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キャリアコンサルタントの仕事って?

資格を取得しても仕事がない、という声をきくと、国家資格なのにと残念な気持ちになりますね。そこで、キャリアコンサルタントの仕事の領域を紹介します。大きく分けて3領域に仕事があります。

1 企業領域 (企業内:人事採用、能力開発、OJT等)
2 学校領域 (キャリア教育、職業教育、就職活動等)
3 需要供給領域 (ハローワーク、労働行政、人材紹介、人材派遣等)

1 企業領域の説明をします。
企業の人事部やメンターとなる管理職がこの資格を取得し、従業員一人一人のキャリア自律を促し職場活性化に寄与することを国が推奨しています。企業内キャリアコンサルタントは、(現在は)法律上努力義務となっている「職業能力開発推進者」として名簿を提出することになれば「人材育成」「能力評価」の観点では大切なポジションになります。採用活動、人事制度、能力開発、労務管理、研修立案、健康管理等、大企業では役割分担が明確であっても中小企業では一人何役もこなしておられます。一人で何役もこなす場合、専門性を伴う内容については、企業の文化を大切にしながらも細分化されていない日常の仕事にうんざりすることもあるでしょう。一人専門職は悩みが尽きません。キャリアコンサルタントの資格を取得すると、迷いがあったときには理論や手法、そして情報先にアクセスしやすい脳に変化しています。いつの間にか学びの中でインプットされるからです。講座を通して得た仲間とのネットワークに助けられることも多いです。すでに組織内で働いている方の活躍場所です。

2 学校領域の説明をします。
 義務教育内では、市町村の行政機関を通してキャリア教育を行うことが多く、そこにはキャリアコンサルタントの関わりは点のようなものかもしれません。最近では、小学校からのキャリア教育を始めた名古屋市の事例があります。全国的に広がるとよいですね。
 中学生のインターンシップの調整は商工会議所と学校教員が行い、個別カウンセリングは全国的にもスクールカウンセラーと生徒・保護者という構図が一般的です。
 高校生のインターンシップは、学校教員が過去の職場リストを宛がうため、就職課にキャリアコンサルタントが常駐することは珍しいです。都道府県のエリアごとに教育委員会付けの就職促進員(元学校長等)が配置され、中小企業と生徒をマッチングさせる役割がありますが、キャリアコンサルタント資格を持っている方から選定するのは珍しいと思われます。
地域差はありますが、教育委員会から高等学校に派遣されるキャリアコンサルタントもいますし、
 ハローワークの地域毎の構成員である雇用対策協議会から要請を受けて、高等学校に面接練習や就職活動の心構えやマナー講座の出講に呼ばれるキャリアコンサルタントもいます。
 専門学校・短期大学・大学では、キャリア教育の授業があり、講師としてキャリアコンサルタント資格を取得した方が活躍している場合がありますが、大学では社会学や哲学の教授が兼任するなど、必ずしもキャリアコンサルタント資格を取得している教授を必要としているわけでは無いようです。ただし、就職支援室やキャリアセンターには常勤・非常勤のキャリアコンサルタントが活躍をしています。元々職員の方にニーズが発生して資格取得を促される場合が多いので、資格を取得した後の再就職先という意味合いは薄いかもしれません。採用のされかたとしては、一般的なハローワークの求人票で募集をせず、口コミや派遣会社からの紹介で着任している場合が多いです。

3 需要調整領域について説明をします。
 公的な場所、例えば厚生労働省関連(労働局・労働基準監督署・公共職業安定所・介護労働安定センター)・経済産業省関連(産業雇用安定センター)・法務省関連等(少年院・刑務所)、などがハローワークで受理されている求人なので、目に留まりやすいと思います。国の非常勤職員の募集は例年1月後半から2月後半までに公共職業安定所より公募があり、会計年度職員としての募集が出ます。この、需要調整領域には非正規キャリアコンサルタントが活躍をしています。もちろん、無資格者もおり、その差が資格の有無とは言い切れず、採用については、人物重視・成果重視にかわりありません。政治の流れと政策により時流に乗って雇用の枠が変化しやすい(予算の関係上安定しない)のも事実です。
 ハローワークや市町村で開催している再就職支援セミナーの講師は、労働局から受託した企業から、講師が派遣されてセミナー講師をしています。
 人材紹介業、人材派遣業は近い業種でもありますが、人を商品とせざるを得ない職業であるため「コーディネーター」の色が濃いです。

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 キャリアコンサルタントの資格を取得すると転職に有利なの?との問いに答えるのは難しいです。しいて言えば、人脈・タイミング・地域性によって異なるとも言えます。
 フリーランスで細かな仕事をするか、組織内で組織の仕事をするかは難しい問題ですね。
 先行者利益、という訳ではありませんが、先に歩く先輩キャリアコンサルタントが席を開けてくれるのを待つか、自分で開拓するか、というマーケットの色は濃いかもしれません。
 ここまでくれば、おわかり頂けると思います。要するに、自分を売ることが上手な人とそうでない人では、道が分かれるということです。とは言え、仕事がないからと諦めないでください。あなたの誠実な向上心と学びには有益な情報と共に人がつきます。一期一会の関係も大切にしていきましょう。

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