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プロマネの行く末は?

私の仕事は、システム開発におけるプロジェクトマネージャ、略してプロマネである。

一応、これは職業といえるだろうか。
資格としては、米国の認定資格であるプロジェクトマネジメント•プロフェッショナル(PMP)、情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャ(一応、国家資格)を保持している。

しかしながら、これらの資格はたいして役に立たない。
せいぜい名刺に書けるか、政府案件における入札要件を満たすために役立つくらい。
ある程度知識は必要だが、資格を取ったから即出来る仕事ではない。
とても厳しく、あいまいで、経験値や対応力がモノをいう仕事だと思う。
プロジェクトが100個あれば、100通りのあり方がある。
しかし、どのようなプロジェクトであっても、どんなメンバー構成でも、一様にマネジメントできなければならない、それがプロジェクトマネージャである。というふうに、若手の頃に教えられた。

そして、どんなにAIが発達しても、なくならない仕事だろう。効率化される部分はあるだろうけど。
むしろ、技術革新でますます世の中の不確実性は増し、システムの難易度は上がり、高度なプロマネ人材の需要は高まるだろうと思う。

では、プロマネという仕事、キャリアの集大成は、どんな姿なんだろう?私は何を目指しているんだろう?何ができるようになればいいんだろう?と、最近よく考えている。

数百人体制をマネジメントして大規模システム開発を遂行することか?
炎上プロジェクトを立て直すことか?
プロCIOになることか?
ウォーターフォールもアジャイルもできることか?
古いシステムの刷新も、新システムの開発もできることか?
これらいずれも出来るようになることか?

しっくりこない。
いつも目の前の開発に追われ、工程が完了しても次の工程がやってくる。いや、完了しなくても次の工程が並走するけど…やばい。
そしてシステムが完成しても、またすぐに次の開発が始まる。
そうこうしているうちにマネジメントスキルは向上してくるが、有能なプロマネほど炎上プロジェクトの舵取りを任され、疲弊していく。
一方で、役職が上がって、いつのまにか現場から退いて経営サイドに回っている人もいる。
そんな人も役職定年を迎え、子会社や関連会社に移籍して、昔の影を潜めていつのまにか存在を忘れられていく。
もしくは、昔の成功論を振りかざして煙たがられる存在になっている…人もいる。

どこにゴールがあるのだ?
それとも、ゴールなどどこにもないのか。
必ずしもゴールなど無くてもいいのだけど、目指す姿が見つからない。

それで、私のたどり着いた、答えにならないような答えは、こうだ。

プロジェクトマネージャという「職業」で捉えると、どこかでどん詰まりになる。
プロジェクトマネジメントという「技能」で捉え、その技能を弛まなく磨きつつ何を成し遂げるか?
つまりその成し遂げたい「夢」が必要なんじゃないかと。
プロジェクトマネージャは、プロジェクトのリーダーでもあることが大多数だと思うから、みんなと共有する「夢」を語り、みんなをリードしながらプロジェクトを完遂する。
カットオーバーしたあかつきには、みんなと喜びを分かち合う。
そんなイメージかな。遠いけど。

その「夢」は、必ずしもみんなと分かち合うような壮大なものであるとは限らない。
知り合いは、プロマネをやりながらメンバーの強みを生かすことに使命を見いだし、メンバー育成やプロマネ育成を得意とするプロコーチになった(って、個人レベルでかなり壮大だけども)

また別の知り合いは、ミッションクリティカルな炎上プロジェクトを立て直した際の教訓を携えて、同じことを繰り返さないよう、この独特な業界における仕事の構造変革やメンバーの健康、エンゲージメント向上のために力を尽くしている。
とても、尊いと思う。

さて、私の「夢」は?






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