【小説】電池を換える少女
私たちと少し離れて一人暮らしする祖母は、身の回りのありとあらゆる電池を交換できません。嫁の母には言いづらいらしく、エアコンのリモコンが動かなくなったりすると、学校帰りに立ち寄る孫の私を待っています。だいたい週に一回のそれまで、じっと我慢しています。電話は使いこなせるのですが、めったに困ったと言ってくることはありません。電池の換え方を教えようとしても、どうやら壊してはいけないと思うらしく、千代ちゃんは頭がいいねえと褒めるばかりで、学習する気がみられません。きっとその様子に、間