違法だが、ユーザが口座を開設することも、利用することも禁じられているわけではありません。では、海外FXの会社はどこも安全かというと、もちろん、そんなはずもなく、国内の証券会社よりも財務状況もしっかりしていて安全な会社もあれば、詐欺まがいだったり、いつ潰れてもおかしくないところまで、まちまちです。繰り返しになりますが、大丈夫なのかどうかは、一律で決めることではなく、つかう側のユーザが自己責任で調査して個別に判断が必要です。

これも、よく勘違いされますが、コピートレードという仕組み自体が違法だということではありません。日本において日本人を対象に行う場合には、日本に拠点を持って、投資一任業の登録免許が必要とされています。海外に拠点を持ち、海外でだからといって、コピートレードを提供している海外の会社が、すべて安全だとは限りません。そりゃそうですよね。

そして、それとはまた別の次元で、コピートレードを提供している会社は問題なくとも、トレードをコピーする元となる親トレーダーの取引が、儲かるかどうか、そもそも、ちゃんと取引してくれる人か、は、個々の情報を精査して判断する必要がありますし、残念ながら、世の中の一般トレーダーの多くが勝ち続けられないとの同じで、実際に勝ち続けられる親トレーダーは、一握りで、誰がその一握りに該当するかを判断することは非常に難しいと思います。コピートレードに関しても同じで、ネット上で、「コピートレードはほぼ詐欺」というようなキャッチが目立ちますが、もちろん、詐欺を目的としているケースも一定数存在しているとは思いますが、ほとんどが詐欺なんてこといはさすがにないでしょう。僕も割合を調査したわけではないので、どのくらいの割合で詐欺が混ざっているかはわからないけど、
実際は、ほとんどのコピートレードは、はなから騙そうとしている詐欺師ではなくて、心から儲けようと思ってトレードしている親トレーダーなのだろうけれど、それでも、ほとんどの場合は、継続的に儲け続けられる親トレーダーはほとんどいないと言うだけだと思います。 

何度もいいますが、継続的に儲け続けられる人というのは、存在するのだけど、そんなにはいないですから。儲けようとして本気でやっても、儲けられない人は、騙すつもりではないので、詐欺をしているのではなく、ただ儲けることができないだけです。これは、プロであるかどうか、登録しているか、無登録なのかとかは関係ありません。立派な大学を出ているかどうかも関係ありません。残酷な話ですが、過去は、ずっと継続的に儲け続けてこられた人であっても、突然、儲けられなくなる可能性だってあります。

現実だけいうと、理由はわかりませんが、結果的に継続的に儲け続けられてきたという人がごく少数存在する一方で、それ以外のほとんどの人は、継続的に儲け続けられないというだけです。

コピートレードのビジネスモデル〜親トレーダーは何で儲けるのか〜

先ほど、ユーザのコストの項目で、

多くの場合、ユーザは、目に見える手数料はゼロか、儲けが出た場合に、親トレーダーが指定した料率で、手数料を支払います。

と説明しました。儲けが出た場合に、儲けの一定の割合を手数料として得るケースは、問題ないのですが、儲けからは、手数料を取らない場合で、固定費は払わないとすると、親トレーダーは何で儲けるんでしょうか?

答えは、取引手数料からのキャッシュバックです。IB(Introducing Broker)報酬やアフィリエイト報酬と同じように、コピートレードで取引させたときのFX会社の手数料から一定の割合がキャッシュバックされます。取引手数料というのは、多くの場合スプレッドです。

例えば、ドル円でいうと、取引仲値が、1ドル150.500円だったときに買おうとすると、買う価格は、1ドル150.504円だったりします。逆に売る場合には、1ドル150.496円だったりします。買う価格は、仲値より0.004円高く、売る価格は、仲値より0.004円低いです。

1ロットの取引の場合、10万通貨ですから、顧客が1ロット買った場合、0.004x10万=400円がFX会社に入る手数料です。実際ここから何%が、親トレーダーにキャッシュバックされるかわかりませんが、仮に50%とすると、1ロットあたり、200円が親トレーダーに対するキャッシュバックです。買いでも売りでもポジションを建てたら、必ず、反対売買をしなければならないので、往復取引になります。1ロットを買って、その後売ったら、2ロットの取引になります。この場合、400円が親トレーダーに入ります。

どのくらいのロットでどのくらいの頻度で取引するかわかりませんが、例えば、自動売買で回している僕の50万円が入っている口座のある日の取引ロットは、トータルで2.37ロットです。1日あたり、474円、ひと月あたり23日取引日があるとして、10,902円、50人のユーザを抱えていて、一人平均50万円の証拠金で、1日2.37ロットやるとすると、これだけで、月50万円の手数料報酬になります。

いかがでしょうか?思ったより、悪くない額じゃないですか?

