#2【シナリオ術】あなたは「物語に必須の3要素」を知っていますか?意外と忘れがちなあの“基礎テクニック”とは。【ライター必見】
こんにちは!
シナリオライターの民奈涼介です。
以前に作成した「リトマス法」の記事が好評だったので、
今回は【物語に必須の3要素】についてお伝えしたいと思います。
こんなの当たり前じゃん?と思うような
普遍的な内容ですが、結構忘れられがちなので
再確認の意味も込めて読んでもらえると幸いです。
今回はその初回ということで、一つ目について詳しく説明します!
それでは、早速いきましょう!
シナリオに必須な要素「#1 テーマ」
「テーマ」とは、物語の作者が読者・視聴者など受け手に対して伝えたい
メッセージや主張のことを指します。
ここでは例に童話の「おおきなかぶ」を挙げます。
〜おおきなかぶ(通常ver)〜
おじいさん「うんとこしょ、どっこいしょ。」
それでもかぶは抜けません。
そこに偶然通りがかったおばあさん。
おばあさん「手伝いましょうか?」
おじいさん「あぁ、すまんの。」
…そうして多くの動物達の手を借りて、
おじいさんは無事かぶを引き抜くことが出来ましたとさ。
なかなか抜けないかぶをみんなで協力して引き抜く、
という非常にシンプルなお話、ですよね。
あの話のメインテーマは
「1人では為し得ない事も、複数人なら出来る!」
ということだと思います。
このテーマ(メッセージ)を読者に伝えるために、
書き手は様々な工夫を施して、物語を進行していかなければならないのです。
もしテーマが無い状態で、「かぶを抜きたいおじいちゃんの話」という設定のイメージだけが先に膨らんだ場合…
〜おおきなかぶ(設定のみver)〜
おじいさん「うんとこしょ、どっこいしょ」
おじいさん「(スポっ)あっ!抜けた!今晩の味噌汁が楽しみじゃ。」
〜完〜
という感動も面白味もない文章が出来上がってしまうのです。
逆にテーマだけを準備してもダメです。
書き手の主張をそのまま書くのは物語ではなく「意見文」です。
”面白さ“を追及する物語ではもっと高度なテクニックが要求されるのです。
〜おおきなかぶ(テーマのみver)〜
おじいさん「1人では出来ないこともある…。でも、皆んながいたからここまで生きてこれたんじゃ!(ガッツポーズ)」
〜完〜
主張は伝わりますが…
なんだか面白くはないですよね。
それに、原作ほどの説得力は無くなってしまっています。
つまり、物語の書き手は「テーマに肉付けをして、肉体化」するのが仕事だということです。
参考図書の【シナリオの基礎技術/新井一】ではこのことを、
“主張を芸術化すること“としています。
物書きは物語を通じて、感動を与えなければいけない。
テーマだけを伝えたいのであれば、プラカードを持って歩き回ればいい。
主義主張を「物語を通じて伝える」って凄く難しいことです。
僕もよく一つの作品を書いている時に「あれっ?結局何が書きたかったんだっけ?」とテーマがブレてしまうことがあります。
だからこそ、最初に考えたテーマを常に頭の片隅にいれながら、
登場人物達に設定を与えていくことが重要だ!
ということですね。
勉強になります。
「#1 テーマ」は以上になります!
さて、今回は物語を作り始める前のテーマについてお話しましたが、
次はいよいよアイディア出し、設定作りの話をしたいと思います。
「#2 モチーフ」についてのお話です。
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民奈涼介
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