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【青春18で行く】鉄道唱歌1人旅(東海道編第63番〜第65番)

63番

磯には眺め晴れ渡る 和田の岬を控えつつ
山には絶えず布引の 滝見に人も登りゆく

14時半、zoom授業が終了し、スタバを出て神戸の街へ繰り出します。まず向かうは、布引の滝です。三宮から新神戸駅までバスに乗っていき、新神戸駅から山登りが始まります。新幹線の駅のすぐ裏に山があり、滝が観光地になっているのです。何百段かあるであろう階段を登り切った先には、立派な滝が、と思いきや意外にもちょろちょろとしか流れていなかったような気がします。日本三大神滝に選ばれている布引の滝は古くからの名高い景勝地でした。

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「和田の岬」というのは神戸の西側にある岬で、こちらも布引の滝と並び神戸の景勝地として知られています。滝を見終わったら、徒歩で山を下ります。

64番

七度生まれて君が代を 守ると言いし楠公の
いしぶみ高き湊川 流れて世々の人ぞ知る

こちらは、前回授業が始まる前の余った時間で訪れた湊川神社が歌われています。南北朝時代に後醍醐天皇の指示の下、楠木正成や新田義貞が足利尊氏と戦い、殉死した歴史と深く関わりのある神社で、その名将、楠木正成を祀っているのが、この湊川神社というわけです。

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「いしぶみ高き湊川」というのは、昔、湊川が天井川だったことをほのめかしているに違いありません。この歌を知るまで、神戸という街の名前を聞いて抱いていたイメージは阪神淡路大震災と夜景の美しさくらいしかなく、この歌詞に触れることで、貿易港としての歴史や湊川神社、有馬温泉などと神戸の奥深さを徐々に受け入れることができるようになっていきました。

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さらに、実際に街の中を歩き回ってみることでしか見つけることができない発見もあります。布引の滝を見て、山を下り、もう一度海の方へ向かう途中には、おそらく大震災の揺れを経験したであろう阪急やJRの駅舎などにただならぬ貫禄を感じたり、山奥の険しい坂道から港の近くのウォーターフロント開発された地区までが徒歩 1時間圏内に押し込められていたりと神戸という街の魅力にどんどん自分が吸い込まれていきました。

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65番

思えば夢か時の間に 五十三次走りきて
神戸の宿に身を置くも 人に翼の汽車の恩

ラストの66番の1つ前の65番でも素敵な日本語が登場します。まるで人に翼を映えさせてくれたかのように遥か彼方の街まで連れて行ってくれる汽車に感謝の意を伝えている表現「人に翼の汽車の恩」という歌詞は、私たちの日常生活で当たり前となった交通機関に対する忘れてはいけない感謝の意を代表しているかのように聞こえます。

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長かったですね。新橋を経って、多摩川を渡り、富士山をかすめ静岡県を横断し、名古屋・京都・大阪と大都市を何個も跨いでここまでやってきました。いかがだったでしょうか、東海道の旅。おそらく日本人なら死ぬまでに少なくとも1回は乗車するであろう東海道新幹線が輸送の覇権を掌握している東京神戸間を、普通列車で各地の歴史や景勝地に思いを馳せつつ、5日間かけてゆっくりと味わう旅。

神戸駅のホームには東海道本線と山陽本線のキロポストが設置してあります。次回はついに最終回です。長かった東海道の旅のフィナーレを飾りましょう。

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