この50%が報酬というのは、仮設定なので、それぞれのコピートレードの仕組みを提供している会社が実際にどのくらいの割合でキャッシュバックを提供するかは、まちまちだと思いますが、おそらく30%〜70%のレンジだと思います。

親トレーダーの収入は、取引で発生する手数料=スプレッドに比例します。つまり取引ロット数に比例します。

取引ロット数は、運用資金総額に比例しますので、親トレーダーが自らの収入を増やすためには、運用資金総額を増やすことが必要です。運用資金総額を増やすには、

1)使ってくれるユーザを増やす
2)ユーザ当たりの平均運用資金を増やす

のどちらかですが、親トレーダー、ユーザともにハッピーなのは、儲け続けることです。儲け続ければ、ユーザ数が変わらなくても、ユーザの預けている運用資金が増えることになるので、ユーザあたりの平均運用資金も当然増えます。そして、実際、コピートレードして資金が増えたという評判が広がれば、使うユーザも結果的に増えるので、親トレーダーの実入りは増え、ユーザも運用での儲けが増えるということになります。これが、もっとも幸福なことですが、なんども繰り返しますが、なによりも儲け続けることが難しいのです。

実は、もう一つ、簡単に親トレーダーの収入を増やす方法があります。

それは、いたずらに取引ロット数を増やすことです。

コピートレードにおいてユーザの資金をだまし取る方法

儲かるかどうか関係なく、とにかく大きいロットで取引をすれば、その分、親トレーダーには多くの手数料が入ってきます。儲かるかどうか関係なく、取引ロット数を増やす方法にはいくつか方法がありますが、最もオーソドックスな方法は、ひたすら両建てを行う方法です。

日本のFXでは、レバレッジ規制があるので、最大レバレッジは、25倍に制限されています。例えば、自己資金10万円の場合、25倍の250万円のポジションまで建てられます。オーストラリア1ドルが100円だとすると、25000通貨分のポジションがマックスです。一方、海外FXでは、レバレッジ規制がないので、会社によって、上限は異なりますが、100倍200倍は当たり前、1000倍なんていう会社もあります。

仮に100倍レバレッジで、建てるとすると、10万円の自己資金の場合、1000万円までのポジションが組めますので、一度に10万通貨=1ロットまでポジションが建てられます。

レバレッジが250倍まであるFX口座を使って、証拠金10万円で、200倍までのレバレッジを使って、 豪ドルの両建てを繰り返す例を考えてみましょう。

実際には、先程の例だとスプレッドが0.004円ありますので、買いポジションは、100.004円、売りポジションは、99.996円で建てることになります。まず、10万円の証拠金に対して、1ロットずつ同時に売りと買いポジションを建てます。

ポジション1買い 100.004円X 10万通貨=10,000,400円
ポジション2売り 99.996円X 10万通貨=9,999,600円

実際には、買いと売りの2つのポジションを建てていますが、これは、10万通貨を100.004円で買って、99.996円で売ってるのと同じ取引なので、800円の損が確定します。

次に、すぐにポジション1、ポジション2のポジションを解消する反対売買を同時行います。少しだけドル円が動いて、1ドル=100.010になっているとします。

ポジション1売り 100.006円X 10万通貨=10,000,600円
ポジション2買い 100.014円X 10万通貨=10,001,400円

ここでも、先程と同様、100.014円で買って、100.006で売ってるのと同じなので、800円の損が確定です。

取引全体では、800円の損が2回で、1,600円の損です。


これだと分かりづらい方もいると思いますので、ポジションごとの収支で考えましょう。

ポジション1
10,000,400円で買って、10,000,600円で売却なので、
10,000,600円-10,000,400円=200円の利益

ポジション2
9,999,600円で空売りして、15,001,400円で買い戻しなので、
9,999,600円-10,001,400円=-1800円 1800円の損
空売りというのは、FX会社から借りてきたのだと考えてください。持っていないので、豪ドルを10万ロット=10万ドルを借りてきて、売ったことにします。 
売却なので、手元には、10,999,600円が手に入りますが、借りてきた10万ドルを返さないといけないので、市場で10万ドルを買ってこないといけません。市場価格は、すでに変動していて、1ドルは100.004円になっています。

