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「ここは一人一人の問いを大切にできる場所」アルバイトスタッフ大崎さんに聞いた探究学舎での仕事の魅力

探究学舎では多くのアルバイトスタッフが日々活躍しています。今回は4年半にわたって探究スペシャルのグループファシリテーターとして働き、現在はメインファシリテーターとしても新たな挑戦を続けている大崎映葉(おおさきうるは)さんにインタビューし、グループファシリテーターの仕事内容やりがいについてのお話を伺いました。

▼探究スペシャル・グループファシリテーターのアルバイトの仕事内容はこちらでも紹介しています。


「探究学舎との出会いと、グループファシリテーターを始めてみて」

ー自己紹介をお願いします!

 大崎映葉(以下:うるは)です。探究学舎で働き始めて5年ほどになります。最初の4年半は探究スペシャルという2日間連続で開催する授業のグループファシリテーター(以下GF)として活動し、現在は小学生クラスのメインファシリテーター(以下MF)も担当しています。

 探究学舎との出会いは2019年、静岡の駿府城で開催されたチャンバラ合戦のイベントに、イベント会社側のスタッフとして参加したのがきっかけです。それまで探究学舎の事はまったく知らなかったのですが、ここで探究学舎と剣を交えて初めての出会いを果たしました(笑)。その場で探究のスタッフさんに声をかけていただいて、後日見学に行くことになったのですが、見学当日にGF参加時の研修が行われており、そのまま参加して、翌週からシフトに入りました。

ーすごい行動力ですね!GFを始めた頃のうるはさんはどんな様子でしたか?

まだ授業内容も知らなくて、ただ子どもたちと一緒に「わぁ、すっごい!!」と感動しながら楽しんでいました。仕事としてというより、授業が楽しかったし、子どもたちに会えるのも嬉しくて通っていました。
その中で、大人・子ども問わず、1人の人間として1人ずつと関わる事を大切にしてきました。
今でも覚えているのが、毎週隅っこでひとりひっそりと授業を受けている子の事です。ある日、私も一緒に隅っこに座って授業を過ごしてみたら、質問や意見が沢山出てくる子だという事がわかったんです。それ以降、私と一緒のテーブルなら席に着くようになったり、自発的に参加するようになっていったその子の変化は印象的でした。

その経験から「GFは、誰かの変化を支える仕事なんだな」と思うようになって、そこからは“楽しい”だけではなく、“やりがい”に変わっていきました。

ーその子との経験を通じて、うるはさんのGFの在り方や仕事への考え方が変化していったのですね。

「この仕事で大事にしている事とは?」


ーGFのお仕事にも1日の流れがあると思うのですが、その中でもうるはさんが大事にしているポイントを教えてください。

授業前の準備や、最初の子どもたちとの出会いの瞬間を特に大事にしています。
朝は教室を整えるところから始めるのですが、“すごく綺麗にする”というより、子どもたちが入ってきた時に教室に“違和感を感じないようにする”ことを心がけています。“普段通りの綺麗さ”を毎回心掛ける事で探究することに集中してもらえる他、自分自身の気持ちも整っていきます。

整えるという点でもう一つ。準備を終えたら一緒に授業をしていくMFとGFとで朝礼をします。そこでは「今日は気圧で頭が痛いです」「沢山寝て元気です!」等、一人一人今思っている事や状態などを話すのですが、授業が始まる前に自分の心に残っているものを仲間の前で話す事で、1日子どもたちへ集中することができます。また、初めて一緒に働く方とも、その場でお互いの人となりが見えるので良いチームビルディングの時間となっています。

人と場を整えたら、いよいよ開場となります。授業開始までの30分間は、私が一番大事にしている時間です。いかに子どもたちの特徴を掴むか、いかに「ここは安心安全な場所なんだ」と子どもたちに思ってもらえるかの勝負です。

初めての子は最初、ソワソワしていると思います。初めてくる場所って、笑っていいのかも、どう座っていいのかも、分からなかったりする。なので、ここは“自由な場所なんだよ”“笑ってもいいんだよ”、ということを知ってもらうようにしています。私が実践してきたこととしては、大きな声で口を開けて笑ってみたり、ペンで遊んでみたり、時には率先してイスの上に立ってみたり(笑)そういった見本(?)をまずGFが見せていくことで、

「学校とは違うんだな」
「ここは遊んでもいい場所なんだな」
「ここは変な場所なんだな」

と思ってもらう事をその時のゴールとして接しています。

あと、何度もGFに入ると、顔見知りの子も増えてきて「あー!久しぶりー!」なんて会話もできて。それもGFの仕事の魅力の一つですね。

「やっていて難しかった事、やっていたからこそ学べた事とは?」


ーさきほど印象的な子の話がでてきましたが、参加されている子どもたちはどのような子がいるのでしょうか?

