私は「被ばく3世」です
こんにちは。みーきちです。
今日は「放射線」についてのお話です。
私の父方の祖父は、今から約75年前の1945年8月6日、広島に落とされた1発の原子爆弾が放った放射線により、被ばくしました。
以下の動画は、米BBCによる原子爆弾投下時の再現ムービーです。
私が生まれる前に祖父は他界してしまい、結局、祖父に交付されていた被爆者健康手帳以外、当時の記録は何も残りませんでした。
私は、当時の祖父を想像することしかできませんが、恐らく祖父は、原子爆弾によって壊滅的な被害を受け、見渡す限り瓦礫の山となった変わり果てた広島の街をその目で見て、呆然としたと思います。
私が、この祖父の話を聞いたのは、ちょうど小学校3年生の時です。
私は、ストレスからか急な吐き気に襲われ、思わずトイレに駆け込みました。
私の父は、戦後の1954年生まれです。ということは、父にも、自分にも、何か放射線に関する影響が出るのではないか―
物心がついた頃から、広島で平和教育と原子爆弾の恐ろしさを聴かされて育った私の頭の中には「不安」の2文字しかありませんでした。
いつか、私は放射線の影響で、ガンになるのではないか―
この不安は、中学校を卒業する辺りまで、私の頭の中の片隅に、じっと暗い影を落としていました。
結論から述べると、私も、私の父も、幸いなことに今のところ放射線が原因と考えられる病気に、なったことはありません。あれから私は勉強し、放射線が単純に危険なものとは言い切れないこと、例えば低線量の放射線だと、温泉に含まれるラドンなどが放出しており、その放射線は人間に対し有効に作用することも学びました。
しかし、戦後何年経っても、人々に不安を与え続ける、原子爆弾が放った「高線量」の放射線というものに対し、私は良い印象を持っていません。
そもそも、放射線とは一旦何なのでしょうか。
Wikipediaより引用
放射線とは、高い運動エネルギーをもって流れる物質粒子(アルファ線、ベータ線、中性子線、陽子線、重イオン線、中間子線などの粒子放射線)と高エネルギーの電磁波(ガンマ線とX線のような電磁放射線)の総称をいう。
単純に引用しただけでは難しいですね。
すごく簡単に説明すると、放射線とは、ウラン235などの放射性元素が崩壊(いわゆる核分裂)する際に放出される、粒子や電磁波の総称です。
なお、ウラン235は、原子爆弾に使われる、非常に崩壊しやすい不安定な放射性元素です。このウラン235は、崩壊した際に質量がわずかに減少します。わずかに減少した質量は、原子爆弾が爆発するエネルギーに変換されます。
次の式は、かのアインシュタインさんが発見した有名な式です。
E=mc^2 (E=mcの2乗)
それぞれ、E:エネルギー、m:質量、c:光速度です。
光速度の値が極めて大きい値な数値なので、わずかな質量でも、エネルギーに変換すると莫大なものになります。
実際に、広島の原子爆弾に搭載されたウラン235は「約50kg」でしたが、ウラン235が崩壊して減少した質量(エネルギーに変換されたもの)は、たった「0.7グラム」ほどだったと言われています。
たったの「0.7グラム」の物質がエネルギーに変換されただけで、広島の街が焼け野原になったことを考えると、改めて、科学の力には驚かされます。個人的には、科学の誤った使い方だと思いますが・・・
広島の空で原子爆弾が爆発した際には、推定200シーベルト以上の非常に強い放射線が発生し、また放射線を放つ性質を持つ物質、いわゆる「放射性物質」も、周辺にばら撒かれることとなりました。
たくさんの住民が、原子爆弾の投下後も、この放射線に苦しめられることになり、多くの方が、高線量の放射線により命を落としました。
さて、話を戻します。私は先ほど、放射線は、粒子や電磁波と述べました。
種類にもよりますが、放射線の一部は、人体の細胞を突き抜ける力があります。その際、一部の放射線は、細胞のDNAを傷つけます。
低線量の放射線だと、人体に大きな影響は出ませんが、高線量の放射線を浴び続けると、多くの細胞のDNAが傷つき、生命維持に問題が発生します。
以下にご紹介する本は、極めて高線量の放射線を浴びてしまった人が辿った記録です。
この本を読んでみて、私は改めて、放射線の恐ろしさを感じました。当時における最先端の医療技術を結集させても、高線量の放射線を浴びて被ばくした方の命を救うことは出来ませんでした。
ここまで書くと「不安をあおるな」と一部の方からお叱りを受けるかもしれません。
もちろん、ここまでに述べた放射線に関する記述は、ほぼ「高線量」の放射線に関する事例です。いわば、特殊な事例に該当します。
私たちは、日常的に、宇宙線などの低線量の放射線を浴び続けています。よって、低線量の放射線による被ばくに関しては、個人的にあまり問題にしなくても良いと、私は考えています。
こちらも個人的な考えですが、放射線は「炎」に似ています。
低線量、つまり、たき火のように、こじんまりとゆっくり燃える炎については、暖が取れたりするだけで、身体にとって害はありません。
しかし、高線量、つまり、火事のように激しく燃える炎については、身体が重い火傷を負う危険が出てきます。
高線量の場合、外部被ばくに加え、内部被ばくにも気を付けなければならないことも、なんとなく分かります(体内で激しい炎が燃えている想像をすると、なんとなく危険に感じます)。
残念なことに、私たち人間は、炎を見たり感じたりすることが出来ますが、放射線を見たり感じたりすることができません。
代わりに、ガイガーカウンターなどで、線量を測定することになります。
本日、東日本大震災から、10年の月日が流れました。
今も、事故を起こした福島第一原子力発電所で、放射線と戦いながら、懸命に働いておられる方がいらっしゃいます。また、原発事故による風評被害に負けず、一生懸命生きておられる方がたくさんいらっしゃいます。
願わくば、誰もが放射線による恐怖に怯える必要のない未来を、私は希望しています。
換気扇にこびりついた油汚れのような私の記事を読んで頂き、本当にありがとうございます。サポートして頂けると、妻がニッコリします。