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[Dr.たまと学ぶ]毒草解説 〜ドクウツギとは編〜

こんにちは。Dr.たまです。皆さんは毒草に興味はありますか?毒草は割と身近に生えていることがあります。今の時代、その辺の野草を食べたり利用したりする機会は少なくなりましたが、一つでも多く覚えていると万が一の時事故を防げたり予備知識として活用できたりするかもしれません。

今回紹介するのはドクウツギという植物です。

美味しそうな見た目とは裏腹にその見た目に似合わぬ猛毒を持つことで知られているドクウツギについて紹介します。熟した果実は食欲そそる美味しそうな見た目をしていますが、この実を食べると中毒を起こしてしまい、最悪死亡してしまうこともあります。かつては小さな子供がこの実を誤って口にし、亡くなるという悲惨な事故が相次いだそうです。イチロベゴロシという名前で呼ばれることもあります。近年では人の手によって駆除が進み、人里においてほとんど見る機会がなくなっています。本記事では、ドクウツギの危険性や特徴について解説します。ドクウツギが生えている場所に注意を払い、自然と共存するための知識があると安心です。

植物としてのドクウツギ

ドクウツギはウリ目ドクウツギ科ドクウツギ属に属する落葉低木です。
学名は Coriaria japonica
日本では一種一属のみ自生しています。
北海道と本州に自生し、高さは1.5〜2mほどになります。もちろん個体差はあるので小さいものもあります。
主に山野や河原に自生します。4月から5月雄花と雌花を付けて、6月から8月に結実します。果実のように見えるものは偽核果という種子状の果実を包んでいる花弁になります。実の色は赤→黒に変色します。
葉先は細長く尖り、対生します。

ドクウツギの葉。葉先は尖り、
長楕円状で対生する。

ドクウツギの毒性について

ドクウツギの毒成分は主にコリアミルチン、ツチン、コリアリンです。
特にコリアミルチン(C15H18O5)はドクウツギの実(特に種子)に多く含まれる即効性の猛毒です。
誤食した場合、中枢神経が刺激され嘔吐の後全身が麻痺して最悪死亡します。
具体的には軽症の場合発汗や嘔吐、腹痛などの中毒症状を示し、重症の場合は呼吸困難と痙攣を起こします。痙攣中に口腔内を噛むため血の混じった泡を噴くこともあります。

日本三大有毒植物とは

日本が誇る3種の有毒植物を総称して日本三大有毒植物または日本三大毒草と呼びます。日本三大有毒植物は①トリカブト②ドクゼリ③ドクウツギの3種です。覚えておきましょう。
他の有毒植物については別記事で解説していこうと思います。

ドクウツギの画像

美味しそうな、ブドウのような見た目だが猛毒である。
実は栽培可能。癖はあるが挿し木で簡単に増やすことができる。別記事で増殖のノウハウについてわかっている限り解説していこうと思う。

おわりに

ここまで簡単にドクウツギという植物について解説してきました。実はというとドクウツギは簡単に出会える生き物ではありません。少しずつ数を減らしていっている植物です。しかも毒は強いですが、病気や環境の変化に弱かったり、虫にやられやすかったりといった弱い一面もある植物です。危険だからと駆除しようとするのではなく、うまく共存してもらえたらなと思います。
また、上記にある通り、ドクウツギを挿し木で増やせることが実験の結果わかりました。まだわからないことだらけですが、実験してみてわかったことや感じたことを別記事にてまとめますのでそちらも是非見ていただけたらと思います。

以上で解説を終わりたいと思います。閲覧ありがとうございました。

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