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博士課程のラスト1年で自信をなくしている

博士課程3年目。バイオ系。民間企業に就活中。
去年の暮れから現在にかけて、かなり自信をなくしている。
理由は2つ。

1:後輩の指導で失敗した
修論が書けない後輩に付き合って2徹した。
でも後輩(進学した)は、以前と何も変わっていない(ように見える)。
私は自分の時間を失っただけ。
これを機に、少しは自分で何かをやるようになってくれれば、と期待していた。
当たり前だけど、大学の研究室は研究に力を入れたい学生ばかりではない。
そういう人は放っておくべきなんだろうが、どうやら私はかなりのお節介らしい。
どうにかしようとしてしまう。
アカデミアには向いていないな、と感じた。(元からあまり行く気はないが)
そして、「研究をちゃんとやってみたい」と強く思う人がいてくれれば、近い学年にいてくれれば良かったのに、とも思った。
(学部4年生はしっかりやっている子ばかりなんだが、学年が離れすぎてしまっている、残念…)

2:就活を通して、自分の出来の悪さを感じてしまった
民間企業、全然通らん…笑(企業研究が少ない、面接が下手)
「民間は博士を採らない傾向がある」という話はあるけど、どうだろう。
研究職で出したエントリーシート、思っていたよりも通るので、初期段階では博士がどうとかあまり関係ないかな、と思う。
ただ、「修士卒社会人3年目の人」と「自分」を比べた時に、あまりにも企業的視点(利益追求的な)が不足しているな、と感じた。
(たぶんそれが「志望度が低い」とみなされて、面接落ちてる原因かと思う。)
(メーカーだったら応用研究の視点はほしいかも。)
だから「博士課程の民間就職は難しい」と言われるんじゃないか、と。
自分の研究テーマと、その企業がやっていることのマッチ度が高いほど、面接で将来性豊富なインパクトのある回答ができると思う。
(マッチ度が高くなければ、業界研究はかなりやった方が良さそう)

就活をしている中で、「博士 就活」とかいうワードでググる。
「修士の人と勝負するのだから、博士課程で身につけたことをアピールしよう」というのを見つけ、「なるほど」と思いながら、考えてみる。

…何もない。
博士課程で身につけた(身についた)ことなんか、私にある…?

調べる中で、博士課程で筆頭著者の論文を複数出している人もいて、すごいなぁと思った。
私は数ヶ月前にようやく1本目を投稿したというのに。

こういうことが重なって、「私は博士課程で一体何をしていたんだ」という気持ちが沸々と沸いてきた。
何も成長していない気がしたし、他の優秀な博士課程の人よりも、自分はずいぶんと劣っていると感じた。
それなのに、周りの人は私のことを「優秀だ」と言う。
どこが?わからん。
「自分が思う自分」と「他人が思う自分」のギャップがありすぎて、苦しい、気持ち悪い。

昔はこういうのに耐えきれなかったが、今はわりと落ち着いて考えられるようになったので、色々と考えてみた。

Q. 博士課程で身につけたことが何もないと感じる
A. 修士課程までで身につけすぎたのでは?
私が博士課程への進学を意識したのは、研究室に配属された時にいた博士課程の先輩と接したことがきっかけだ。
その先輩が専門分野外のテーマにも批判をしていたので、研究を始めたばかりの私は「博士課程ってすげー」と思った。
だから、自分の専門とは違う分野の論文を修士1年から読むようになって、色んな実験方法を勉強した。
修士から、どの分野の研究も「面白い」と感じるようになった。
今は修士の時よりも、理解力やスピードに磨きがかかっていると思う。
修士の時がめちゃくちゃ伸びていて、博士進学してからは頭打ちになってしまったのかも、と思った。
(ただし、後輩の指導は2回失敗している。)

Q. 自分は「優秀」か?
A. わからんが、「優秀じゃない」ことはないんじゃないか
こんなに研究しているのに論文1本…?(しかもUnder Review)
(結果を深掘りしすぎた挙句、実験がうまくいかなくて、書くのが遅くなったという原因がある)
いわゆる「研究業績」はわかりやすい指標だけれど、これが全てなんだろうか?

私は研究対象の生物が2種類いる。
そのうえ、「このテーマは論文になるデータがとれるかわからん」という指導教員のお墨付き。
一応、
私「論文にならなかったらどういたらいいんですか…!?」
指導教員「逃げ道はあるから」
という話し合いはしており、このテーマを選んだ。
幸いなことに、論文になるデータが2種類の生物から得られた。(修士で)
まぁ、生物2種類扱っているんだから、進度が他の人の0.75くらいになっちゃうのは仕方ないよね。
そして、インパクトのあるデータは修士の時にとれたので、わりと頑張って、よりインパクトのあるデータをとろうとしている。
この「よりインパクトのあるデータをとる」ための実験が大変。
もはや作業と化しているので、ポジティブデータがなかなか得られない。
「バイオ系、こういうこともあるよね」と、ようやく思えるようになった。

修士までトントン拍子で進んでいたから、この詰まり具合が「悪いこと」だと感じてしまい、苦しんでいたんだなぁと思った。

人によって成長スピードは違うし、テーマによって研究進度は違う。
私は苦しみに苦しみを重ねてサンプルを集め、論文級のデータを生み出すまでに時間がかかった(かかっている)。
論文を書きながら、「これはマジで私の血と汗と涙でできている」と思った。
(サンプリングのために流血したし、めちゃくちゃ汗かいたし、大変すぎて涙したこともある。)
そういうテーマもあるから、「研究業績」に一喜一憂してはならない、という自分への戒め。
他の人が私を褒めてくれるのは、このサンプリング(地獄)をこなし、これだけの実験結果を出しているからなんだろうな、と薄々思っている。
(このサンプリングをできる人が後にも先にも現れるのか楽しみにしている。)


頭の中でこういうことを考えてはいたけど、自信は回復しなかった。
言葉にしてようやく、少し落ち着いた気がする。

追記
自分の問題点は、「自己評価が低すぎること」だと痛感した。
昔に経験した"あること"がきっかけで、こういう思考をするようになり、それがすっかり身に染み付いてしまった。
それがなかなか拭えない。
だから、エントリーシートを書く時、面接の時、がすごく苦しい。
自信のなさが出てしまう。
そして、自分のことを評価してくれる他の人を否定しているようで、申し訳なく思う。
これを少しでも解消したいので、頑張って某賞の「推薦書」を書くことにした。。


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