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「私はゴースト」観た

タイトルが「私はゴースト」で、メインヴィジュアルで一人の女性が出てきて、始まってからずっと一人の女性が映ってるので、さすがに「この人がゴーストなのね」となるわけだが、このゴーストの女性が、何をしていて、何故こうなったのか、全く分からないまま進んでいく。

インテリアセンスの良い古い御屋敷。
繰り返される「同じシーン」。
日常の断片。記憶の断片?


観終えた時、きっとこれは「ゴーストって、なんなんだろう」「ゴーストになったら、どんな感じなんだろう」てことを一回ちゃんと考えた人が作った映画なんだろうな、と思った。

同じ場所にずっといる、人生が終わった人。
その人は何を見てるのか。


私はこういう「あー、ちゃんと考えたんだなぁー」ていう作品が大好き。
あと、素敵な家が出てくるのも好き。
映像が美しくて、構図が面白い映画が好き。
それから、「なんか、すごい頑張って撮ったんだね」てのがわかるのも好き。

きっと予算が無い中で一生懸命考えて作ったんだろうな〜と思う場面が幾つかあって、そのひとつが「なぜゴースト役の人はウィッグなのか」という点。
始まってからずっと「ウィッグだなぁ…」と思って見てたから、理由がわかった時、膝を打ったね。

同じような体型の人に同じウィッグを被せて同じ衣装を着せたら、同じ人がひとつの場面に映ってるように見えるからなのよ。
「あ、そっかー!」てなった。

あと、頑張った結果いちばん怖いはずなのに急に面白くなってしまう場面もある。
なんかね、愛おしくなったね。


全てにおいて、とても好きな質感の映画だった。
ほんとにすごくよく出来てるし、面白い。
「みんな!絶対に観て!」とは言わなくても、興味があるという人がいたら「面白いから、観るといいよ」って言える。
あと、これ面白くないっていう人がいたら「あー、あんまり仲良くなれないかもね」と思う。
そんな感じの映画。

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