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ミドルマネージャーにおける「相談相手がいない問題」とコーチング

はじめに

こんにちは。パーソナル・コーチングサービス『mento』を運営しております、たんたんたんげです。

「mentoってどんな人の利用が多いの?」というご質問をよくいただきます。日本にコーチングが入ってきたのはほんの20年ほど前で、これまでは経営者やエグゼクティブ層による利用が主流でした。

しかし、Googleの元CEOのエリック・シュミットが「すべての人にライフコーチが必要だ。」と提唱したように、実際にはより広い層に必要なものであるということを日々痛感しています。

特に、ミドルマネージャーの方々の「相談相手がいない問題」に対するコーチング需要が想像以上に大きいことに驚いたので、手前味噌ながらコーチングがなぜ令和時代のミドルマネージャーに刺さるのかということについて、mentoのクライアントさんや人事の方とのお話していて自分が思うところを書きたいと思います。

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そもそもコーチングって何?

別noteの再掲にはなりますが、コーチングに関する固めの説明はこれになります。

コーチングとは、コーチによる質問に答えながら自分の理想や価値観について深く内省することで目標を明らかにするとともに、達成に向けた行動や変化を促すプログラム。

ちょっと分かりにくいですね!ʅ(◔౪◔ ) ʃ

いきなりですが、みなさんは何かについて力説しているときに「あ、そうそう、そうなんだよ」と、自分が言ったことに自分で納得してしまった経験はないでしょうか。

コーチの質問に答えて自分の言葉をたくさん発散していく中で、自分の考えを整理、腹落ちしていくのがコーチングの最初のステップです。次に、そこで明らかになった目標・課題を元に行動計画を決め、日常の中で実行に移していきます。ひとりで向き合い続けるのが難しい課題であっても、クライアントに本質的な変化が訪れるまで、コーチがしっかり伴走します。

なぜマネージャーになった途端、相談相手が減るのか

この悩みは非常によく聞きます。メンバーでいるうちは、あれもこれも同僚に相談し、テーマに合わせて相手もたくさん思いついたのに、マネージャーになった途端それが難しくなってしまうのです。

背景としては、下記のようなものが挙げられます。

①メンバー層には言えないことが出てくる
メンバー・マネージャー間で公開可能な情報に差があったり、立場的に自分が不安そうにしていてはいけない話題だったりといった理由から、チームの心理的安全性とは別に、どうしても役割の中で言いにくいことが生まれてしまいます。

②上長のシニアマネージャーは忙しくて時間が取れない
メンバーだったころよりも壁打ちの回数が減ってしまうというのも、よく聞かれるお話です。上長はシニアマネージャーの方々になるので、軽い相談をするために時間を抑えるのは難しくなります。既に固まったアイデアを起案するというコミュニケーションを通してしか、フィードバックが得られない状況が生まれるのです。

③マネージャー同士で相談したいが、領域によって同じ課題を抱えているとは限らない
立場的にも、時間的にも相談しやすいのはマネージャー同士の横のつながりではあるのですが、部署やライフステージが違えば共通している話題ばかり、というわけでもありません。自分の中にある話題、もやもや、悩みが内容によっては分かりあえない、相談しきれない、言いづらいという感覚になるということもあるのではないでしょうか。

このように、相談相手がいないそもそも自身の業務量が膨大で考える時間が少ない、という中で同じ問題をぐるぐると抱えてしまったマネージャーの方々が、改めて自分の課題や意志を客観視するためにコーチングを活用されることが増えています。

それでも、相談相手は必要だ

相談相手がいないという状況に反して、役割やミッションの変化に伴い、自分ひとりでは解決しきれない悩みが次々と起こります。

千差万別だとは思いますが、「相談相手が必要な理由」として例えば下記のようなものが挙げられるのではないでしょうか。

①プレイヤーからマネジメントへ、自分のスタイルを急速に再編する必要がある
元々は「イケてるプレイヤー」だった方々がマネージャーになることが多いです。「マネージャーとしての自分の強みは何か」「このチームで何をすべきか、していきたいのか」「自分の行動をどう変えていくべきか」という今まで考えたことがない問題について、再編を求められるところに対して悩まれる方が非常に多いです。

②「組織がやるべきこと」「部下がやりたいこと」の重要度が増すことで「自分がやりたいこと」の思考が絡まってしまう
メンバーだったときは「自分がやりたいこと/やるべきこと」にフォーカスしていれば良かったのですが、マネジメント層になると「組織がやるべきこと」「部下がやりたいこと」という新しいベクトルの重要度が自分の中でより大きくなることになります。いくつもの「やるべき」が頭の中にあることで、思考は絡まりやすく、生産性は下がりやすくなってしまうという課題がより顕著になるのです。

「伝達力」を上げる必要がある
マネージャーたるもの力強いビジョンと持論を持って、メンバーや関係部署を巻き込んでいくような動きを求められることもあるかと思いますが、そこに至るには自分の思考の迷いやノイズを除いて、しっかりと伝わる言葉にまで昇華するプロセスが必要になります。言葉を整理するには、自分一人で悶々と考えるよりも、適切な質問をされたほうがずっと早くたどり着けます

④マネージャーになる時期が、そもそも人生をどうしたいか迷う時期と重なっている
クオーターライフ・クライシスという言葉をご存知でしょうか。20代半ば〜30代前半に訪れる幸福の低迷期のことで、世界的に学術的な研究も進んでいる現象です。

若さが指の間からこぼれ落ちていくような焦燥感を覚える一方で、早く大人としての安定を手に入れたいという、身がよじれるような恐怖や不安、とにかく「大丈夫」な状態になりたい、という想いがクオーターライフ・クライシスです。

今やっている仕事は自分のキャリアとつながっているのだろうか、そもそも自分はキャリアをどうしたいのだろうか、どんな強みややりがいを拠り所に生きていけば良いのか。

そもそも自分の人生という土台の部分で揺らいでいるのに、会社でやりたいこと、組織でやりたいこと、など上に乗っかってくるものに対して集中できるはずもありません。目の前の仕事を頑張りたいからこそ、まずは自分の人生に向き合いたいという想いを持たれる方が多いです。

参考) クオーターライフ・クライシスにおける5つのフェーズ『Emerging adulthood, early adulthood and quarter-life crisis: Updating Erikson for the 21st Century』

フェーズ 1:仕事、恋愛、あるいはその両者において、自分がした選択のせいで、閉じ込められてしまったように感じる。いわゆる「自動操縦」状態。
フェーズ 2:「ここから抜け出さなければ」と感じ始め、思い切って飛び出せばなんとかなるのでは、という思いが募ってゆく。
フェーズ 3:仕事を辞めたり、恋愛関係を終わらせたりして、自分を閉じ込めていたと感じるものと決別する。あらゆるものから距離を置き、自分が誰であり、何をしたいのかを見つけるための「タイムアウト」状態に入る。
フェーズ 4:ゆっくりと、だが着実に、人生を再建し始める。
フェーズ 5:自分の関心や目標に合致したことに、熱意をもって取り組むようになる。

さいごに

改めて私が言うことでもないのですが、ミドルマネージャーは会社にとって本当に本当に大切な方々です。

だからこそ、彼らへの期待や役割がどんどん増えてしまい、マネジメントや自分の人生という正解のない問いの前で途方にくれている方が増えているのではないでしょうか。

すべての人が自分の想いに従って楽しく働く一助に、mentoがなれれば幸いです☺

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