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大学と街

「大学街」という言葉がある。意味的には「学生街」とほとんど一緒だ。

僕の通っている大学は、メインのキャンパスが東京の本郷と駒場にある。
どちらも「大学街」であるかのような雰囲気を醸し出しているが、実態はそれに程遠いんじゃないかと最近感じた。

本郷を例に挙げると、キャンパスの中には学生食堂をはじめ、本屋からコンビニ、ATMからスーパーマーケットのような購買まで何でもある。
実際とても便利なのに疑いはない。何せ、キャンパスから一歩も出なくてもほとんどのことは事足りるからだ。

しかしこの便利さが、大学と街との関係を希薄にしているのではないか。

昼食のために大学近くの飲食店を訪れる学生ももちろん存在するが、やはり学食で簡単に済ませる人が圧倒的に多い。近くに古本屋はあるけど、品揃えのいい学内の本屋で購入する。
キャンパスの中でほとんどが完結するから、キャンパスのそばにどんなお店があるのか、知らないし、知らなくてもいい。

大学がその内部で完結すればするほど、大学と街との関係は希薄になっていく。
大学はただその街に「ある」だけで、街との相互作用が必然的に少なくなり、孤立していく。
街の方でも、大学があることによる地域の活性化を望めない。

大学がどんどんと「商業化」していく中で一種のショッピングモール=消費の場となっている。それは大学のみの問題ではなく、その大学がある地域との関係性からも議論されるべきであると思う。

大学街、学生街は危機に瀕している。

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