手元には、9,999,600円しかないので、1,800円を足して、10,001,400円で10万ドルを市場で買い戻して、買ってきた10万ドルをFX会社に返します。1,800円鍼したことになります。順番は逆になっていますが、安く売って高く買ったことと一緒なので、その差額が損になるわけです。

ポジション1での利益が200円、ポジション2での損が1,800円なので、差し引き、1,600円の損になりました。

買いポジションはわかりやすいですが、売りポジションというのは、あまりFXや株の信用取引をやったことがない方には、理解しづらいかもしれません。これは、信用取引の空売りと同じような取引で、先に売って、後で買い戻すという、通常の逆の取引をすることです。上昇していく相場だと、買いポジションを建てて、上がったところで売れば儲かりますが、逆に、下落相場だと、買いから入ると儲けることはできません。そこで、先に高いところで売って、下がったところで買い戻しをするという取引をすれば、その差額を儲けることができます。日常生活では、なかなか行わない行為なので理解に苦しみますが、概念的に理解が難しい方は、概念で理解せずに、単純に売りと買いを逆にしているだけと考えた方が楽かもしれません。

さて、この取引では、スプレッド分必ず損をしますが、相場の変動には全く影響を受けません。10万円の場合、この取引では、4ロット分の取引にかかる手数料(スプレッド)分1,600円が損になります。

コピートレードの場合、ユーザの資金割合に比例して同じ取引がされますので、例えばユーザの資金が50万円のときには、5ロットの買いと売りのポジションを両建てして、少しして、それぞれ解消することとなり、ユーザの口座では9,000円の損がでたことになります。

このトレードで発生した手数料(スプレッド)は、ユーザの口座で9,000円です。この時点で、親トレーダーには、先程の条件だと、ユーザの口座で発生した手数料の50%、4,500円が支払われることになります。

仮に、100人ユーザを抱えていて、平均投資資金が50万円とすると、全体の投資資金は5000万円、今回の取引でのユーザ全体の損金の合計は、90万円になりますが、親トレーダーには45万円が支払われることになります。つまり、この両建てをすると、ユーザは、手数料分だけが損金になり、親トレーダーは、この条件の場合、ユーザの損金の半分=手数料の半分を手に入れることになります。

この取引を繰り返していくと、ユーザの口座からは、手数料分が損金として惹かれ続け、最終的には、ユーザの資金が限りなくゼロに近くなりますが、そのときには、ユーザの投資資金の半額が親トレーダーの手元に入ることになります。このケースでは、全体の投資資金の合計は5000万円ですので、ユーザが投資資金を全額溶かして、すっからかんになったとき、親トレーダーに半額の2500万円が移動していることになるわけです。この取引においては、残り半分は、FX会社に入るので、親トレーダーとFX会社が組んで、詐欺的にこの方法でユーザから資金を詐取することもありますし、そもそも、FXの会社が単体で、架空の親トレーダーを捏造して、やるケースもありえます。世の中には、無数に悪い人がいるので、こういったことはいくらでも考えられます。

とはいえ、この方法は、あまりやりすぎると、悪評がまわってしまうので、FX会社自らが企んでやるには、FXの仕組みやコピートレードの仕組みという舞台を作ったりするには、コストが高すぎるので、こういった詐欺行為の多くは、FX会社と組んでいるのでも、FX会社が企てているのではなく、FX会社は、何の細工もされていないコピートレードの仕組みを提供しているだけで、ほうっておいても、こういう悪い親トレーダーはでてくるので、それを排除せず放置するだけでも、FX会社は儲かりますから、推奨はしないまでも、規制もしていないという状態かもしれません。

さて、ここで一つ気づく事があると思います。

コピートレードなので、親トレーダーの自己資金も同じように溶けてしまうではないか?ということです。確かにそうなのですが、これは避けられませんが、親トレーダーの被害を最低限にする方法があります。(もはや、僕が詐欺師みたいになってますね。騙されすぎて、詐欺師側の論理がわかるようになってる自分が怖いです)

