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うつ病と付き合う日記100日目 人は自分の行動をコントロールできるのか

 うつ病になって自分の行動を思った通りにできなくなって悩む方は多いと思う。そのコントロールできなさは人それぞれで、頭が回らくなった、集中することができない、かつてあった興味がなくなってしまった、何をしても面白くない、やるべきとわかっている仕事がこなせなくなってしまったなどなど。どれもが困ったことには違いない。

 私自身も例外ではなく、このようなことに悩む身ではある。しかし、次の疑問にたどり着いた。それは、そもそも自分は心身を完全にコントロールできるものなのかというものだ。

 こんなことを言うと人には笑われるのかもしれない。実際前のように自分が動かすことができないから困っているのだろうと。実際そうとも感じられるが、前の自分であってもどんな時も自分をコントロールできていたかと言われるとそうでもない。

 おなかが減れば目の前の作業に集中できない、自分の趣味の内容が気になって勉強に集中できない、好きな人が気になって授業に集中できない、悲しいことがあって他のことをやる気が起きないなどなど。考えてみるというほど自分自身をコントロールできないタイミングはうつ病と診断される前もいくらでもあったと思い至る。

 だとしたら、自分がコントロールできないことは今だけの問題ではなく、その頻度とコントロールができない理由のほうに目をむける必要があるのではないか。逆に自分がコントロールできないこと自体を悩んだり、怒ったり、悲しんだりしてストレスにするのは、自分で自分はコントロールできるという間違った前提を信じているという理由からではないかという事だ。

 自分は本来自分をコントロールできていたのにそれができなくなったと思っているから辛いのではないか。確かに前よりもコントロールが難しくなっているのは間違いないが、そもそもそんなにちゃんとコントロールできてないのに、自分は自分を好きに動かせるんだと思うのは傲慢なのではという話だ。

 仮に自分は自分をコントロールできるという前提から離れると、だいぶ日常の生活で悩むことが減る。やるべきことが滞っても自分を責めずに済むし、できない理由とできるきっかけを探すようになる。自分ができて当然と思っていたことも、きっと自分はがんばっていたに違いないと評価できるようになる。自分を否定するハードルが上り、自分を肯定するハードルが下がるのだ。

 しかし、自分がコントロールできることを当たり前と思っていた期間が長すぎて、私自身どうして自分をコントロールできないと自分を責めるタイミングはいまだに多い。ただ、それは当たり前ではないぞと考えるストッパーが付くようにはなった。この文章を読んでみた方も、自分が自分をどれくらいコントロールできるか冷静に見直すと意外に楽になれるかもしれない。

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