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#短編ホラー
おじさん待って【短編ホラー小説】
この夏、お盆で帰省した時のことです。
4年ぶりに帰った地元は相変わらず田舎で、無人の駅を出たら後はひたすら山と田畑とギラギラした夏空が広がっているだけ、というような場所でした。
そういう所ですから、住民の移動手段はほぼ自家用車です。
私もいつもなら家族に車で迎えに来てもらうのですが、その日は何故か当日の朝になって急に迎えに行けないと言われ、仕方なく徒歩で家まで帰ることになっていました。
駅から
さっきまで一緒にいました【短編ホラー小説】
数年前の出来事です。
当時、私は大阪から電車で2時間半ほどのところにある海辺の田舎町に住んでいました。
夕日の美しいことと、温泉宿と海産物しか名物のない、小さな町です。
あれは8月末の暑い日のことでした。
昼の3時ごろだったと思います。
仕事を終えた私は、駅から家に向かって一人で歩いていました。
駅前のエリアを抜けてしばらく歩いていくと、古くて大きな蔵が建ち並ぶ場所に入ります。そこら一帯は日陰