「ポスト・セカイ系」としての『輪るピングドラム』―「透明な存在」のために―【2/3】
3章:看過されてきた二つの不承認の問題 「セカイ系」と終末思想が救おうとしていたものは、不承認の問題である。ここまで、「こどもブロイラー」での余剰Xを認めてもらえない子ども達や、自己規定を外部に認めてもらえない人々の議論をしてきたので薄々気づいているかもしれない。しかし、ここからの議論では、その不承認の問題による絶望がいかに世界に広まっているのかを感じ取り、どれほど今までの議論が見て見ぬふりをしたものばかりで不十分だったのかを痛感していただければ幸いである。
まず、「セカイ