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アンリ・カルティエ=ブレッソン写真展

当時ホームページに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。

=2000.09.23の日記=
「アンリ・カルティエ=ブレッソン写真展」

写真は引き算の芸術である、と何かで読んだ記憶がある。
アンリ・カルティエ=ブレッソンはそれを強く感じさせる写真家だった。

招待券をもらったので、写真展に行こうという話になったのだが、正直このアンリ・カルティエ=ブレッソンという写真家は全く知らなかった。

モノクロの写真がずらりと並ぶ。今回は「Landscape/ニ度とない風景」というサブタイトルの通り、風景をテーマにした写真展だった。

世界各地のどこにでもある風景が、どこにでもない写真として収められている。写真家というのは、すごい人たちだ。この人たちにかかれば、何気ない風景が、一枚の芸術に変わる。これを感性というのだろうか?

アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真は絵画のようだった。

これ以上ない構図で、申し分のない白と黒のコントラスト、遠景に霞む建物や森などは墨絵を思わせる。印象派のような点描としか思えないタッチの風景写真もあった。

余計なものは何も入れない。余計なものはカメラのフレームから外してしまう。真っ白なキャンバスに自分の伝えたいものだけを残す。

これが引き算の芸術。

自分の感性に従い、伝えたいものを狙い、定め、その瞬間を記録する。そこに写し出されるのは、他の人には決して撮り得ない「二度とない風景」だ。


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当時の図録はこちら ↓

アンリ・カルティエ=ブレッソンをもっと知りたい方はこちらをどうぞ ↓


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