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20歳の夏休み全部使って日本一周してみた(29:防府〜松山)

第29日目

本日はいよいよ、伊予の国、愛媛県へ向かいます。つまり瀬戸内海を渡って四国へと旅を進めるのです。18時ちょうどに呉を出港するフェリーに乗っていきたいと思います。それまでの間、広島県を観光することにしましょう。昨日も書いたように、本日の元々の予定は尾道からしまなみ海道をサイクリングして今治へ渡る予定でしたが、緊急事態宣言の発令により叶わなくなってしまいました。今夏で1番ショックな出来事でした。現在進行形で高校の友達がこちらに向かって旅行をしており、彼らと尾道で合流して、みんなでサイクリングする予定だったし、そのために1ヶ月以上も前から日程を調整し、計画していたがために本当にショックでなりません。

防府をスタートして、まずは山陽本線岩国行きに揺られて東を目指します。家の最寄りの歩道橋より訪れる頻度が多いでお馴染み錦帯橋ですが、流石に今回はパスします。流石に1年に3回も4回も行く必要はありません。岩国の手前、大畠という駅で降りて、瀬戸内のハワイとも称される周防大島観光をする計画も前日まではあったのですが、昨日僕が夜寝る直前、今日の夜に松山で高校の友達と会う約束をしていることをど忘れしていることに気づき、急遽周防大島を取りやめて、広島観光に計画変更したのでした。曜日感覚が狂っているので、変な勘違いをしていましたね、危ない危ない。

ということで岩国で乗り換えて、まず下車するは宮島口駅。山陽本線、乗り慣れすぎて、もう乗っているだけで安心できます。乗るたびにいつも思うのですが、この黄色い車体、だし巻き玉子かなんかに見えてお腹が空いてしまいます。今から行く宮島ですが、この旅で日本三景をコンプするためだけに訪れると言っても過言ではないです。宮島は今回の訪問で人生3度目となるのですが、その3回ともこの1年以内の訪問ですし、3回とも青春18切符で宮島フェリーに乗っていますし、3回とも大鳥居は工事中でした。また、3回とも金がなさすぎて、名物のあなご飯は食べることができていません。何はともあれ、宮島フェリーに乗って、鹿を観察して、工事中の鳥居の写真を撮って、もみじ饅頭を買ってフェリーで戻るという、もはや作業と化した観光ルーティンをこなしていきます。

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いつもと違かったのは、鹿の数が少なかったことと鹿に立派な角が生えていたことくらいでしょうか。前回の訪問で揚げもみじ饅頭を食べて美味しかったので、また食べようかと思いましたが、まだ9時台でしたのでほとんどのお店は閉まっていました。去年の夏、最初に来た時は大鳥居が工事中でがっかりしていたところ、観光案内のおばさんが140年に一度しか見られない光景だから逆に珍しいよ的な慰めをしてきましたが、僕はその珍しい光景を人生で3回も見ているので、もはや何も感じません。そもそも死ぬまでに完成した鳥居を見ることすらできるか怪しいのに何をしているんでしょうか。

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そんな宮島観光を経て、同じ1つの連続した旅行で日本三景を制覇することができました。仙台の友達と見に行った松島観光、どんよりとした雲の中、リフトに乗って股覗きを見ることを諦めた天橋立に引き続き、無事広島の宮島にも来ることができましたので、結果オーライです。再び山陽本線に乗って広島を目指します。

広島駅の1駅手前、新白島という駅で下車し、歩いて原爆ドームを見に行くことにしました。この後の旅程の関係上、広島での滞在時間を1時間半に制限するしかなかったので、少しペースアップして街の中を歩かなければいけません。この新白島駅は「アストラムライン」というかっこいい名前の地下鉄のような交通機関との乗り換え駅にもなっています。しかもそのアストラムラインの新白島の駅舎が面白く、楽器のオカリナみたいな見た目をしています。

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新白島から歩いて15分くらいのところにある原爆ドームを見てきました。この建物の直上600mの高さに、太陽の表面温度の2倍以上の温度のする物体が突如として現れ、破壊的な熱風と共に爆発しました。そんな爆風を耐え抜いてきた力強さをオーラで持って体感できるこの建物の果たす役割は、この世の終わりまで語り継がれてほしいと思います。原爆ドームからは路面電車に乗って広島駅に向かいます。流石にこの暑い中、30分も歩くわけにはいかないので、熊本や鹿児島の時とは異なり路面電車に課金します。

