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今後「サル痘」の名前が変わるかもしれないという話

サル痘という名称が変わるかも

まだ正式でもなく、完全には変わっていないようですが、近ごろ、欧州のガイダンスや文書を中心に、Monkeypox(サル痘)という病名からHuman monkeypox『ヒトサル痘』という言葉が使われ始めています。

アイルランドのガイドライン
Human Monkeypox Infection - Guidance for Clinicians and Public Health
ヒトサル痘感染症 臨床と公衆衛生のためのガイダンス(アイルランド)

欧州疾病予防管理センター(欧州CDC)
European Centre for Disease Prevention and Control

まだすべてhuman monkeypoxとなっているわけではないようですが。

病名はhuman monkeypox 『ヒトサル痘』と書かれている資料も見られますが、ウイルスの名前は今のところMonkeypox virus (MPXV) サル痘ウイルスのままですね。ややこしい。

WHOは現在「サル痘感染症」という名前や、そのウイルスの分類(西アフリカクレードやコンゴ盆地クレード)などが地名を含んでおり差別的でスティグマを生んでしまう懸念を表明し、サル痘ウイルスの名前やウイルスのクレード名を変更すると発表しています。これは一部の地域の病気という誤解を払拭するためです。

まだ正式には疾患名がどのような名前になるか、どのような分類名になるかなどはまだ決定されていないようです。

ポリティカルコレクトネスというか、時代が変化するにつれて、人権への意識がかわり、言葉の使い方もかわっていくのでしょうね。

日本にちなんだ感染症の名前もある

日本にちなんだ感染症もいくつかあります。「日本脳炎 Japanese encephalitis(ウイルス感染症)」「日本紅斑熱 Japanese spotted fever(リケッチア感染症)」「日本住血吸虫症 Schistosomiasis japonica (寄生虫感染症)」という日本の地名がついた名前も変わっていくのでしょうね。

これらの病気は日本で初めてたまたま報告されただけで、日本以外の東アジア、東南アジアでも見られる感染症です。日本でみられたが、日本だけで広がっているわけではないです。
特に日本脳炎は、日本ではワクチンや環境の変化によりほとんどみられることはありませんが、東アジアや東南アジアでは今でもみられる深刻な疾患のひとつです。

今のところ話題になっていないので、特になんの動きもないようですが。

感染症ではないけれども、世界的に有名なのが「川崎病(kawasaki disease)
海外の小児病院に行くと、医師からよく聞かれる疾患のひとつ。

「あれってバイクの名前から?」と。

ちがうよ。