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20歳の夏休み全部使って日本一周してみた(36:大阪〜名古屋〜京都〜大阪)

第36日目

目が覚めて、スマホの時計を見ると9時23分でした。ここにきて盛大に寝坊です。まあ昨日の夜、友達と喋っていたら2時とかになってしまったのが原因であることは明白すぎることなので、
反省しようと思えばできるのですが、この旅もあと2、3日で終わりますし、こういうことができるのも今日の予定がゆるくて、そんなに影響がないので、スロースタートしていきましょう。久々に寝坊という日常生活でよくあるようなシチュエーションになってしまい、逆に高揚高い気分になります。ここ1ヶ月はずっと朝早起きして、朝から活発でしたから、こういう日がとても新鮮に思えます。

そんなこんなで今日は元々岐阜城や長良川の鵜飼などを見物する岐阜観光をする予定でしたが、見事にコロナで中止していることか前日の夜に発覚するというリサーチ不足をかましたので、急遽予定がなくなり、青春18きっぷも1日分しか残ってないことを考えると、東京方面の移動は高速バスで行くとして、今日最後の1日分を使ってしまおうという判断になりました。高速バスは京都や名古屋から出ている東京行きのバスに乗ると距離が中途半端になってしまうせいか、なぜか料金が中途半端に高いので、今日の夜も大阪の友達の家へ泊まり込むとし、大阪発着の日帰り名古屋岐阜滋賀京都観光をする1日としました。

ということで、9時半を回った京都線に乗って、東へ目指します。この旅で1番遅い時間のスタートです。まあ、本来旅行はこのくらいゆったりしているものだと思うのですが、青春18きっぷを使った旅行は毎朝が戦争状態ですので仕方ありません。その理由は今までも、ここに何回も書いてきましたね。高槻で新快速に乗り換えて、どんどん東へ進みます。鉄道唱歌旅の時にもこの区間を走ったのですが、あの時はちまちま途中下車を繰り返していたため、普通列車でも新快速でも快速でもなんでもよく、新快速のありがたみをあまり感じなかったのですが、高槻から米原などの長距離の移動となると、びゅんびゅんと速度を上げて走ってくれる新快速のありがたみというものをフルで感じることができます。

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すぐに京都を通り越して、山科、大津、石山と走り、車窓から見える琵琶湖上空の夏らしい雲を眺めていたら、気づかないうちに列車はもう彦根を出て、終点の米原が目前です。米原からは乗り換えて、東海道本線、名古屋方面へ向かいます。まず下車するのは、今は廃止されてしまいましたが、「走る強制収容所」でお馴染みムーンライトながら号の終着駅で知られる大垣駅です。

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ムーンライトながらのイメージが色濃く残るためか、あまり大垣という場所について何が有名か知られていないと思うのですが、この街は水の都として知られています。駅前にある老舗の金蝶園という和菓子屋では有名な水まんじゅうが売られています。泊まらせていただいている大阪の友達にもお土産として、また抹茶のカステラも安く売られていましたから(切れ端だからとは口が裂けても言えない)、そちらも購入して甘党の彼を喜ばせてあげましょう。

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注文した水まんじゅうも店内でいただけます。水々しい緑茶と氷の盛られた2つの水まんじゅうが可愛らしくお皿に収まって、机に運ばれてきました。店員さんに氷はどうやって食べるのですか?と聞いたところ、やはり少し時間を置いて解けるのを待つのが正解らしいです。2〜3分待って半分くらい液体になったのを確認したら、氷から掘り起こしてつるんつるんしたまんじゅうを口に運びます。こんな和菓子、相当水が美味しいことに自信がないと作れませんよね。さすが水の都、大垣です。

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駅前のロータリーには、その豊富な水の多さを見せびらかす水路が構えられており、水が流れているはずなのですが、何故か知らないですけど1滴も水が流れていません。僕の勘違いでなければ、本来ここに水が流れていると思うのですが、ものすごい勢いで干からびています。しかし、ここは紛れもなく大垣ですので、水の流れる音を頑張って脳内再生しながら、次の名古屋方面への東海道線に乗り込んでいきます。