性格はもちろんさまざまですが、“何かを知りたい”“知っていることが嬉しい”という子どもたちが多い印象です。

ーGFの方は質問されることも多いと思います。ご自身でも分からない事もあると思うのですが、どう対応されているのですか?

特に授業内で質問しきれなかった子がいる場合はGFの出番だと思っていて。
私は質問に対して「その質問面白いね!」と共感し、「私はこう思うけど、どう思う?」と会話を広げます。すべて自分で答えようとする必要もなくて、次回会う時までに調べてきてもらって教えてもらうなど、子どもたちに自発的に考えてもらえるようにしています。

ーなるほど、自発的に考えてもらえるようにしているのですね。
時には質疑応答だけではなく、トラブルが起きたり大変な時もあると思うのですがその時はどう対応されているのですか?

 私はまずトラブルを恐れず子どもたちの気持ちに共感することを心がけています。大人には理解しにくい子どもの行動にも、彼らには自分なりの理由があると思うんです。なので、理由を引き出し、共感した上でどうすると良かったのかなどを話し合っていきます。

一度子ども同士で取っ組み合いの喧嘩が起こった時の事がありまして、どうしても一人では対応しきれなくなり、他のスタッフに助けを求めたことがあります。そのとき、MFが間に入ってくれて、少し経ってから子どもたちとコミュニケーションする時間を取ってくれました。
そのときMFが、その子が本当にしたかった事や分かってもらいたかった気持ちを引き出した上で、気持ちや意見を伝える方法を教えることで、子どもたち自身で問題解決ができるようにアドバイスしていたんです。

その時に私は2つの事を学ぶことができました。

1つ目は“本当に困ったら誰かに頼れるんだ”ということ。MFも他のGFもいるし、ひとりじゃないので安心してその場にいられるなと思いました。

2つ目は“子どもたちがやった事の本当の理由を一緒に言葉にしてあげること”。そして“子どもたち同士で解決できるようにするアイディアを一緒に考えていく”こともやれることの一つなんだなと思いました。

ー“トラブルが起きても仲間がいる”という事と、“子どもたちの自発性を引き出すことでトラブルの解決も出来る事”を学んだのですね。

「メンバーはどんな人達?この仕事をおすすめするとしたらどんな人へ?」


ーそんな頼りになるGFメンバーを、一言で表すとしたらどう表現しますか?

 おお〜難しい!そうですね・・・
「答えを持っていなくて、一緒に探究する人」とか「人が好き」とか?
でも「これらと逆の人が居たらダメなの?」というとそんな事はなくて。

視野が広い人もいれば、眼の前の子に集中する人もいるし、
子どもたちと同じ目線で一緒に授業を受ける人もいれば、知識があって+αで伝える人もいて。
どういうかたちであれ、その場にとっては全てが“価値のある”事だと思っています。
一言で表現するのは難しいけれど、「子どもたちと一緒に自分も驚いたり感動できる人」が多いかもしれないですね。

ーそんな魅力あふれるGFというお仕事。おすすめするとしたら、どのような方にしたいでしょうか?

自分の中に「問いを持てる人」ですかねそれは、問いを持てる人は子どもたちの問いにも向き合えると思っているからです。
授業中の子どもたちが持った問いを一緒に考えると、「なんでだろうね?」って考えられるし、考えたいと思えます。
そして、問いを持てる人は、子どもの表情や動き一つとっても、「どうしてこの子は挙げた手をおろさないんだろう?」「この子は何が言いたいんだろう?」とその子の心の中に向き合うことができると思います。
そんな風に、日々生きてて疑問や問いをよく持っちゃう人はぜひ、「一緒に探究学舎でモヤモヤしようぜ!一緒に考えようぜ!」と思っているので(笑)おすすめしたいですね。
ここは一人一人の問いを、一つ一つ大切にできる場所だと思うので。

ーでは最後にひとことお願いします!

探究学舎は子どもたちが“驚いたり” “感動したり” “探究したり” する場所なのですが、子どもたちと一緒に何かを感じたり心を動かしたりしていくうちに自分の事もたくさん知っていける場所だと思います。自分の事も探究しながら、自分や世界や子どもたちや色々なものをもっともっと好きになって、一緒に楽しく働けたらいいなと思っています!

ーありがとうございました!

▼グループファシリテーターのアルバイトについてもっと知りたい方はこちら!

(編集:藍以・ライター:えびん、伊藤)

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