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『おくりびと』

当時 mixi に書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。
※公開当時の感想です。

=2008.10.12の日記=
『おくりびと』

こんなに端正で美しい映画を見たのは初めてです。

さりげないユーモアに、さりげない優しさ、深い悲しみと、深い喜びと・・。見てよかったと心から思える映画に出会いました。

見終わって気づくのは、この映画には無駄な部分がないということ。

チェロが重要な役割をします。楽団解散で職を失ったチェリストが、故郷にもどり偶然の出会いから納棺師という特別な職業に就くお話です。

物語は納棺師になってからの話がほとんどですが、チェロの旋律がこの映画を満たしています。時に優しく、時に悲しく。

そう考えると、この映画の主人公はやっぱりチェリストでないといけないのです。私が言う無駄がないというのはそういう意味です。すべてが響き合っているといえば良いでしょうか。

脚本の素晴らしさ、役者同士のアンサンブル、緩急をつけながらも全体に抑制の効いた演出、山形の庄内平野の自然の素晴らしさ、この映画のテーマをみごとに表現した音楽。どれも素晴らしく、そしてそのどれもが調和して響き合っていました。

心に響く音楽に触れたとき、わけもなく涙があふれてくるように・・。

この映画にそんな「音楽」を見たような気がしました。

(終わり)

* * *

今日、次男のシュンヤ(高1)と一緒に見て、この映画でまた泣いてしまった。泣いてるのがバレないように不自然に前のめりになって見てたけど、バレバレなのか?


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