親トレーダーの運用資金に注意

コピートレードは、親トレーダーの取引が取引資金量に応じて、反映されます。つまり、親トレーダーの資金はいくらでも、コピーされるユーザには関係ないのです。今回のケースの場合、10万円で1ロットずつの取引です。大抵のFX会社では、最小トレード単位は、0,01ロットなので、極端な話、親トレーダーの運用資金は1,000円でいいわけです。1,000円で0.01ロットで取引しても、10万円の資金の口座では、1ロット、50万円の資金の口座では5ロットの取引になります。親トレーダーの資金1,000円がすっかり溶けたときには、ユーザ側では、その何百倍、何千倍の資金がすっかり溶け、そのお金の半額は親トレーダーへのキャッシュバックになっています。

親トレーダーの資金が確認できないケースも多いですが、親トレーダーの資金が確認できる場合に、極端に資金が少ない場合には気をつけたほうがいいかもしれません。

実際、このコピートレードを両建てで悪用して、ユーザの資金を詐取する方法は、結構ありまして、こんな記事を偉そうに書いている僕自身、まさにこの手法にやられて、100万円が1日で溶けてしまって呆然とした経験があったりします。(長くなったので、これは別の記事にします)
僕がやられたやつは、かなりあからさまで、資金を入れた日に、あっという間に全額溶けるというものでしたが、長続きさせることを考えると、そこまであからさまにやらず、普通っぽい取引をしている中で、こういう両建て取引を少しずつ混ぜて、少しずつ資金を抜いていったりするケースも多いんだろうなと思います。

本来、ちゃんと儲けられていれば、そもそも親トレーダーの口座のお金も増えていき、その儲けに加えて手数料からのキャッシュバックが入ります。、儲かっていれば、ユーザの資金も増えるので、手数料も増えていくという好循環なのですが、思ったように儲からないときに、真面目にやろうとしていたはずの親トレーダーがある日ダークサイドに転落しちゃったりするんでしょうね。

こうなってくると、誰でも、詐欺師になる可能性があるのです。

多くの日本人親トレーダーが成果報酬をゼロにしている理由

コピートレードの仕組みには、儲けた金額から、親トレーダーが指定した率に応じて、成果報酬を貰えるモデルが用意されていますが、多くに日本人の親トレーダーは、成果報酬をゼロにしています。

これは、推測なのですが、おそらく、儲けた利益から報酬をもらってしまうと無免許の投資一任業務に明らかに該当してしまうからではないでしょうか?

実際、コピートレードを提供している親トレーダーは、金融庁的にはアウトですが、コピートレードを提供している会社が海外にあることで、親トレーダーだけを罰することはなかなか難しいのだと思います。あくまで、トレード情報を海外のFX会社に提供しているだけで、自分たちがもらっているのは、IB報酬、つまりアフィリエイト報酬だということなのでしょう。

多くの金融系ブロガー、Youtuberが、海外FX会社とIB登録=アフィリエイト登録をして、口座開設をさせたユーザの取引手数料に応じたキャッシュバックをアフィリエイトフィーとしてもらっています。FX会社に対して、自分の取引データを情報提供していますが、投資一任業務をしているのではなく、あくまで、IBとして、アフィリエイト報酬をもらっているだけにすぎないという立場なのだと思います。

実際、僕の知る限り、成果報酬で、儲けた分から報酬を取ってもらった方が、ユーザ的には、先程のような両建て詐欺(実際には詐欺だと立証するのは難しい)に合う確率が減りそうな気がするので、仮に儲けから30%とられたところで良いと思うのですが、日本の規制があるからには、難しいんでしょうね。

最後に

いかなる投資にも儲けるためには、相応のリスクがあるように。他力本願で儲ける際にも、騙されるかもしれないという大きなリスクがある一方で、万に1つの当たりを引けば、不労所得への道が拓けるわけです。こんなことなら、自分で取引したほうがいいんじゃないか?とも思いますが、僕の場合、自分でできることは、事業会社の経営と不動産投資くらいしかないので、FXとかのジャンルは、当たりを引けることを目指して、他力本願一本で行きたいです。(どんな宣言だよ)

どのコピートレーダーがいいのか、確実に選ぶ方法はありません。たぶん、詐欺じゃなくてちゃんとやっているんだろうなというのは、見極める方法はある程度はあるのですが、実際に儲かり続けるかは、神のみぞ知る事。たとえ、今までずっと儲け続けてきたとしても、市場の変化に対応できなくなって、突如儲からなくなる可能性もありますから。極稀に、今まで全然ダメだった人が儲かり始めることだってあるわけですけど。

次回は、実際コピートレードで100万円やられたときの記事を書きます。

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