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【青春18で行く】鉄道唱歌1人旅(東海道編第52番〜第55番)

52番

神社仏閣山水の 他に京都の物産は
西陣織の綾錦 友禅染の花紅葉

京都を去る前に、あと2番だけ京都について歌われます。52番では言わずと知れた京都の伝統工芸品を触れ、次の53番では、京都を惜しみ、土産を手にして京都を後にしています。これで46番から歌われた京都も終わりです。

53番

扇白粉京都紅 また鴨川の鷺知らず
土産を提げていざたたん 後に名残は残れども

最後に大阪の友達へお土産を買って行きました。お土産には抹茶の生八ツ橋を選びました。名残は残れども、いざ大阪に向けて列車を乗り継ぎます。ゴールも近くなってきました。

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54番

山崎降りて淀川を 渡る向こうは男山
行幸ありし先帝の 賢き跡ぞ忍ばるる

京都を出て、桂川を渡り、京都線という名の東海道線を何駅か進むと山崎駅に到着します。

淀川とほぼ平行して移動することとなる京都線ですが、山崎駅を過ぎた辺りで川を越えたその対岸に、日本三大八幡宮でも知られる石清水八幡宮が位置しています。かつて大正時代までは「男山八幡宮」と呼ばれており、幕末の大動乱の時代、歌には「先帝」と歌われる孝明天皇が攘夷を祈願し、各地を行幸した歴史について歌っています。

鉄道唱歌とは全く関係ないですが、京都線の高槻摂津富田間で車窓に巨大な板チョコが登場するので、通るときは北側の車窓に注目しといてください。

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55番

淀の川舟竿を指して 下りし旅は昔にて
瞬く暇に今は行く 煙絶えせぬ陸の道

かつて江戸時代にはこの淀川を伝って京都から大阪を結ぶ「夜行川舟」のような渡しが、現在の夜行バスと同じようなノリで存在していました。

この歌詞を最初に聞いた時、「陸」と書いて「くが」と読む歌詞に、鉄道の特別感が醸し出されていていいセンスだと思いました。

今では新快速に乗れば30分足らずで移動できる距離を夜な夜な進んでたどり着いたという過去と比較した時、相変わらずこの200年での交通機関の進歩には、ほれぼれします。南禅寺のときの歌詞もそうでしたが、鉄道唱歌でたびたび登場する技術の進歩を見せつけてくる感じから、富国強兵をスローガンの下、国を挙げて世界に挑み続けた日本のかつての国民性を覗えます。

江戸時代の人が令和の日本に舞い降りて、現在の技術の進歩を見たらどう思うでしょう。「新幹線」という弾丸列車が整備され、空には飛行機が飛び交い、道路を自動車が大量に行き交っています。わざわざ移動しなくても電子機器を介して聞こえてくる遠く離れた人の声、スクリーンにはその人の顔も映し出されています。もはや交通での移動そのものの必要性が再考される時代に変わりつつある令和の日本でも、かつて徒歩で行き来していた過去を踏まえた技術の進歩の有難みというものは忘れてはならないと思います。

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最終回っぽい内容になってしまいましたが、これから大阪観光が始まります。大阪に到着した時刻は15時半過ぎです。ここから、大阪城、四天王寺、あべのハルカス、道頓堀、通天閣、USJと定番の大阪観光ルートを半日で全て回ります。当たり前ですが、こんな行程は一人旅でしかできません。少し無茶できるということが一人旅のいいところの一つです。大阪をじっくり堪能しましょう。

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