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名古屋駅に到着しました。名古屋も前回、鉄道唱歌旅で訪れましたが、名古屋城だけを見て、すぐに岐阜に向かったので、まともに名古屋観光をするのはこれが初めてです。せっかくですので、まずは歩いて街を散策します。駅の地下デパで先日、伊勢にて売り切れで食べることが叶わなかった赤福を購入し、この後オアシス21を見に行くので、そちらでいただきます。そのオアシス21までは駅から歩いて30分ほど、名古屋の街中を歩いて向かいます。駅にあるこの高い二つのビルは、たしか建物としては一つにつながっており、日本で1番底面積のある建物だったと思います。写真左の画鋲をひっくり返しておきましたみたいなやつはよくわかりません。現代アートか何かでしょう。

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話には聞いていましたが、名古屋の道路は多いところで片道5車線の道があり、東京ではありえない広さの道で都市計画がなされております。これは土木マニアの僕が見ても心の底から興奮する光景で、行き交う自動車たちが縦横無尽に交差点を走っているのを見ると、名古屋とはすごいところだなあとつくづく思います。

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先ほどからちょくちょく登場しているオアシス21とは何なのかというと、簡単に言うとパブリックスペースにデザインされたサンクンガーデンの類です。サンクンガーデンって何だよってなるかと思うのですが、英語にすると「sunk in garden」と表記されます。聞き慣れた日本語に訳すと「半地下広場」などになると思います。大学の授業で公共空間のデザインについて学ぶ授業があったのですが、その授業で新しく自分たちでデザインを考えるとき、最初に参考にしたのが、このオアシス21でした。他にも仙台市の地下鉄にある泉中央駅の駅前広場や姫路駅のサンクンガーデンなども参考にさせてもらったりと、とにかくこのサンクンガーデンとは接点が多く、ついつい目が行ってしまう対象であるのです。

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しかもこのオアシス21は、ただのサンクンガーデンではなく「水の宇宙船」と呼ばれる屋上広場も併設されており、地下、地面、地上をつなげる面白い構造をしています。最初にこのデザインを思いついた人は天才なんですかね。極めて近未来的なデザインで名古屋を象徴する広場になっていると思います。ずっと行きたかった場所なので、今回訪れることができてよかったです。最近は、もはやあるあるとなったその場所をローマ字表示させたオブジェも近くに置かれており、この写真1枚に名古屋要素をふんだんに盛り込めることができます。

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楽しみにしていた赤福はたしか餅の上に載っているあんこの形が五十鈴川の水の流れをイメージして作られているか何かだった気がしますが、美味しさももちろんのこと、食べる前のその佇まいから美味しさが伝わってきます。昔小さい時に食べた記憶はありますが、まともに物心がついてから食べるのは初めてのような気がします。もちろんおいしかったのですが、木のヘラみたいなので餅をぶっ刺して、あんこを崩して食べることがそもそも食べ方としてあっているのか終始疑問でした。美味しさよりも美しいそのあんこのフォルムを崩してしまう罪悪感の方が大きかったように思います。誰がこれの綺麗な食べ方を知っていますか?

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列車の発射時刻が迫り、急いで食べなければいけないときは、一旦水につけて、麺を冷やしてから再び汁の中に戻して味をつけて食べるでお馴染み名古屋のきしめんを駅のコンコースにある店でいただこうと思います。地下鉄で名古屋駅に戻ってきて、ずっと楽しみにしていたきしめんとご対面です。1杯670円とうどんにしては割高だなと思っていたのですが、運ばれてきたきしめんのお椀は想像以上に大きく、非常に食べ応えがありました。駅のホーム上にある立ち蕎麦屋的なところで食べれば、さらに安く食べることができると思いますから、今度来たときはそっちでも食べてみましょうかね。これで名古屋でやり残したことはありません。京都方面へと帰りましょう。

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名古屋から来た道を戻っている時、今日来たように米原から彦根、草津と帰るのもよかったのですが、それでは滋賀県を素通りしてしまうような感じがして退屈だったので、今日で青春18きっぷを使って旅行するのも最終日でありますし、せっかくなら琵琶湖を一周して京都へ向かうことにしました。相変わらず思いつくことが頭いいんだか悪いんだか、よくわかりませんがこれといって滋賀県で行きたい場所はパッと思いつきませんし、夕方を過ぎると神社仏閣も営業時間を終了してしまうので、辿り着く頃には目的地が閉まっているという現象が起きてしまいかねません。しかし、この選択をして出会えた美しい車窓がこのあと登場するので、いい選択をしたなと思います。ということで米原で乗り換えて長浜、敦賀方面へと列車を探します。

