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「ショートショート」今から、お前ら連れていく。



……今から、お前らを連れていく。


「お前、来るのおせーわ。てか、持って来たかよ」
「ん?金だよ。金。この前のお前から貰った小銭全部使ってやったからよ、新しい小遣いくれ。」
「いやいや。タカシ。金持って来いとか、直接すぎて笑う。てか取るの何度目よ?コイツがサツに垂れ込んだら、俺らやべーよ?」
「大丈夫だよ。確かまだ、12回くらいだ。まーコイツにそんな、度胸あるかよ。もし垂れ込んだとしても、俺ら未成年だし、年少に2年くらい入るだけで帰って恨みを上乗せしていじめてやるよ」
「えー。俺やだよ。コイツごときで人生の2年棒に振るの」
「んー、まー。それもそうだな。んじゃ、もう一回しめとく?」
「んだよ。その目」
「タカシ、顔はやめとけって。ほらー、目の下にアザができちまったじゃん」
「大丈夫っしょ?ほら、こんなにプルプル震えてやがるし、へっへっへ。もう一発くれてやればよっと」
「うわ。パンダみたいになった。可愛い」
「ほら、ミノル抑えとけって。お?あったあった。ちぇっ。しけてやがる財布だな」
「つぎ、二万持ってきとけよ」
「なんだぁ?次はないだと?舐めてんじゃねーよごらぁ」
「やべー、杉田が来た。ちょ、お前目隠しとけ」
「杉田先生お疲れ様です」
「タカシにミノルにヨシアキ。お前らよく最近一緒につるんでるな」
「はい。最近ヨシアキとは仲良くなって、次の週末何する?って話し合ってたんだよな」
「な!って。ヨシアキな!って」
『そうか。渋谷とか最近やばそうだから、気をつけろよ。悪さするな』
「しませんよ。じゃ、お疲れ様でした」
「おう」
「杉田にバレたか?」
「バレてはなかったな」
「てか、コイツと週末暮らすわけねーわ」
「一緒に東京いれねーわ」
「ひまだなー。てか、ヨシアキ帰っていいぞ」
「やっぱり、ヨシアキ待て、確かお前の妹、可愛いらしいじゃん」
「そうなん?」
「タカシ会ったことねーか?陸上のスラーってしてる女」
「あーいるな。フウカちゃんだろ?」
「あれ、コイツの妹らしい」
「へー、灰汁のコイツが先に産まれて、美人を後に産んだんだな」
「だから睨むなって言ってんだよ。また服脱がすぞ」
「あっ。そうだ。お前フウカちゃんつれてこれねーの?ハイかYESで答えなさい」
「無視すんじゃねーよ。お前の写真SNSでばら撒くぞ」
「嫌なら連れて来い。俺の前に。フウカちゃんにお前の前でいい事してやるから」
「タカシ、俺が先だぞ」
「あ?うるせいよ、俺が先に決まってんだろうが」
「ヨシアキどうした?今から俺がお前の義兄弟になるだよ?ヨシアキお兄ちゃん、ヨシアキおにいーーちゃん」

……お前ら今から連れていく。歯食いしばれ

「ヨシア………ぎゅ……き……や……め……は…んまー……やめ」
「ぐ……い……ぐぎ……あ…ドス」


おしまい


tano


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