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【青春18で行く】鉄道唱歌1人旅(東海道編第32番〜第34番)

32番

鳴海しぼりの産地なる 鳴海に近き大高を
下りて凡そ一里半 ゆけば昔の桶狭間

岡崎駅を出て、青春18きっぷの旅3日目がスタートしました。次に歌に出てくるのは「鳴海」という地名ですが、鳴海駅というのは名鉄名古屋線の知立、前後のさらに先にあります。そこが、名鉄と並行して走っている東海道線では、ちょうど大高駅に当たるのです。

3日目の最終目的地である京都まで、割とかつかつな予定を立てて来ていたため、ルート変更は許されない状態だったのですが、この日の朝は寝ぼけていたのか、名古屋に着くまでに2回ルートを間違えました。単純に東京の人間が、名古屋の地理に慣れていないだけかもしれません。

最初の目的地、桶狭間古戦場公園は大高駅からバスで行けるのですが、どうも調べたバスが走ってないことに気づき、最寄駅である南大高駅まで1駅後戻りして、そこから走って行くことになりました。

なぜ走っているのかというと、古戦場公園の近くのバス停から乗れば、名鉄の有松駅に行くことができ、ここで生じた遅れを取り戻すことができるからです。

慣れない地名が立て続けに登場して、あたふたしているうちに公園に到着しました。

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この公園には今川義元と織田信長の像があることで知られているのですが、この日の朝は地元の清掃委員会的な人たちが一生懸命、銅像をゴシゴシしていました。その様子を写真に撮る僕に対して、不思議そうな顔でカメラ目線で写ってくれるおじさんはマスク越しですが、笑っていたのがわかりました。

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ということで、謎にルートを間違えて、謎にジモティーな道を走り回り、謎に掃除されている織田信長を観光した、本当に謎めいた朝でしたが、有松駅から乗車してホッとしたのか、この後さらにルートを間違えます。

33番

めぐみ熱田の御社は 三種の神器の一つなる
その草薙の神剣 仰げや同胞四千万

次に向かうは熱田神宮なのですが、もともと東海道本線での移動を考えていたため、名鉄の何駅で降りれば、熱田神宮に効率よくアクセスできるのか、よくわかっていませんでした。

名古屋に近づいた、とある駅を発車したその瞬間、その停車していた駅が「神宮前」駅であることに気付きました。ドアが閉まった後「神宮って熱田神宮のことか」と悟り、金山駅から、また1駅逆戻り。神宮前駅から熱田神宮を訪れることにしたのです。

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熱田神宮は唱歌にも歌われる通り「三種の神器」の1つである「草薙の剣」があることで知られています。焼津でも歌われたやつですね。あとは神宮の敷地内にニワトリが飼い慣らされているという情報もあったのですが、見当たりませんでした。

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熱田神宮の次は遂に名古屋駅です。

34番

名高き金の鯱鉾は 名古屋の城の光なり
地震の話まだ消えぬ 岐阜の鵜飼も見てゆかん

名古屋に到着しました。人生初の名古屋での下車です。今回の訪問は時間がないため名古屋城を見るのみにします。ということで早速地下鉄に乗って城に向かいます。東京を出て以来の大都会に圧倒され、駅前の交差点を縦横無尽に行き交う交通量の多さに驚きを隠せません。

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歌にも歌われる「金の鯱鉾」は名古屋城のシンボルたる存在です。名古屋城から金の鯱鉾を除いたら、もはや何も残らないと思います(そんなことない)。僕は重度の城マニアのでは決してなく、知識も乏しいのですが、この唱歌旅をしているうちに太平洋ベルト上に位置する城をほとんど制覇してしまいました。

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唱歌に出てくる「地震」とは1891年、丁度この歌が誕生する9年前に発生した濃尾地震のことを指します。感覚的には2021年の人間が2011年の東日本大震災を思い出すのと似ているでしょう。歌に歌うことで記憶から風化されることを防ぐという心理は今も昔も変わらないのかもしれません。

岐阜の鵜飼は夜しか行われないので、この旅ではスルーします。また次の機会を楽しみにしたいです(きしめんも)。

相変わらずお昼ご飯を食べ忘れていますが、いつものことなので流れに身を任せて先を急ぎましょう。どうやら岐阜県南部の雲行きが怪しそうです。

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