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穴場海水浴場? 温泉? 神奈川県の“それくらいの観光地”、湯河原・真鶴の魅力を全力で考えてみた

真鶴漁港

 週末に、真鶴と湯河原に行った。

 神奈川在住だから県内の湯河原には以前からよく足を運んでいたこともあり、好きなエリア。今回は真鶴をメインに、湯河原にも久しぶりに足を運んだ。とてもすてきな旅だったのでぜひ真鶴と湯河原の魅力を伝えたいと思った。思ったのだけど、その魅力というのが、なんとも言葉で表現しづらいのだった。

 真鶴といえば、海、港、新鮮な魚介類。湯河原といえば山と温泉。一言で特徴を言うとどうもありきたり。

しかし真鶴は、著名人が住んだり別荘をもつ場所でそれだけ魅力はあるだろうし、近年では移住者も増えているらしい。

 湯河原は、刺さる人には刺さる、といった大人の街だ。いきつけの店でなかなかの湯河原好きの客と居合わせた。横浜から来ていた男性客は湯河原に毎月のように通っているとのこと。その日は伊豆屋旅館という広々とした混浴露天風呂がある古宿の温泉に入ってきたと(混浴なんて神奈川では尚珍しい。私も夫と宿泊して入ったことがある。あまりというかほとんど人がいないので、抵抗がなかった)。他にいた女性の2人組の客は、熱湯で知られツウしか行かないような「ままねの湯」に行ってきたといい、どちらも何度も湯河原に足を運んでいる人でないと行かないようなスポット。

 ただ正直、離れた地域から新幹線を乗り継いで真鶴や湯河原に来るか?といったら、やはり微妙なところ。きっとその地域ごとに、真鶴や湯河原的存在の観光地があるとも思うし。隣接しているわけでもなく地域ブロックを超えた地域から真鶴や湯河原までは足を運ばない気はする。

 でもでも、訪れる動機の大部分が「近いこと」といった、そのくらいの観光地はそのくらいの観光地ならではの良さや面白さがあって、私は結構その“そのくらいの感じ”が好きなので、今回私は“そのくらいの感じ”の魅力をがんばって伝えたいと思う。

 先にも言ったけど真鶴と湯河原は、まず「海と山と温泉がある」のがとても魅力的だ。かつ、近隣の箱根や熱海と違って人が少なく静かなので「海と山と温泉」をより快適に、そして集中して?堪能できる。

 湯河原なんて特に、ぜーんぜん街に人がいない! いつ行ってもぜーんぜんいない! そのわりには少なくない数の旅館やホテルが点在してるから、失礼ながら経営はどうやって成り立っているのだろう?と不思議だ。

 行くのは毎回土日だけど、駅前にちょろっといる人たちも、駅から離れると「どこに行った?」というくらいしんとした空気になる(宿に引きこもってるのかな?)。でも、それがいい。山に見守られながら、人の気配がなく飾らず殺風景で昭和風味の商店街などの景色を眺めると、大変に心が落ち着くのだ。大袈裟でなく、湯河原に行くと本当に時間の流れがゆっくりになる。

 住宅地でもあるので飲食店などには多少は人がいるものの、日帰り温泉施設も、数が多いことも理由なのか、たいていガラガラ。混雑とは無縁も無縁で完全にストレスフリーなのだ。

 よく「何もしない贅沢」みたいな言葉を聞くけど、旅先で「何もしない」というのは結構難しい。なんだかんだ、いろんなところに行きたくなったりする。けど、はっきり言って湯河原にはこれといった観光スポットはない(あるのは小さな美術館や、紅葉や梅、桜スポット、神社、山や滝など。少々地味ですが、どこもすてきではあります)ので、温泉に癒されながら比較的簡単に、何もしない贅沢な旅とやらを楽しめるのも魅力の一つに入れておきたい。

 湯河原には伊藤屋や上野屋といった古くの木造建築が魅力の老舗旅館がいくつかあるんだけど、数年前に30前半の友人が女ひとりで伊藤屋に泊まってたっけな。湯河原は静かな上にアクセスがいいし、飲食店も多いし、ひとり旅にもかなり適している。たまに雑誌などで「箱根ひとり旅」とかあるけど、箱根にひとりか……、私も昔平日を狙って箱根ひとり旅をしたことがあるが、箱根は週末やハイシーズンに行くには結構ハードルが高い。その点、湯河原ならいつでもひとり旅ウェルカム!!

 あと、湯河原は比較的飲食店のレベルが高く、観光地にありがちな「うわっ、ハズレだった!」みたいなことがあんまりない。フレンチやイタリアン、食堂、中華、居酒屋、スイーツやカフェもあるし、グルメ好きもスイーツ好きも夜いい時間まで飲みたい人も楽しめる。

ゆったりした旅がしたい、"何もしない贅沢"的な旅をしたい、ひとり旅がしたいという人に俄然推奨したい、それが湯河原だ。

 そして真鶴。湯河原だけでなく、真鶴だって、負けじと人が少ない。

 何を隠そう、今回足を運んだ目的は、「人が少ない穴場的な海岸で海水浴をするため」だった。そんな私の思惑は大当たりで、源頼朝が安房へと逃れるときの出発地と伝えられる岩海岸で悠々と海水浴を楽しんだ。

 とはいえ「さすがに海水浴シーズンは家族連れで多少の賑わいを見せているな」と思っていたのだが、友人に写真を送ったら「人少なくていいね」と返信が来た。一見賑わっているように見えても人が少ない。

岩海岸

 しかも、知らずに足を運んだのだが、ちょうどこの日、真鶴のお祭りが岩海岸で開催され、花火まで楽しめたのはうれしかった。

 各地で花火大会が開催されるたびに、花火は見たいが人混みはイヤと、今年は諦めていたけど、穴場的な場所で、海水浴だけでなくまさかの花火まで堪能できるとは。15分くらいではあったけど、間近で見られるし祭りはさすがに賑わっていたけどそれでも有名花火大会と比べたらもはやガラガラくらいのレベルだし、海岸近くに宿もあるし、首都圏からアクセスできる穴場海水浴場&穴場花火スポットとして絶賛おすすめ。

 今回宿泊した宿が岩漁港のすぐ近く、というかここはもはや港だろうという立地で海が目の前なのも最高だった。食事も海を眺めながらで、部屋ももちろんオーシャンビュー。

 以前、真鶴半島の先まで自転車で行ったことがあり、高台から眺める岩場と海の景色がまるで絵本でも見ているように可愛らしく一目惚れ。そんな景色を心ゆくまで楽しみたかったから、大満足。

 夏らしいことを混雑なしで楽しみたい人に俄然推奨できるのが真鶴。

宿で食事中の一枚 たまたま窓際の一番いい席だった

(他県の“そのくらいの観光地”、穴場的観光地があったら教えて欲しい。ガイドブックで1ページとか半ページですまされているエリア?)


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