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広島駅も現在駅舎を立て直している関係で、駅前の広場には大量のクレーン車が忙しくクレーンを振り回しています。去年の夏に広島に来た時とは大違いで本当に何も無くなっていてびっくりしました。前回は駅ビルの地下のお好み焼き屋に行ったのですが、今回は10時からやってるお好み焼き屋が駅前のビルにあったので、そこにしました。まあ、どこで食べても同じでしょう。言わずと知れた広島風お好み焼きは普通のお好み焼きの下に麺が配置されており、食べ応え十分のご当地グルメになっております。大阪はどうだか知りませんが、広島風のお好み焼き屋は目の前の鉄板で調理してくれるイメージがあります。キャベツやら豚肉やら生卵やらが手際よく焼かれていく様は見ているだけでもお腹が満たせます。

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11時5分頃に注文したのですが、11時半に広島駅を出る呉線直通の快速に乗らなければ、松山到着が22時を回るでしょう。出てくるのにそんなに時間がかからなかったのですが、運ばれてきたこのお好み焼き、パッと見、ボリュームが小さいように見えるかもしれませんが、舐めてはいけません。しっかりと立体感があって肉厚で食べるのにも少々手こずりますよ。舌を火傷しながら食べ終わったのが11時25分。出発まであと5分です。

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工事中の駅構内をくねくね歩いて改札を通り抜け、無事目的の列車に間に合いました。広島風お好み焼きはとてもおいしかったです。まあ、美味しいに決まってますよね。広島からは呉線で忠海(「ちゅうかい」ではありません「ただの、うみ」です。)という駅を目指します。竹原から三原の間、ここも昨日の厚狭厚東間と同じく豪雨災害による代行バスが走っています。このことは計画を立てた段階では知りませんでしたが、在来線との接続が良く運行されていたので、問題なく元々立てていた旅程で過ごせそうです。竹原でバスに乗り換えて、忠海で降ります。

忠海からはフェリーに乗り換えて10分ほどの大久野島という島を訪れます。この島は戦時中は毒ガスの研究施設があった場所ですが、現在は島のあちこちにうさぎが生息する大変平和的な島となっています。観光客の数も多かったです。島まで往復720円の切符を買って、うさぎの餌を買ったら乗船準備完了です。

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到着すると早速ベンチの下にうさぎを発見します。他のうさぎも木陰で涼んでいるうさぎが多く、浅い穴を掘ってそこに手を置いて休むうさぎの様子は、枕の下に手を突っ込んで寝る人間のそれと似たようなものを感じます。餌の袋を開ける前からうさぎたちが寄ってきてかわいいですが、そんな簡単に袋は開けません。ちょっとくいっくいっと袋を持ち上げて意地悪するくらいが楽しいでしょう。地面には他の観光客が撒き散らした餌が食べ切れないほど散らばっており、うさぎたちにとっては暑い中、もはや食べる気力さえ湧いてこないのに、餌だけは常に供給され続けるという地獄絵図を体現しています。

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その中でも食欲旺盛なうさぎは前足をあげて、餌を求めようとするので、そういううさぎにはどんどん餌をやります。途中、うさぎに見惚れていると時間を忘れてしまうことができますが、船の時間はちょうどうさぎに飽きてきたくらいの1時間半後くらいに忠海に戻る船でしたので、ちょうどよかったです。忠海に戻ってきてからは、本日の最終目的地松山に向けて、鉄道と船を乗り継ぎます。

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呉までは呉線、呉からは瀬戸内海汽船にクルーズフェリーに乗って2時間かけて松山観光港を目指します。この航路、実は利用するのが今回で2回目なのですが、前回はジェット船だったのでフェリーは初めてです。思ったより立派でかっこいいフェリーが来ましたよ。ディズニーランドで運航していてもバレないくらいの外観です。船内にはゴロゴロできるスペースや屋上の展望デッキもあり、瀬戸内海に沈む夕日を見ながら、本格讃岐うどんを食べることもできました。最高です。

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港についてからは、高浜という駅から伊予鉄に乗って松山駅に向かい、仙台であった高校の友達と合流します。途中、松山の大手町の有名なダイヤモンドクロッシングを通過した時に車内で一時的に5秒くらい停電が発生したのが、伊予鉄っぽくて好きでしたね。おそらく、明日はこの旅で最もゆったりとした1日となる予定です。暗くなった松山市内を歩いて快活クラブにたどり着きました。

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