横断歩道
出勤するためのルートに横断歩道がある
スクランブルのものでもなければよくあるタイプのものでもない
わずか5メートル足らずのものである
世の中には3メートルもないものもあるらしい
今回は長さの話ではない
頑張れば5,6歩で渡れてしまうその距離
そこにしっかりと信号が付いているというのが今回のテーマである
数分に1台のペースでしか車が通らない横断歩道の意味を失いつつあるこの短い横断歩道を人々は少しの安全確認だけで渡ってしまう
待ってみよう
5,6歩で渡れるその距離
人々はせかせかと真横を通り過ぎていく
何故立ち止まるのだろうと不思議そうにこちらを見ながら通る人すらいた
まるでこちらの方が悪いことをしているかのように
5,6歩の距離
少しループから解放された気がした
その時ふと思った
ルールを守るためだけのものではない
許されがたいこの世界からほんの少しだけ逸脱できるもの
やってみたらわかりやすい
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