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たのし
2021年1月12日 21:59
〜続き〜❇︎「晴くん。向日葵お帰り。大丈夫かー。」いつの間にか寝ていた僕達は懐かしい声で目が覚めた。「ただいま。」「叔父さんただいま。」僕と晴はその懐かしい声に寝ぼけながら答えた。「少し長旅だったろう。さっ、こっちへ来て少し休むといい。ご飯の準備をするからゆっくりしなさい。」僕達はフラフラと大樹の扉から出て椅子に全体重を預けた。晴は泣きつかれたのか目を腫らして椅子に
2020年11月19日 13:57
我、ちょっと趣味で小説なんぞ小粋に書いてみようと思う。初心者の故、文章的に乱文な所もあるがお付き合い頂ければいと幸いである。ちょくちょく更新していきますので、よろしくお願いたします。白紙屋「………。」「……り。」「…ま…り。」「ひまわり…。ひまわりなのか。」「ん………。懐かしい声……お父さん。……。」凄く懐かしい匂いがする。洗剤の中にある少し汗臭い匂い。多分凄く昔、僕が小さ
2020年11月20日 12:28
〜続き〜「ここはそしたら、天国から現世に未練を残した人が来て、それをお父さん達が解決するってことかな。」「3分の1は理解したみたいだね。もう少し深く話すとしよう。」っと、ゆっくりと僕を気遣いながら隣接する部屋に案内してくれた。初めに驚いたのが中央には大きな木が天井を突き抜けて伸びており、重々しいドアが付いていた。その正面には木目の机に椅子。机の上には書きかけの栞が沢山散らばっていた。
2020年11月22日 01:40
〜続き〜そう言うと、またニコニコしながら真っ白の本を棚に戻しに行ってしまった。「白紙屋かー。何か凄い事してるんだなー」コーヒーを飲み干し、お父さんの机に座ってみた。「意外としっくり来るなーこの机。」机の横にある、和紙の栞を机の上に置いて、とりあえず黄色の絵の具を塗ってみた。お父さんがしていたように、木漏れ日の光に翳しヒラヒラと降ってみた。荒い和紙の隙間から光が漏れ優しい光が僕を
2020年11月23日 09:31
〜続き〜「今から言うことは落ち着いて聞くんだ。分かったね?どうやらお前の体は現世にあって意識はこっちにあるみたいなんだ。身体と意識が亡くなって初めてお父さん達みたいに天国に行けるんだけど、どちらかが現世に残っていたら、それは叶わなくなってしまう。だからお前は一時的に中間に飛ばされたって事なんだ。分かるね?」「でも、僕は現世で自分に起こったことが分からないんだ。でもここにいきなり居たのは確か
2020年12月7日 23:45
〜続き〜「1人ならいるかもしれない」サッと頭から胸元まで冷えた感覚になりお父さんを傷つけた行為に罪悪感を感じながら頭がふわふわした状態で僕は答えた。「それはどんな人だい。」お父さんも床にドサリと腰を下ろし、申し訳なさそうな雰囲気を出しながらいつもの優しい声で僕に聞いてきた。「高校で3年間一緒のクラスの人で、誰とも関係を持ちたくなくって好きで1人でいるのに、何かと声をかけてくる子
2020年12月17日 00:12
〜続き〜2章 宝探し大きな地響きと突如現れた晴(ハル)は8歳の子で背丈は僕の胸くらいの男の子。生前は病弱でよく入退院を繰り返していたそうだった。両親を現世に残してきていて、天国からよくお母さんの泣く顔、お父さんの寂しい顔を見ていて何とかしなきゃと小さい胸で考えて、こんな偏狭の地に噂を頼りに来たようだ。「晴くん。そういえば誰に聞いてここに来たんだい?子供1人ではなかなか大変だったんじゃな
2020年12月19日 17:37
〜続き〜「ひまわりお兄ちゃんありがとう。何か凄く重いかも。」晴に本を渡すと光は消え真っ白な本に戻った。それを大事そうに両手で抱えて嬉しそうに自作の鼻歌を歌いながら僕とお父さんの前を通過していった。「早く行こうよ。中身が早く見たいよ。」少し小走りに先を歩く晴の後を早足で僕とお父さんはついて行った。「やはり子供は元気だな。向日葵も小さい時は滑り台を何回も何回も滑るものだから後からつ
2020年12月26日 21:50
〜続き〜「向日葵も大きくなったもんだね。晴くんを見てるとそう思うよ。」お父さんは窓際に腰掛け窓から外をぼーっと見ながら言った。「そしたら、今から晴くんを連れて現世に降りるわけだけど、きっと不安だろう。でも注意するべき事は二つさ。」お父さんは僕の方に座り直し続けた。「一つ目は晴くんの白い本は絶対に晴くんが肌身離さず持っている事。これは中間と現世を繋ぐ鍵みたいな物だから無くしたら大
2021年1月6日 01:36
〜続き〜確かに10年ぶりだからな。緊張するのかもしれない。「分かったよ。そこの茶色い二階建ての家でいいんだね。僕が見てくるから晴くんはここにいるんだよ。」晴に確認し大きく首を縦に振ったので僕は一人で確認に向かった。なかなか大きい家で庭には大きなみかんの木が植えられていた。僕は門の前に立ちノブを回そうとしたがノブを握ることができない。「そっか。一応幽霊敵扱いだもんな。」僕は再度家
2021年1月9日 14:58
〜続き〜「気になるところを開けばいいんだっけ?」「そうだよ。晴くんがページをめくって気になるところを見つけて。そしたら最初はぼんやりとそしてだんだんと文字がはっきりしてくるみたいだよ。」正直僕もお父さんが言った通りの事を晴に伝えただけで内心本に文字が浮かんでそれが彼にとって大事な事であるって事に疑いを持っていた。「とりあえず今は何も感じないけれどめくってみるよ。」彼はそう言うと
2021年1月11日 16:25
〜続き〜「ママは何だか強くなったみたいだよ。パパは何だか寂しそうだ。」晴はソファにゴロンと小さく転がり僕に言った。「どうかなー。僕が見ている感じだと逆な気がするな。晴くんのママは強く見せている気がする。本当はママの方が寂しいんじゃないかな?」晴はソファから無言で立ち上がりキッチンで料理をしている2人の間に立ちじっと2人の行動を見ていた。晴のママと晴のパパの間に立つ晴くんを僕は遠