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人前で話すことが苦手な学生に助言したこと

数年前の話である。大学3年生。これから研究などの発表で、知らない人の前で話す場面があるそうだが、緊張してしまってうまく話せないそうである。最初は誰でもそうだから、何とかなるよと言ったが、そうでもなかった。「話すことへの抵抗感」が強いそうである。

人前で話す、知らない人と話す、集団の中で相手を見つけて話すって、たしかに誰でも抵抗ある。こんな話を振っていいのかと考えすぎたり、自分が話そうとする筋道を考えているうちに別の話題になることがある。でも話してみて、よかったと思えることは多いし、新たな扉が開くこともあるから、やっぱり「話すことへの抵抗感」は少ない方がよさそう。

そこで、ありがちな「話すことへの抵抗感」の減少策は、「場数を踏む」であるが、それだと度胸がつく、失敗して修正するにはいいが、やっぱり足らないと思い、それ以外を考えた。しかも「話す」こと以外からアプローチしたいと考えた。

語学の4技能は、「聞く」「話す」「読む」「書く」である。
「話す」ことへの抵抗感への解決ヒントは、他の3技能「聞く」「読む」「書く」にあるのではないかと考えた。

「聞く」
話すことを仕事にしている方と話した時に、気づいたことがある。私の話を聞いている際に、私の言葉に加えて、私の表情から私が考えていることを全部つかもうとする視線や表情を感じた。まるで吸い取られそうなくらい、しっかり聞いてくれていて、話すことのプロは聞くことのプロだということを認識した。しっかり聞くことは、話すことに求められていることを知る最大の手段だろう。

「読む」
「読書力(斎藤孝著)」に、読むことには、「しっかりと相手の言っていることの幹を押さえて、それをより伸ばす」力がつくとある。読書によって、相手の話の大事な部分を見つけること、さらにそれを自分の言葉でつなぐことがより強くできるだろう。

「書く」
書くこと(noteにアップすることも)は、自分の考えを正確に伝えるために、根拠や理由、単なる感想でなく思考や分析を加えて、論理的な構成を考える必要がある。何となくわかったで終わらず、自分の言葉にする(言語化する)ことで腹落ちできるだろう。さらに書き留める(記録する)ことで、中身の深い話のネタをストックし、いつでもとりだせるようにしておくと、深い対話がしやすいだろう。

場数を踏めばいいも、「話すことの抵抗感」減少の1つの方策だが、「聞く」「読む」「書く」から、「話す」力をアップする方法もあると思う。ライターなど書くことを仕事にしている人のコメント力が高いのもこれだと思うからである。

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