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キャリアコンサルタントのツール紹介 セルフ・キャリアドック好事例集
労働者労働者自身が主体的にキャリア形成を考える習慣を身につけるため、職場環境を整備する目的で導入された「セルフキャリアドック制度」ですが、平成30年度からの普及加速化事業の成果として「セルフ・キャリアドック普及加速化事業好事例集」を公開しています。 PDFで確認できるため、目を通してみました。
内容は、今までのセルフキャリアドック好事例集と誤差はなく、導入後の会社と従業員の意識変化がドラマチックに変わった、という報告ではないものの、特に中小企業の事例では、着実に個人が会社依存ではなく自己責任の元自身のキャリアに向き合い始めた様子がわかります。一番の収穫は、企業内でのキャリアの道筋が整い、(メンタルではない)相談も可能になったことから、従業員が先の見通しをもって働くことができるようになったという、血の通った安心感が読み取れることでしょうか。
中小企業はその職場自体が家族のようなもの。従業員の生活の変化は特に、企業側も把握しやすい関係性がありますね。従業員から申し出る転居や結婚出産の手続きからは健康保険組合への申請が必要となり、健康診断では高リスク者も把握できます。人数的に、何をするにしても顔が見える間柄ですね。
今迄の授業員の一部の方に、職場に求めるものは定期的な給与だけ、その分の義務として仕事をすればいい、という考え方が蔓延していたとしても、キャリアコンサルティングでは、従業員一人一人の価値観に触れ、キャリアと生活の見直しも図れる機会が保てるのですから、企業にすれば生産性も上がり、従業員個人としては、生き方の再構築に気づく機会にもなります。流されたルーチンではなく、自分の人生を自分で考えるきっかけになる、というものです。
キャリアコンサルタントがセルフキャリアドック制度のコンサルティングをするために企業を訪問し、ジョブカードだけ作って帰るというパターンが多いと聞きます。一般的なキャリコンなら誰でもできます。それを一歩踏み込んで、訪問した際には最初に人事の担当者に好事例集を渡し、「どのようなイメージで企業内に浸透させたいと考えているのか」と投げかけ、ジョブカード面接を修了した後にディスカッションすることにも意味があります。もっと先に投げかけるなら、面接日程調整をする時に「セルフキャリアドック普及事業好事例集」のPDFを投げかけ、訪問した際に一緒にディスカッションしましょう、と伝えるだけでも目を通してもらえる可能性があります。組織介入までできなくても、事例を伝え投げかけるだけでも企業側にはインパクトがあるものなのです。
キャリアコンサルタントとして訪問先の企業を知るきっかけを活かし、助成金を活かしたキャリア形成が進むように働きかけをしていきましょう。
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