僕は琵琶湖のサイズを過大評価していたらしく、長浜とはもっと北の方にあり、米原から列車で1時間ほど乗らないとつかないかと思っていましたが、ほんの10分ほどで到着してしまいました。そこから乗り換えて近江塩津へ向かいます。到着した近江塩津で乗り換えることになっていて、乗り換え案内のアプリでは到着後3分後の播州赤穂行き新快速に乗れと書いてあったのですが、下の写真を撮影をしていたら、乗り遅れてしまいました。乗るべき列車は写真の右に写っている列車です。しまった、やらかしたと思いましたが、この列車、今来た道を米原まで戻り、彦根、草津、ともどる僕の希望にはそぐわないルートを辿る列車でしたので乗らなくてよかったことだとわかりました。

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僕の行きたいルートで走ってくれる列車も10分後くらいに到着して、無事近江塩津から出発することができました。今から乗車する湖西線はほぼ全ての区間が高架化されていると思います。その構造のおかげでこの時間帯、沈む太陽に照らされた乗車中の列車の影が、車窓から見える旅情満載な光景を見ることができました。また夕暮れ時の琵琶湖も大変美しく、青春18きっぷラストの日に相応しい車窓です。これまでずーっと日本中の車窓を見てきましたが、これでもう夕暮れ時の車窓を見れるのも最後かと思うと、とてもしみじみします。初日に成田線で見た銚子からの夕焼けがとても懐かしく思います。こうやってピンポイントでその日の出来事を思い出すと、とても昔のことに感じられるのに、ここ1ヶ月の思い出を俯瞰的に振り返ると一瞬の出来事だったように思えるのは、どこにその齟齬の原因があるのでしょう。不思議な気持ちになります。湖西線は素敵ですね。また好きな路線が一つ増えてしまいました。まもなくして京都に到着です。

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路線バスの運行が豊富で、団子状態になって走っているため、連続して到着するバスが、実は時刻表の1本後のバスだけど、さも定刻通りに着きましたみたいな顔してやってくるでお馴染み京都は前回の鉄道唱歌旅でたっぷり観光しましたし、この時間にやってる神社仏閣はないので、駅前の喧騒を味わって京都に来たことだけを確かめたら、再び大阪の友達の家に向かうことにしました。

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京都駅中央口は有名ですが、改札を出て左にずっと階段が続いていることはご存知でしょうか?この階段をずっと登ると12階の展望台に行けるのですが、現在は立ち入ることができません。このような場所を通行止めにしている理由などに疑問を抱き続けたら、日が暮れるどころか、この世が暮れるのでやめにしますが、これが正しい感染予防になっているのか、本質を突いた対策を講じて欲しいと切に思います。

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このように長い長い階段とエスカレーターが設置されており、この写真の裏側に更にもう1階上の展望台に続く階段があるのですが、バリケードが設けられています。僕と同じように長いエスカレーターを登ってきたカップルも通行止めのバリケードを見て絶望していました。でもこんな高いところまで階段を設けちゃうセンスと大屋根のデザインは素晴らしいと思いますよ。京都に来たら毎回来てしまいます。ガラス張りの駅舎に映る京都タワーのライトアップも、見るといつも京都に来たなぁと思います。

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今日は久しぶりにその日にあったことをその日に書いて、その日に投稿できました。あと初めて字数が5000字を超えた気がします。記録用に残しているこのnoteを毎日楽しみにしてくれて、疑似日本一周をしてくれた人も読んでくれた人にはいるんじゃないかと思います。旅が終わったらまた詳しく書こうと思いますが、長かったけど短かった1ヶ月半でした。朝9時半までぐっすり寝たからか、今日はそんなに疲れていません。まあそもそもそんなに体を動かしていないのもそうかもしれませんが、明日はついに大阪を離れ、関東へ帰ります。久しぶりの関東で、逆にワクワクします。旅もフィナーレに近づいていますね。

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