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行きつけの蕎麦屋

最寄り駅のすぐそばに行きつけの蕎麦屋がある。

店主が一人でまかなっており、カウンター7席ほどの小さなお店。

仕事で帰りが遅くなった日や、

今日はなんか蕎麦の気分だな、

というときはふらっと立ち寄る。

店先の「そば」と書かれた小さな提灯がなんとも言えずかわいい。

扉を開け、席に着くなり店主が、

「つけ方はどうしますか?」と訪ねてくる。

そのときの気分によって

「熱燗で」とか「冷やで」と答える。

いまの季節はぬる燗が丁度良い。

酒ができるまで、小さい黒板に書かれた店主手書きのメニュー表を眺める。

熟考の末、桜えびの天ぷら蕎麦を注文する。

店主と世間話をする。

おちょこを傾ける。

桜えびを揚げる音が聞こえる。

蕎麦屋で飲む酒は本当にうまい。

仕上がった蕎麦が目の前に置かれる。

わさびをちょちょっと蕎麦に乗っけて軽くおつゆにつけてズルズルズルっと食べる。

揚げたての天ぷらをサクッとかじる。

合間に酒をキュッと飲む。

あっという間に完食。

最後はおつゆを蕎麦湯で割って飲む。

勘定を済ませて店を出る。

夜風が心地よい。

5月の初夏の暑さを「薄暑」というらしい。

暑くもなく寒くもない過ごしやすい時期のことだ。

そして今宵は金曜日。

ああ、なんて幸せ。

#蕎麦 #グルメ #エッセイ #メモ

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