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【父と娘】忘れたくない記憶の記録〜30代編〜

東京では縁あって昔の関連会社からのお誘いだった。田舎を出る前と出た後もずっと東京には憧れ続けていたし、若いうちに一度はと面白半分、何も考えないまま就職、引っ越し。
ないものねだりで働くうち、いつかは地元にと都会の生活も慣れ始め、やっと自分の将来を考えるようになり、周りをみると家庭持ちが半数以上。私の人生行き当たりばったり、そんなんだから次は結婚出産へ気が向く。
縁あって帰省の合間、地元で出会い、そのまま結婚出産をダダーっと駆け抜けた。

およそ10年ぶりの田舎暮らし。
実家に戻るとばあちゃんは施設生活でいない、父と母は元気に働き相変わらず。帰る前に結婚するからと告げ、挨拶やなんやらを今か今かとタイミングをはかり、父と言葉を交わしたのはその時が久しぶりで、実に10年以上だったかのように思う。空白の期間はだいぶあったけど、少しずつ雪解けを迎えていた。

それから出産を気に、実家にも保育園帰りなど立ち寄る事も増え、子どもがいるおかげで自ずと会話も増える。まるで何事もなかったかのようだ。
父と母にとって初孫はとても可愛いいのだろう。

施設に入っているばあちゃんにも数回、ひ孫を見せに行ったが、その頃のばあちゃんはボケがすすみ、孫の私ですら認識していなかったように思う。その時とても悲しかったし、あの頃の自分を後悔したし反省した。でもあの時はあの時の私だから仕方がなかった。

そんな我が子の誕生から、父と私の思い出、父と孫の思い出が日々濃くなっていくのである。

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