進路として「CAD技術者」を目指す人へのガチ助言。

当記事は、この動画のコメント欄に書いたものをそのまま引っ張ってきて加筆した(している)記事ですが、個人的な挫折経験にもとづき、CADに興味があってやってみたいなー、と思ってる方に読んで欲しい話です。
進路に関するガチ助言。長文失礼します。
(色々書いてたら3千文字近くになってしもうた)

ただし、私自身は現役のCAD技術者などではありません。
あくまで挫折してCAD技術者を諦めた人が、他の人に同じ失敗を繰り返してほしくない為に書く、フィードバック記事です。あしからず。

資格試験だけなら簡単に通る。問題はその後。

CADは「利用技術者検定」だけならば、過去問繰り返し解いておけば簡単に通ります。過去問が9割といっても過言じゃあない。
ただし市場ニーズとしての就職があるかどうかと、良い技術者になれるかは、試験に受かることとは別個に考えなければなりません。

派遣社員としてならば、学校卒業直後であれば、どこでも需要はあるようですが、就職しても、企業に潜り込んでから後は、本人さんの、たゆまぬ努力が必要となるようです。
私が通っていた学校の先生曰く、仕事そのものは過去の設計図の流用が多くなり、全くの白紙状態から設計することはほぼ無いそうです。
どちらかというと慣れた後の仕事の難易度は低く、保守作業に近いものだと仰っていましたが、それと個人のスキルアップとは又別の話です。
スキルアップをしていないと、さらなる転職や待遇向上に繋がらないようですし、雇う企業側も向上心ある方を求めています。

もし派遣を選んでしまったら、正社員になれるかというのは又別の話。
悪いこた言わん、○○卒目指すんならいきなり正社員にしとき、と思う。

卒業直後、うんぬん、というなら、
「○○卒、学校卒」という「錯覚資産を」活用している面があるので、「卒業、即」くらいの迅速な就職が必要です。
案外、時間や選択肢は限られています。卒業後ブランクが開けば開くほど不利になります。なんだったら今からでも即、具体的に入りたい企業をリストアップすべきぐらいの話です。

CADで何を書きたいか。CAD仕事の3分野と、船舶分野の将来性(一例)

CAD技術者として何をやりたいか、というのもあります。
CADで書くのはだいたい大別して3種類で「機械設計」「住宅設計」「服飾」なのですが、そのどれがやりたいかは最初の進路(学校)選択時に決めるべきです。そうでないと、学校で学ぶ事が全く違ってきます。
機械設計と住宅設計は相互に潰しがききますが、服飾CADは別物と言っていいと思います。

あとは各専門分野で何を描くかになる。
あくまで一例を紹介しますが、機械設計で特にこだわりがなければ、船舶の設計を扱うところを探してみて下さい。
船舶関係は、機械を扱う分野の中でも特に需要が絶えにくく、将来需要がより安定的に見込めるようです。
また、住宅と同じく「夢」があり、作るものがイメージしやすく
モチベーションが維持しやすいのではないか?と、個人的には思います。
やる方が、海や船が嫌いでなければの話ですが。

工業数学、好き?嫌い?(私の挫折経験)

なにより、CADは設計をするものなので、やるとなれば高校卒業程度の工業数学の知識が問われることになります。
(少なくとも機械分野、住宅分野においては。服飾は学んだことないので存じ上げません、すいません)

その辺に自信がなければ、小学校の算数から中学の数学、そして高校数学まで、一通りやり直すぐらいの覚悟と、毎日の努力(勉強の習慣化)が必要です。
大きな書店にいけば、大人向けやり直し教材はいくらでも売ってます。

最初は「なるべく薄い本」を「自分にあうかどうか店頭で実物を見て」選びましょう。でないと挫折します。最初から読まない積み本ではなく、びっしり書き込みした薄い本を積み上げていく事、「終わった積み本」が、自信と実力になるのではないでしょうか。
(齋藤孝 著「おとな「学問のすゝめ」」より抜粋知識です)

別分野の方ですが、テック系YouTuberの勝又健太さんみたいに、それ(数学の再勉強、勉強の習慣化)をやり通した方は現実にいらっしゃいます。
ただ彼は努力の天才、なので、、、普通の人はどうしても怠けてしまうもんだから、習慣化って言うほど簡単じゃないのよね。
習慣化のコツはなるべく多くの他人を巻き込む事です。
「自分自身で勉強会を主催する」ってのは、YouTube講演家の鴨頭嘉人さんのお言葉です。
勉強会なんて大層なもんでなくても、放課後に友達さそって家で勉強、みたいな感じなのかなと思います。
または、最近ならDiscordやTwitterあたりのSNSで仲間募集するんですかねぇ。


この話、当人のやる気次第で実現不可能な事柄ではないのですが、
自分の場合は数学アレルギーで、結局ついていけずに落伍してしまいました。やってる内にその気になるかなと思ったのですが、ご縁がなかったようです。よって、数学に対して苦手意識がある人は、やらない方が幸せだと、個人的には思います。

進路選択は、本人のやりたいことに愚直に選択されるべきだと、今後悔しています。
「直感」ってだいたい正しいので(羽生善治さんの書籍もよかったらお読み下さい)、
もし食えるかどうかだけでの進路選択なら、それは別の道を選ぶべきです。
それでもCADやりたいなら。「人生、なにごとも覚悟。」(「大神」終盤、ウシワカの台詞より)
「やりたいこと」「やれること」「求められること」のマッチングって中々難しいですが、
少なくとも「自分が続けてやっていて苦痛にならないこと」を職業にしたいものですね。

自分の二の舞にならないようにだけは、重々お気をつけ下さい。
退職されるお二人の、今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

作図担当者として、どうしても手元に置いておきたい一冊「図形作図ハンドブック」

最後に、参考までに、手元にどうしてもおいときたい書籍を1冊だけご紹介します。
酒井政夫著「図形作図ハンドブック 平面図形編」
https://www.amazon.co.jp/dp/4797318910/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_FlS.DbQ03TAQT

CAD作画による描画・作図というのは、
芸術的な意味での描画・絵を書く、というのとは違って
三角形や円、多角形などの決まった図形の組み合わせによる
「運転(オペレーティング)」だと思います。
だから「CADオペレーター」なわけでして。

何故そういう定形になるのか?というと、それが(学問としての)「力学」的に最も最適化された形だからです。
「応力集中などの「部品にかかる負荷」に耐える設計」をするとともに、
生産効率・作図時間効率も、作図を単純化することで向上するのです。

また、旋盤などの作業機械が(人間、非人間を問わず)、実は単純かつプログラミングされた動作しか出来ない
(逆にそのほうが効率が良い)事も関係しています。
作業内容は単純な方が良い。万象に言える事ですが。

この本は「「作図の」要諦」が記されているものです。
こういう知識は、学校の先生は授業の中でノウハウとして教えてくれますが、著作に詳しくまとめられているものは、他に見つけられませんでした。(少なくとも私の観測範囲では。)
よって、オンリーワンに近い価値をもつ本だと思います。

もしCADの進路が具体的に決まったら、早めに手に入れられる事をおすすめします。
ただ中古の書籍しかないようなので、割と高くつきます。確保はお早めに。


以上。
聞かれてもいないのに長々と失礼いたしましたm(_ _)m
借り物の知識(有名人の名前)が多い文章で申し訳なかったですが、イメージしやすいように、又様々な可能性を提示したい、という事ですのでご容赦願います。


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