マガジンのカバー画像

船で行く卒業旅行

7
運営しているクリエイター

#卒業旅行

06島んちゅな一日

06島んちゅな一日

3月14日(木)晴れのち曇り

4時半くらいにアナウンスがかかり、電気もついてるため自然に目も覚めた。周りの乗客も奄美・名瀬港で降りるのか、バタバタとしている。

まだ外は真っ暗だが、かすかに島の明かりがぼんやりと窓の外に見える。とりあえず着替えて荷物をまとめて船の外に出る。南国かと思って舐めていたが、日の出前は流石に寒く、体が震える。

島についてからは、「島人マート」というご当地コンビニに行こ

もっとみる
05桜島に見守られながら

05桜島に見守られながら

3月13日(水)晴れ

船旅の連続だと快適なwifi空間に一向にありつけないため、写真整理などが追いつかないという難点がある。日々写真は溜まり続ける一方だ。

写真を見て、旅の途中にその旅についてのアウトプットを生み出すことにどれだけ生産性があるかと問われれば、はっきりと首を縦に振ることはできない。それでも、せめてものリアルな感覚を言語化して、こうして文章に残しておきたい。

とか言いながら、この

もっとみる
04雨の中さらに西へ

04雨の中さらに西へ

3月12日(火)雨のち晴れ

台風か何かを連想させるような強い雨だった。カレンダーを見て、そういえば今はまだ3月だったとなるような土砂降り。

12:30に予約した大阪城周辺の水上バスクルーズに向けて移動を開始する。久しぶりにスローな朝だった。

大阪の交通には明るくないが、中之島や天満橋、八軒家浜のあたりが昔から水の便で栄えたらしいという事前知識はある。とりあえず大阪城公園に向かう。

雨足は変

もっとみる
03分水嶺を越えて

03分水嶺を越えて

3月11日(金)晴れのち曇り

朝まだ暗い時間に船内アナウンスが鳴り響く。寝ぼけ眼で船を出て、バスに乗り、5時55分ごろには敦賀駅に着いた。

大洗から苫小牧、小樽から新潟、新潟から敦賀と続いてきた海路もここから先、日本海の航路はなく、次なる目的地は大阪である。しかしせっかく敦賀に来たのだ。5日後に控えた新幹線開業前の北陸を今日は巡りたいと思う。

ということで、敦賀駅で青春18きっぷを購入。金沢

もっとみる
02新潟での暇つぶし

02新潟での暇つぶし

3月10日(日)雪のち晴れのち雪

この船は9時過ぎに新潟港に着く。今日の予定は16時半に再びこの港に戻ってくるまで、新潟で時間を潰すのみだ。

まず港を出て向かうところは、万代バスセンターである。新潟のB級グルメに成り上がったバスセンターのカレーを食べよう。

さてさて、時刻は10時過ぎ。目当てのバスセンターに着いたのだが、やはりすごい行列。みな黄色いカレーを前にして、一生懸命もぐもぐしている。

もっとみる
01日本海へ廻る

01日本海へ廻る

3月9日(土)晴れ

流れる季節の真ん中で、ふと日の長さを感じます。今日はそういう日ということになっている。

吐く息が白い。-4℃の朝の札幌の街を歩き、見たいものを見に行こう。まずは、地下鉄東西線に乗って新さっぽろへ向かう。

ひと通り見て満足したら、再び札幌に戻り、味噌ラーメンを食べたい。日本で初めて味噌ラーメンを考案したラーメン屋が札幌にはある。しかし、開店は11時からなので、テキトウに街を

もっとみる
00漂流するだけの卒業旅行

00漂流するだけの卒業旅行

3月7日(木)曇りときどき雨

卒業旅行は船で日本一周することにした。

正直、久しぶりの1人の長旅は緊張する。

大学生の間に培った一人旅力とでも言うべきスキルは、この妙な緊張感との戦いを制するためのものだ。ふつふつと湧いてくる緊張感には、もはや懐かしささえ伴う。

書くつもりはないのに、自然と手が文章を産み出してしまう。これも緊張を打ち消すために、体に刷り込まれた癖なのかもしれない。

21時

もっとみる