房総半島の先っぽへ初日の出を見に行った。
2022年1月1日、午前0時50分。両国駅を臨時の特急「外房初日の出号」が出発します。今年はこの列車から始まりました。
深夜の墨田区を小走りで
実は浅草で年越しカウントダウンをしてから、ここまで歩いてきたのですが、友達が集合時間を10分遅れたためにかなりギリギリに駅に到着しています。年越しの瞬間のスカイツリーの演出は、それはそれは凄かったですよ。
両国駅の構造は知っている人は知っているかもしれませんが、通常のホームに加えて、臨時のホームが一段低いところに設けられています。今回の列車はそのホームからの発車で、なかなかに周りもバタバタしていました。
車内で高校の友達7名と合流(異常な高さの集合率)。ここから外房線の「千倉」という駅まで2時間半くらいかけて移動します。両国を出ると、錦糸町、船橋、津田沼、千葉、蘇我と停車し、千葉県を東へ進んでいきます。蘇我を出ると、安房鴨川まで長い間ずっと走り続けます。
列車ホテル(仮)
午前3時30分、千倉駅へ到着です。
千倉が一体どこなのかというと、地図上で表すと、だいたいこの辺です。館山から2駅隣ですね。
日の出まであと3時間以上ありますが、ここで列車から追い出されて寒い中、海岸で待機する必要もありません。実はこの列車、6時くらいまで待合室代わりに開放されているのです。
少しの間、2時間ほど座席で仮眠を取ります。深夜のホームってなんかワクワクしますよね。寒いのが分かっていながら、カメラをもって写真を撮りたくなってしまいます。
5時半ころ、駅から15分くらい歩いたところの海水浴場へ移動を開始します。
月に見惚れて海へ歩く
真っ暗の中、地図を見て海へと向かいます。まだ日の出の時間まで1時間以上あるというのに、東の空はうっすらと明るくなっています。完全に真っ暗な状態から明るみへ向かう終始を全て見たかった僕からしたら、「なんだよぉ!」といったところですが、太陽は明るいのでしょうがありません。もうこの時間から明るいのです。
そんなことより、東の空にある細長い月が本当に美しい。海岸に着いたら、地面にカメラを置いて、望遠を利かせて月を撮ります。
特に、月の輝いていない大部分をカメラに収めることができるとテンションが上がります。たしかに、うさぎの模様が確認できますね。
焦らす太陽と輝く波
6時を回ると、徐々に人が増えてきます。こんなに寒い中、どこから湧いてくるのかわかりませんが、砂浜にはいつのまに大量のシルエットが出てきます。しかし、太陽はなかなか出てきません。確実に空は明るくなりつつありますが。
太陽を待っている間は、防寒対策してきましたが、流石に指先、つま先が凍りそうになるほど、寒いです。指先はどうにかできますが、つま先は冷え込むばかり。そこら中を駆け回りたくなります。
そんなこんなで海を眺めていると、今度は波の美しさに気が付きます。
ピントを合わせるのが難しいですが、陽光に照らされてどこか神秘的な光方をしています。しぶき1滴1滴が輝いて、見れば見るほど美しかったです。水面に反射してきらめいている様子も極めて美しいです。
そして、ついにその時が来たようです。
御来光
雲の間から一筋の光が見えたかと思うと、
今度は、太陽そのものが姿を現しました。若干、雲が多いですが、これくらいが丁度、見る者を楽しませてくれるのかもしれません。
太陽なんて毎日昇ってくるもんだろ。と思っていましたが、やっぱり年の最初の太陽を房総半島の先端で見るからこそ、特別感があり、めでたさも多少感じるところであります。
放射冷却で冷え込んだ朝に海面で発生する「けあらし」という神秘的な現象が観測され、差し込む光が海面からの湯気のようなモヤモヤを通して、際立って見えます。波のしぶきも高く上がり、今自分はスゴイものを見ているんだ!という高揚高い気分になりました。
ここまできたら、いつもの海で見れる太陽と大差ありません。寒いし、帰りの電車も近づいているので、すぐに引き返しました。帰りのコンビニで飲んだ味噌汁が、死ぬほど体に沁みました。肉まんも美味しかったです。
来年の初日の出はどこから見ようか、そんなことを考えながら帰りの電車の中で眠りについた家路でした。
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