中国山地ローカル線の旅。(最長片道切符の旅22日目)
こんにちは、今日は広島をスタートして、中国山地の山間部をさまよい、再び日本海側へと抜ける1日です。今日も、昨日に引き続き、朝と夜はデラックスな日となりますので、その様子、具に紹介していきます。
目覚めの良い広島の朝
広島で宿泊しているホテルは、平和記念公園の近くにある「THE KNOT HIROSHIMA」というオシャレなホテルで、立地が立地だからなのか、ホテル内の装飾が外国人観光客向けなリッチな感じがします。
まず、フロントが14階なやたわわななにある時点で、なんだか格上って感じがしますが、気のせいでしょうか。モーニングを1階のレストランで8時からいただきます。
いつも朝の5時とかから活動を開始して、コンビニのおにぎりとかで朝ごはんを済ましている日と比べたら、これだけで2、3日分の食費がまかなえそうな、そんな贅沢なモーニングでした。
食べ終わったら、朝の散歩ということで、せっかく公園も近いことですし、ぶらっと歩いてみることにします。
広島ですね。あの日、頭上わずか600mのところに、太陽の2倍の温度を発する物体が突如として現れました。原爆ドームを見て思うことは人それぞれありますが、履き違えてはならないのは、「これだけの建物がこんなにも破壊される威力だったんだ。」という感想ではなく、「逆にこの建物以外、この街に残されたものは何もなかったんだ。」と、捉えなければいけないということだと思います。
週の初め、月曜日ということもあり、街を行き来する自転車や車、バス、路面電車が当たり前かのように日常生活を成り立たせている。でも、広島市民の頭のどこか片隅には、この街には、そういう過去があるという意識を、少なからず根底に持っていると思います。
その根底あってこその、今の日常であり、暮らしであり、広島がある。そんなことを考えながらの朝の散歩でした。
ホテルをチェックインして、広島駅へ向かいます。
日本一の赤字路線
これから乗る路線は芸備線という路線で、一部、日本一の赤字を叩き出してる区間を持っている路線です。赤字路線ですよ。「日本一の赤字路線」と聞いて、そんなローカル線の車内を想像してみてください。
まあ、誰も乗っていないような空気を運んでいるような、そんな車内を想像するかもしれません。では、実際はどうだったか、見といてください。
次の列車まで1時間ほどあるため、三次の街をぶらっと、歩いてみることに。
人と鉄道が落ち合う駅「備後落合駅」
この三次から備後落合は、満員電車でずっと立ってる羽目になりました。これが日本一の赤字路線です。ちょっと理解に苦しむ、驚くべきことだと思うのですが、青春18きっぷユーザーが9割以上で車内は蒸し暑いくらいでした。
備後落合駅は芸備線の上下線と、宍道から伸びる木次線が落ち合う駅で、駅名からもそのように解釈できますね。
ちょうど、訪れた14時台は、その3方向の路線から列車が集まる時間であり、1日の中で唯一(?)、備後落合駅が賑わうときなのです。昔は駅員さんが100人以上も寝泊まりするような大規模なターミナルだったようですが、今では駅員さんの人影もありません。
ホームにはホームドアを設置した方が良いほど、人が溢れかえっていましたし、ほとんどの人が鉄道マニアの方で地元の人は5人くらいだったと思います。
ここから向かうは、新見方面の備中神代駅。しかし、今回は先を急ぐため、その2駅先の新見駅まで行って特急に乗ります。昨日行った駅ですね。
島根の温泉地へ
新見からは特急です。本日の旅館は松江の先の玉造温泉。
人生でまだ温泉旅館というところに泊まったことがあるのは、片手で数えられるほどしかないですので、今回の宿泊は自分にとって貴重な経験になりました。
今回宿泊させていただいたのは、玉造温泉の中でも、日本一の混浴露天風呂を持つ「長楽園」という旅館です。
なんだかすごいところに来てしまいました。
温泉の前に、夕食のお時間です。
貧乏旅行の最中に、これだけの贅沢を経験することになるとは思いもしませんでしたが、これだけ貧乏を経験したあとだからこそ、この食事がより一層輝いて見えました。
幸せの定義は、人によって異なりますが、欲しいものが全て手に入ってしまうほどつまらないことはないように、苦労を経験したからこそ、実感できる本当の贅沢があるような気がします。
この後は、プールのように広い混浴露天風呂に入り、眠りにつきました。寝る前に、部屋の電気を全部消すのに、何箇所もスイッチを探していると、改めて、今自分は物凄い部屋に泊まっているのだ、ということが確認できました。
今回の宿泊は、貧乏旅行の最中にしたからこそ、本当の贅沢を知ることができたように思います。
明日は、ほぼ本州最終日、山口県へと旅を進めます。
稚内から9298.2km / 肥前山口まで1662.3km
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