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夏の約束 第八章  西アジアの研究会

ある日、都内で開かれる西アジアの研究会にみんなで参加することになった。えりも一緒に、都心の大学で開かれる勉強会へ参加することにした。彼女は横浜から、僕たちは小田急線で新宿へ向かった。

研究会では、アケメネス朝ペルシャの文明についてのグループワークに熱心に取り組み、その熱気が冷めやらぬうちに、みんなで都内のカフェで話し合った。

研究会は朝から始まり、多くの大学からの参加者が集まっていた。初めて会う人々との交流には緊張感もあったが、知識を共有する楽しさも感じられた。

えりと悠真は同じグループになり、アケメネス朝ペルシャの歴史と文化についてディスカッションを行った。

「アケメネス朝ペルシャの建築様式って、本当に魅力的だよね。」えりが熱心に話す。

「特にペルセポリスの遺跡には、すごく心惹かれるものがある。」悠真が応える。

「細部にまでこだわったレリーフや、巨大な柱群には圧倒されるよね。実際に見てみたいな。」

ディスカッションを通じて、お互いの興味や考えを共有し合うことで、二人の間には自然と親近感が生まれていた。午後のセッションが終わり、みんなでカフェに移動することにした。

カフェでは、研究会で知り合った友人たちと共に、お茶を飲みながらリラックスした雰囲気で話が続いた。えりと悠真は隣同士に座り、互いに目を合わせて笑顔を交わした。

「今日は本当に楽しかったね。」えりが微笑んだ。「いろんな人と話せて、新しい視点が得られた気がする。」

「そうだね。えりの意見もすごく参考になったよ。」悠真が答えた。「同じ興味を持っている人たちと話すのって、やっぱり楽しいよね。」

徐々に友人たちは、それぞれに口実を作って席を立ち、それぞれの帰り道へと向かっていった。

カフェの中は次第に静かになり、ついに二人だけが残った。

「どうする?この後、何か予定ある?」悠真が声をかけた。

「特にないかな…」と、えりが微笑んだ。

「良かったら映画でも見ない?」

「うん、行きたい!」えりが嬉しそうに答えた。

二人はカフェを出て映画館へと向かった。映画館では、ちょうど上映が始まるところだった。

映画を観ながら、二人の間には自然と距離が縮まり、手を繋いでいた。

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